Project/Area Number |
23K25998
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Project/Area Number (Other) |
23H01303 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 18010:Mechanics of materials and materials-related
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
田村 篤敬 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (30394836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長山 和亮 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (10359763)
本宮 潤一 鳥取大学, 工学研究科, 講師 (80781690)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥19,370,000 (Direct Cost: ¥14,900,000、Indirect Cost: ¥4,470,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥12,220,000 (Direct Cost: ¥9,400,000、Indirect Cost: ¥2,820,000)
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Keywords | 脊髄硬膜 / 二軸引張 / 偏光観察 / 残留応力 / 脳脊髄液 |
Outline of Research at the Start |
脳脊髄液漏出症は,交通事故やコンタクトスポーツのほか,日常生活レベルの些細な衝撃で発症することが知られており,脳脊髄を保護する髄膜には,外力に対して特異的に弱い方向や局所的に脆弱な箇所が存在しうるものと予想される.そこで本研究では,脊髄硬膜を対象とした力学実験と数値モデリングを通じ,この矛盾を孕んだ破壊プロセスの解明に挑む.この際,組織の残留応力や微細構造にも着目して有限要素モデルを構築し,微視的な3次元力学環境を求めることにより,マクロな組織の変形とミクロな構成要素の損傷がどのように結びついているのかを明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度はブタ脊髄硬膜を対象として,等荷重ならびに非対称な二軸引張試験(応力緩和試験を含む)を行い,ひずみエネルギーの損失に力学負荷パターンあるいはエラスチン由来の応力緩和が寄与しているのかどうかを明らかにすることを目指した.主な研究成果は下記の①~③にまとめられる. ①エラスチンが等荷重二軸引張の応力緩和応答に及ぼす効果:脊髄硬膜に含まれるエラスチンの破壊前後で,等荷重二軸引張(デフォルト)による応力緩和試験を実施し,未処理の硬膜とエラスターゼ処理(エラスチンを破壊)を施した硬膜の力学応答の差を比較した.その結果,両者の間に明確な差は認められず,応力緩和応答に対するエラスチン線維の寄与は無視できることがわかった. ②非対称な力学負荷条件下における二軸引張試験:脊髄硬膜を試料として,軸:周の荷重比=1:1,1:0.75,1:0.5,0.5:1,0.75:1 の5パターンで二軸引張試験を実施し,vivo 相当の力学負荷パターン(軸:周の荷重比=0.5:1)については,組織にひずみエネルギーが蓄積しにくい傾向を示すことを明らかにした. ③単軸引張負荷を受けたコラーゲン線維の挙動観察:顕微鏡下で偏光観察しながら脊髄硬膜の静的な単軸引張試験を行うシステムを開発し,引張負荷に伴うコラーゲン線維の微視的な挙動を追跡する独自の観察手法を確立した.その結果,引張の増加とともにコラーゲン線維が周方向から軸方向へと徐々に揃っていく様子ならびにコラーゲン線維の蛇行具合に変化が見られることを定量的に把握することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究については,ほぼ計画どおりに進展しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
当初購入を予定していた計測機器については,初年度にほぼ一式を導入することができたので,今後は顕微鏡下における脊髄硬膜の二軸引張試験に注力し,独自に確立した偏光観察手法を適用しながら,引張負荷に伴うコラーゲン線維の微視的な挙動とその変化を明らかにする.また,研究分担者である長山教授(茨城大),本宮講師(鳥取大)とも対面あるいはオンラインの定期的なミーティングを開催してコミュニケーションの強化を図り,相互の連携をより深めながら研究内容を深化させていく予定である.
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