Project/Area Number |
23K26049
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Project/Area Number (Other) |
23H01354 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 19020:Thermal engineering-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩井 裕 京都大学, 工学研究科, 教授 (00314229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 将史 京都大学, 工学研究科, 准教授 (10757636)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,330,000 (Direct Cost: ¥14,100,000、Indirect Cost: ¥4,230,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,280,000 (Direct Cost: ¥5,600,000、Indirect Cost: ¥1,680,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
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Keywords | ガス輸送 / 多孔質 / 反応 / 電極 |
Outline of Research at the Start |
直接内部改質式SOFCの燃料極において、不均一な大空隙を科学的理解に基づいて取り入れることでSOFCの性能要求に沿った反応とガス輸送を調和的に実現する手法を確立することをめざす。空隙構造が異なる多孔質触媒を自作し、精密な反応実験を行う。集束イオンビームを備えた走査型電子顕微鏡を活用して多孔質触媒の大領域構造解析を実施する。構造データに基づく数値解析で多孔質触媒内での改質反応とガス輸送の現象を解明する。得られた知見をSOFCセルに還元し、不均一な空隙構造が発電性能に与える影響を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度である本年度はまず大空隙を制御した多孔質サンプルの作製プロセスを確立した。本研究では、SOFCで採用されることの多い典型的なNi-YSZ(ニッケル-イットリア安定化ジルコニア)の混合多孔質燃料極を対象とする。市販の粒子を適切なバインダー等と混合し、テープキャストないしプレス加工を施したのちに電気炉で焼成することで、多孔質触媒サンプルを自作した。主な調整パラメータは材料粉末の粒子径、混合比、造孔材の粒子径(φ2~10 μm)およびその量、バインダーを含めたそれら材料の混合比、焼成条件である。燃料極支持型SOFCを想定して触媒厚さは0.5mm程度とした。ただし造孔材を使用しないサンプルの場合のみ、焼成後に酸化Niを還元する過程においてサンプル中央部まで十分に還元することが困難であったため、厚さを薄くすることとした。2次元でのSEM観察により、作製プロセスと空隙径分布を定量的に評価した。大空隙を有するサンプルから統計的に意味のあるデータを得るため、大領域での微構造観察が必須となる。従来、一般的な燃料極を構成する電子伝導相・イオン伝導相・空隙の三相の領域分けプロセスではマニュアルでの補正作業が必要であったが、これを大領域画像データに適用することは、作業負荷の面から現実的でない。そこで機械学習に基づく領域分けプログラムを新たに開発し、領域分けプロセスを自動化することに成功した。さらに初年度の計画には入っていなかったが、定量化した多孔質微構造の特徴量を活用することで、アンモニアの熱分解反応が進行する条件下での、燃料極支持体内のガス輸送-反応1次元数値解析モデルを、計画を前倒して構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多孔質サンプルの作製プロセスの確立、その断面の大領域観察と、大領域画像の定量化を自動で実施するための機械学習的手法による領域分けプログラムの開発など、初年度に計画していたことはおおむね順調に進捗した。さらに画像解析により定量化した多孔質体サンプルの構造特徴量を用いた、燃料極支持体内のガス輸送-反応1次元数値解析モデルを、計画を前倒して構築することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り、燃料極支持体内のガス輸送-反応1次元数値解析モデルを、計画を前倒して構築することができた。これまでにアンモニアの熱分解反応を組み込んだうえでいくつかの計算条件での試計算を実施したところ、増モル反応であるアンモニア分解反応による局所的な全圧上昇とその影響は観察されるものの、水素-水蒸気系の対向輸送に起因する電極-電解質近傍の全圧上昇に比べると、これまでに実施した計算条件下では限定的な影響にとどまっている。今後、より広い計算条件での検証をまず実施するが、もし燃料極内の全圧勾配の影響において電気化学反応によるもの主であるならば、触媒反応としては改質反応よりも電気化学反応とのガス輸送の調和を優先して検討を進めることとする。
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