Project/Area Number |
23K26011
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Project/Area Number (Other) |
23H01316 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 18020:Manufacturing and production engineering-related
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
溝尻 瑞枝 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (70586594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 善恵 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (20509129)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,010,000 (Direct Cost: ¥7,700,000、Indirect Cost: ¥2,310,000)
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Keywords | 光熱還元 / 過渡現象 / 多光子吸収 / Cu2Oナノ粒子 / 熱整流 / 熱清流 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は,熱整流作用が期待できる多分散金属酸化物ナノ粒子透明インク内部で誘起されるフェムト秒レーザ多光子励起加熱を利用し,世界で初めて回折限界以下の空間分解能の金属還元焼結プロセスを創出することにある.小粒径粒子の優先還元により金属酸化物・金属ナノ粒子間に発現される熱整流作用と,その還元接合過渡現象をps時間分解能で明らかにするとともに金属の2D/3D微細造形へと展開する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,熱整流作用が期待できる多分散金属酸化物ナノ粒子透明インク内部で誘起されるフェムト秒レーザ多光子励起加熱を利用し,世界で初めて回折限界以下の空間分解能の金属還元焼結プロセスを創出することにある.小粒径粒子の優先還元により金属酸化物・金属ナノ粒子間に発現される熱整流作用と,その還元接合過渡現象をps時間分解能で明らかにするとともに金属の2D/3D微細造形へと展開する.具体的には,熱整流作用発現熱拡散抑制インクにおける多光子励起還元接合過渡現象の解明と回折限界以下の領域への焼結制御を実現するため,①熱整流作用を発現する多分散金属酸化物ナノ粒子インクの調製,②フェムト秒レーザ還元接合過渡現象の解明,③3D還元焼結を利用した各種センサ作製への応用,に取り組む. 令和5年度は①熱整流作用を発現する多分散金属酸化物ナノ粒子インクの調製と②フェムト秒レーザ還元接合過渡現象の解明に取り組んだ.①では,2種類の粒径を有する単分散Cu2O球状ナノ粒子(直径100 nm,250 nm)を調製し,混合比1:1で多分散Cu2O球状ナノ粒子インクを調製した.更に,同等サイズの直径100 nm以下のCuナノ粒子をポリオール法とレーザアブレーション法の2種類の方法で合成することに成功した. ②では,過渡現象解明のためのポンプ・プローブ評価系を構築した.まずナノ粒子添加による吸収特性を評価するため,還元接合用の波長を選択した.添加予定の直径100 nm以下の貴金属ナノ粒子は,波長400―500 nmでプラズモン共鳴に起因した吸収を示した.更に,Cu2O球状ナノ粒子に対して基本波の高い透過率を有することの両方の条件を満たすものとして,波長780 nmおよび515 nmの近赤外およびグリーンフェムト秒レーザを用いた.いずれの場合においても,数ps以内の時間精度で計測のできる光学系を構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度計画した①熱整流作用を発現する多分散金属酸化物ナノ粒子インクの調製と②フェムト秒レーザ還元接合過渡現象の解明において,当初計画通り遂行した.Cuナノ粒子調製においては,レーザアブレーション法による高い分散性Cuナノ粒子と,ポリオール法による高濃度Cuナノ粒子のそれぞれの特徴を生かし,令和6年度のインク調製において,添加濃度条件を広く検討できるため,大変有用な成果であった.また,過渡現象観測系の構築においては,プローブ光によるサンプルへの影響を抑止するため,ポンプ光とプローブ光は同一波長のものを用い,その検出は偏向子をクロス・ニコル条件で設置することで直線偏向のプローブ光をカットできることを確認でき,令和6年度の計測を計画通り遂行できる.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,熱整流作用発現熱拡散抑制インクにおける多光子励起還元接合過渡現象の解明と回折限界以下の領域への焼結制御を実現し,2D/3D微細造形へ応用するため,①熱整流作用を発現する多分散金属酸化物ナノ粒子インクの調製,②フェムト秒レーザ還元接合過渡現象の解明,③3D還元焼結を利用した各種センサ作製への応用,に取り組む. 令和6年度は,①熱整流作用を発現する多分散金属酸化物ナノ粒子インクの調製,②フェムト秒レーザ還元接合過渡現象の解明,③3D還元焼結を利用した各種センサ作製への応用に取り組む. ①のナノ粒子インクの調製では,昨年度調製した単分散Cu2O球状ナノ粒子と同等サイズのCuナノ粒子を混合したインクを調製し,小粒径粒子の優先還元により金属酸化物・金属ナノ粒子間に発現される熱整流作用と,その還元接合過渡現象を明らかにする.更に,Cu以外のプラズモン吸収の期待できるAgやAuナノ粒子も添加し,Cu2O球状ナノ粒子の還元焼結特性を明らかにする. ②の還元接合過渡現象の解明では,昨年度構築した光学系と,今年度調製する①のインクを用い,優先的に光吸収すると期待できる貴金属ナノ粒子の混合の有無によって,還元接合の過渡現象をポンプ・プローブ法により明らかにする.更に,最終的な焼結パターンの結晶構造や大気中酸素による酸化状態などの材料評価を行い,過渡現象との関連を明らかにする. ③のデバイス応用に関しては,本プロセスの適用可能性を検討する.具体的には,パターニングの期待できるCu系パターン中のCu2Oや異種貴金属ナノ粒子の触媒的な機能を積極的に活用するため,電気化学的センサへの電極応用としての有用性を探索する.
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