Development of a new EBSD analysis method combining dynamical scattering theory and machine learning
Project/Area Number |
23K25972
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Project/Area Number (Other) |
23H01276 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
瀬戸 雄介 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (10399818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 真弘 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 講師 (60646529)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥19,240,000 (Direct Cost: ¥14,800,000、Indirect Cost: ¥4,440,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥14,690,000 (Direct Cost: ¥11,300,000、Indirect Cost: ¥3,390,000)
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Keywords | 電子後方散乱回折 / 動力学的電子回折理論 / 機械学習 / パターンマッチング / 岩石組織解析法 / 動力学回折理論 / ブロッホ波法 |
Outline of Research at the Start |
動力学的電子回折理論による精密な電子後方散乱回折(EBSD)像計算と機械学習に基づくパターンマッチング法を組み合わせ、高精度な岩石組織解析法を新規開発する。EBSD法は結晶質試料の解析手法として幅広い分野で応用されているが、現状の手法は正確な散乱過程を再現しておらず、表面ダメージ層の影響も考慮していないことから、特に地質試料の分析において重大な問題となっている。本研究では、動力学理論に基づく精密なリファレンスパターンの生成、画質悪化要素の抽出と評価、機械学習によるパターンマッチング法などの開発を行い、地質試料に対するEBSD解析精度の飛躍的な向上を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
EBSD法は結晶試料の相同定および方位解析手法として地質学・材料科学・金属学などの幅広い分野で応用されているが、現状のEBSD解析ではリファレンスパターンを構築する際に多重散乱(動力学的回折)の影響を考慮しておらず、解析精度の悪化を招いている。また対称性の低い結晶や研磨・電子線による表面ダメージが避けられない場合は回折パターンが不鮮明になることがあり、特に地質試料の分析において重大な問題となっている。そのため本研究では、電子の多重散乱過程をブロッホ波法で精密に記述することによって正確なEBSDパターンを再現し、さらに試料の表面状態を反映した画像悪化要素の抽出を目指している。2023年度はEBSDパターンのシミュレーション手法の開発とコード化、および本科研費で購入した試料表面解析システムのセットアップを行った。ブロッホ波の導出過程では複素非対称密行列の固有値・ベクトルを高精度で求める必要があり、これが計算コスト上のネックとなる。そこで本研究では行列サイズに応じて固有値・ベクトル解を得るアルゴリズムを変化させ、さらに圧縮センシングを利用した計算点の補完(方位空間を等間隔ではなくスパースなサンプリングを行い圧縮センシングで補完)することによって計算効率の向上を図った。また正確な原子散乱因子を計算するため、広く用いられている5-ガウシアン近似パラメータを拡張し、9-ガウシアン近似パラメータを導入した。2023年度の作業によって計算コードの基幹部分はほぼ完成しており、成果の一部はオープンソースソフトウェアとしてGitHub上で公開している(https://github.com/seto77/recipro)。試料表面解析システムの一部については2024年3月に導入・セットアップが完了し、本研究に必要な性能要件(空間分解能や電流安定性)を満たしていることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EBSDパターンを再現するためのコード構築はおおむね順調に進捗しており、すでにその成果の一部はGitHub上で公開している。現在はさらなる計算速度の向上を目指して、GPUを用いた超並列化計算のコード開発を行っている。またユーザーインターフェースについても次年度以降の完成を目指して設計を行っている段階である。試料表面解析システムに用いる走査型電子顕微鏡については、選定及びセットアップ作業は特に問題なく順調であった。本研究に必要な性能要件(空間分解能や電流安定性)を満たしていることを確認しており、引き続き次年度以降にEBSD検出器のセットアップを行う予定である。以上のことを総合的に判断して、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の前半では、昨年度に導入した試料表面解析システムについて、引き続きセットアップと検出器のキャリブレーション作業を行う。具体的にはEBSD検出器と試料との幾何学的配置(電子線と試料表面の角度、試料表面と検出器面の角度、試料と検出記の距離など)の最適条件を決定する。後半では、金属や単純な酸化物を対象として実際のEBSDパターンを取得する。EBSDパターンは、試料の表面粗さや非晶質層によって大きく影響をうけるため、本年度の段階ではなるべくダメージの少ない試料を調整することに注力し、その表面粗さや非晶質層厚みは事前に透過電子顕微鏡で評価しておく。 上述の内容と平行して、引き続きEBSDパターンの動力学的シミュレーション手法の開発も行う。本年度は、方位空間を細かく(100万~1000万)分割し、それら全てについての固有値・固有ベクトルをデータベース化する方法を構築する。さらに、GPUを用いた超並列化計算、圧縮センシングを利用した計算点の補間、および得られた固有値・固有ベクトルのマップをゼルニケ多項式で展開することで次元削減(圧縮)しデータ量を低減するなどの工夫によって計算コストをさらに軽減し、任意の表面方向に対する正確な回折パターンを生成する方法論の確立を目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)