Project/Area Number |
23K26032
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Project/Area Number (Other) |
23H01337 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 19010:Fluid engineering-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
坪田 健一 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (10344045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 浩 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (40303698)
中田 敏是 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (80793190)
杉本 晃一 千葉大学, 大学院工学研究院, 特任教授 (90408592)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,140,000 (Direct Cost: ¥7,800,000、Indirect Cost: ¥2,340,000)
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Keywords | バイオメカニクス / 血流 / 血栓 / マルチスケール / マルチフィジクス / 赤血球 |
Outline of Research at the Start |
血栓形成と抗血栓薬効を理解するためには,幅広い時空間スケール(マルチスケール性)で生じる生化学と力学の連成機構(マルチフィジックス性)の全容がどのようなものか,明らかにする必要がある.本研究では,血球から臓器に渡るスケールを対象とし,力学的および化学的な素過程としての血球運動,凝固因子の濃度分布および凝固カスケードを同時かつ直接的に計算機内でシミュレートし,血栓症と抗血栓薬効を決定づける血流のマルチスケール性とマルチフィジクス性を明らかにする.さらに,抗血栓薬効の作用条件を血流と関連付け,従来観察されてきた非線形な投薬量・血栓形成関係の機構を明らかにし,投薬治療の指針策定法を新たに提案する.
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Outline of Annual Research Achievements |
血栓形成における流れと血液凝固の相互作用について,以下の結果を得た. (1)血球(~μm)スケールの分解能で壁面からサブミクロンスケールの領域に対する血栓形成の計算機モデリングを行った.ここでは,粒子法を用いて,血流下における血小板および赤血球運動の計算と,凝固因子濃度の移流拡散を同時に解いた.血液の凝固は,凝固因子濃度が閾値を超えた場合に生じるものとし,凝固によって血しょうを液相から固相に変化させた.シミュレーションの結果,血流の速度に応じた血球運動および血栓形成面の形成速度が,形成される血栓の構成成分を決めることが分かった. (2)中動静脈(~1mm)程度の大きさの血管内における血栓形成のモデル化と計算機シミュレーションを行った.ここでは,既報のラット頸動静脈シャント内に設置されたフィラメント周囲の血栓形成実験を参照し,その流れと血液凝固を同心二重円管モデルを用いた1次元問題でモデル化した.移流の効果は,血栓形成部に流入および流出する凝固因子濃度の収支によって表した.シミュレーションの結果,平均血流速度が血栓形成速度に与える影響を定量的に評価することが可能になった.血流の有無で血栓形成速度は20%~50%変化し,変化の程度は凝固モデルに依存することが確認された. (3)心房細動における左心房心耳部の血栓形成現象を検討するため,壁運動が心房内の血流に与える影響を粒子法および有限体積法を用いて計算した.その結果,凝固因子濃度の移流拡散計算を正確に行うためには,移流項を精度良く計算する必要があること,そのためのモデリングに工夫が必要なことが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
流れ下における血液凝固について,その運動学的な特徴が血球スケールおよび見かけの血液スケールでそれぞれ明らかになり,両者を関係づける目途が立った.
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Strategy for Future Research Activity |
見かけの血液スケールから血球スケールに至る血栓形成現象を総合的に理解するためには,凝固因子の移流拡散,凝固の反応速度および血球運動を考慮することが重要であることが,今年度の検討から改めて確認された.今後は,血栓形成のマルチスケールモデル構築のために,左心房心耳などを対象として,血球スケールの現象およびスケール間の相互作用の詳細な解析とモデルリダクションを進める予定である.
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