Project/Area Number |
23K26040
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Project/Area Number (Other) |
23H01345 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 19010:Fluid engineering-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松永 大樹 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (40833794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 勇輝 三重大学, 工学研究科, 准教授 (50636066)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
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Keywords | DNAオリガミ / 微小流体デバイス / ストークス流れ / 鞭毛 / 強化学習 |
Outline of Research at the Start |
マイクロスケールの生物流れでは帆立貝定理の制約を巧みに回避した戦略により流体を駆動する.DNAオリガミ技術を生かしたマイクロ・ナノスケールの流体デバイス開発が将来期待されるが,流体駆動を最大化するDNA構造物の変形パターンの設計は自明ではなく,また変形するDNAオリガミの開発が不可欠である.本研究課題ではDNA鞭毛(DNAの自己組織化により形成する鞭毛)を研究対象に,まず流体構造連成の最適化問題を解き目的関数を最大化する効率的な鞭毛の変形パターンを探索する解析基盤を構築する.またその基盤を活かし,壁面上を移動するDNA鞭毛,および集団運動により流体を駆動するDNA鞭毛を実験により実現する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績を実験および理論・数値計算の両面より概説する. 理論・数値計算の面からは,数値計算手法であるストークス動力学法と強化学習を組み合わせて流体の最適な輸送を解析する基盤の構築に成功した.DNA鞭毛はバネ・ビーズにより構成され,自発的な曲げ駆動により流体を押し出すことができる.これら1体または多体の鞭毛について,どのような曲げ駆動により流体輸送が最大化することができるかは自明ではないため,この解析基盤を用いて流体駆動に関する基礎的検討を実施した.1体の鞭毛について,鞭毛が有するパラメータ(曲げ剛性,行動決定周期)に依存して流量を最大化する鞭毛打の軌跡が大きく異なることを明らかにした.曲げ剛性が高い場合は小さい軌跡で短い周期,曲げ剛性が低くフレキシブルな鞭毛は大きな軌跡で長い周期を有することがわかった.また複数の鞭毛による流体輸送について,複数の鞭毛の協調運動により鞭毛1本の流量の重ね合わせよりも高い流量を実現できることを明らかにした.また興味深いことに,この協調運動では鞭毛打は同位相で同期して打つのではなく,位相差を持った鞭毛打が流量向上に寄与していることがわかった.以上の成果は,人工鞭毛による微小ポンプを実現する上で効率的な動作を理解するための基礎になると期待される. 実験ではDNA鞭毛を実現する基礎的な検討としてイオン変化および分子入力に応答して,曲げ変形を示すDNAナノ構造体を作製した.さらに,このナノ構造体を多量体化させることで,マイクロメートルスケールのらせん状構造を構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績に示した数値計算による鞭毛打の解析については,現在国際学術誌への投稿準備を進めている.初年度に開発したこの理論・数値計算基盤がこのプロジェクトの基礎となるため,順調に進展しているといえる.また実験面でも外部刺激に応答して形状変化するマイクロメートルオーダーDNA構造体を実現に成功し,理論側との比較に向けて順調に実装が進んでいる. 本基盤研究ではDNA鞭毛の実装だけでなく,鞭打ち駆動の遊泳体の最適遊泳やクラミドモナスの最適遊泳解析など違うプロジェクトも進んでおり,計画通り進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
理論面では,数値解析で得られた結果について理論解析を計画している.複数鞭毛の協調運動による流量増加のメカニズムを明らかにするための理論解析を実施する.また実験面では,既に実装に成功したマイクロスケールのらせん状構造物について変形を確認するとともに,理論面との比較を実施することを計画している.
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