Project/Area Number |
23K25973
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Project/Area Number (Other) |
23H01277 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
新名 良介 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (00769812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河口 沙織 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 回折・散乱推進室, 主幹研究員 (00773011)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥19,110,000 (Direct Cost: ¥14,700,000、Indirect Cost: ¥4,410,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2023: ¥11,830,000 (Direct Cost: ¥9,100,000、Indirect Cost: ¥2,730,000)
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Keywords | 地球・惑星内部 / 天体衝突 / 固体地球 / 高温高圧力実験 / X線回折測定 / 地球惑星物質 / 衝突 / 地球外有機物 / 高温高圧実験 / ダイヤモンドアンビルセル / 鉱物 |
Outline of Research at the Start |
地球の物質的進化は生命の誕生・持続可能性を理解する上で欠かせない情報であり、世界中で研究が進められている。本計画では新たな実験手法を用い、短時間反応が重要な場である(1)小天体衝突時の物質進化過程と、(2)高圧下準安定相の出現条件を理解することを目指す。これらの目標達成のために、百万気圧、数千度を超える高温高圧発生実験と、ミリ秒級極短時間その場測定を組み合わせ、短時間高圧下地球物質反応実験を世界に先駆け推進する。申請者らが準備を進めてきた独自の高温高圧発生法と、先端測定手法を用いることで、これまでに類を見ない極短時間・高温高圧実験方法を完成させ、高圧下地球物質反応速度論を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
地球の物質的進化は生命の誕生・持続可能性を理解する上で欠かせない情報であり、世界中で研究が進められている。従来、地球物質進化は高温高圧下化学平衡を実験室で再現することを前提目標として研究が発展してきた。しかし研究が進むにつれ平衡に至る前の短時間反応が重要な役割を果たす場が注目を集めている。本計画では新たな実験手法を用い短時間反応が重要な場である(1)小天体衝突時の物質進化過程と、(2)高圧下準安定相の出現条件を理解することを目指す。これらの目標達成のために、百万気圧、数千度を超える高温高圧発生実験と、ミリ秒級極短時間その場測定を組み合わせ、短時間高圧下地球物質反応実験を世界に先駆け推進する。本年度は、当初の計画通り、ミリ秒級極短時間加熱、高速分光測定、高速X線回折測定を組み合わせ、高温高圧力下短時間反応実験システムの構築に取り組んだ。特に、大型放射光施設SPring-8 BL10XUにおける実験システムの構築が順調に進展した。X線回折測定の高度化に成功し、数十万気圧という高圧力下においても、最短で1ミリ秒程度の瞬間加熱を精密に制御し、極短時間加熱中の反応を明瞭に判別できることが示された。この技術開発の内容をまとめた論文は国際学術誌に既に受理されている。高温高圧力状態において、極めて短いタイムスケールでの反応過程をその場で観察することが可能になった。小天体衝突時における鉱物や有機物の反応に応用することで、地球物質の進化に貢献することができると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初の計画通り、ミリ秒級極短時間加熱、高速分光測定、高速X線回折測定を組み合わせる、高温高圧力下短時間反応実験システムの構築に取り組んだ。概ね予定通りに進展し、短時間加熱測定実験をほぼルーチンで行うことができるようになった。当初は直流電源を操作することでレーザーの加熱開始と終了を制御していたが、ファンクションジェネレータを用いることで遅延も解消し、極短時間の加熱と測定の同期に成功をした。数100ミリ秒程度の瞬間加熱制御を当初の目標としていたが、上述の測定システムの高度化により、最終的には1ミリ秒毎の回折測定が可能となった。1ミリ秒測定でも得られた回折ピークは十分な強度であったうえ、短時間測定でも液体からのdiffuse signalを得ることができた。得られた成果はすでに国際査読付き論文として発表済みである。小天体衝突を模した実験も推進することができ、地球外物質に付着する有機物が被る温度圧力条件を再現するような実験を推進することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画は概ね順調に進展しており、次年度以降はターゲットとしている試料を用いて実験を推進する。ダイヤモンドアンビルセル内に(1)地球外物質に含まれる有機物と、(2)準安定相が報告されている鉱物試料を封入し、小惑星衝突時に発生する温度圧力を模擬した実験を行う。隕石内にみられる有機物を模した試料は、先行研究によって実験室で合成されたものを使用する。酸化ケイ素試料については、当初予定していた通り石英、クリストバライト、スティショバイトを用いる。計画当初計画していた試料に加え、新たな多形を入手することもできたため、その試料も用いる。高速測温分光測定とその場X線回折測定を行い、試料内の温度圧力履歴を正確に決定する。同時に(2)の試料では出現・消滅する相の同定を行い、その反応時間と反応量を測定する。(1)の試料では、実験後試料を回収し、赤外分光測定やラマン散乱測定、X線吸収測定を行うことで、試料中に含まれる化学結合の定量を行う。
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