Project/Area Number |
23K25923
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Project/Area Number (Other) |
23H01227 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17010:Space and planetary sciences-related
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Research Institution | Institute of Science Tokyo |
Principal Investigator |
奥住 聡 東京工業大学, 理学院, 教授 (60704533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 照幸 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設), アストロバイオロジーセンター, 准教授 (10727449)
國友 正信 久留米大学, 医学部, 講師 (20794621)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 惑星形成 / 原始惑星系円盤 / スノーライン / 系外惑星 |
Outline of Research at the Start |
近年の系外惑星の探査によって、太陽系の地球型惑星(水・金・地・火)よりも短周期の軌道を持つ小型の系外惑星が数多く発見された。これらの惑星は、我々の住む地球と同じように形成されたのだろうか? 本研究では、上記の問いに対して答えを導くため、惑星誕生の場である原始惑星系円盤(若い星の周囲の円盤)の温度構造モデルを構築し、円盤の中での岩石惑星の形成・軌道進化・組成進化を理論計算する。その結果を系外惑星の観測データと照らし合わせることで、太陽系の地球型惑星と系外の短周期岩石惑星の起源の違いを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
「若い星の進化を考慮した円盤温度モデルの構築」では、若い星の進化モデルと円盤の電流加熱モデルを統合した円盤進化モデルのコード開発を行った。円盤の温度構造に重要な円盤内の電流加熱と中心星の照射という二つの加熱プロセスに対し、それぞれ円盤のガス流出を含む現実的な質量降着率の進化と星の光度の進化を考慮したモデルを構築した。 「磁気駆動進化円盤中での岩石惑星の形成・軌道進化計算」では、円盤の磁場駆動のガス流出を含む円盤進化モデルと、惑星の成長・移動を追跡する多粒子シミュレーションを統合した計算から、円盤の乱流強度や円盤内の固体質量の違いが形成する惑星系の特徴に大きく影響することがわかった。また、磁気駆動進化円盤におけるダスト成長と円盤温度進化を同時に計算可能な数値シミュレーションを開発し、円盤のスノーラインの進化がダスト粒子の付着力にどのように依存するかを系統的に明らかにした。これらの成果は、それぞれ論文としてまとめ、国際誌へ投稿する準備を進めている。 「多電波観測データによる円盤温度モデル構築」では、円盤の構造を統合的に計算できるモデルを用いて、若い星IM Lupの周囲の円盤の加熱構造などを調べた。その結果、この天体に関しては円盤重力不安定性起源 の加熱が卓越していることがわかり、非常に若い円盤ではこの効果が重要になることを具体的に示した。本成果をまとめた論文は国際誌Nature Astronomyに受理された。 「理論検証のための系外惑星観測データの取得・解析」では、2023年度は主に衛星トランジットサーベイ観測との連携によって既存の地上観測装置(すばる望遠鏡など)を用いて低質量星(M型矮星)まわりのトランジット惑星の発見確認を実施した。さらに、視線速度観測によってそれらのトランジット惑星の質量を制限するなどして、低質量星まわりの惑星の特徴付けも実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたとおり、初年度に計画していた円盤温度モデルの構築および観測的テストでは具体的な進展および論文成果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
「若い星の進化を考慮した円盤温度モデルの構築」および「磁気駆動進化円盤中での岩石惑星の形成・軌道進化計算」では、これまでに開発したシミュレーションコードを用いたより系統的なパラメータ調査を実施し、複数の論文の投稿を実現する。また、現在実施中の、円盤温度モデル上での惑星の成長・水含有量計算では、地球のような岩石主体の惑星の形成位置および条件に対する興味深い結果が得られており、今後はこの研究のさらなる推進により注力して取り組む。 「理論検証のための系外惑星観測データの取得・解析」では、今後も引き続き低質量星まわりの惑星の発見と特徴付けによって低質量星での惑星形成過程を議論するための観測サンプルを提供していくが、2024年度以降は惑星質量があまり制限されていない小型惑星(地球型惑星含む)を中心にフォローアップ観測を実施する。また、南アフリカPRIME望遠鏡に搭載する近赤外ドップラー装置“SAND”の開発を加速し、低質量星を対象とした大規模なドップラー観測に備える。
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