Project/Area Number |
23K26050
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Project/Area Number (Other) |
23H01355 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 19020:Thermal engineering-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
芝原 正彦 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (40294045)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥19,240,000 (Direct Cost: ¥14,800,000、Indirect Cost: ¥4,440,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥12,220,000 (Direct Cost: ¥9,400,000、Indirect Cost: ¥2,820,000)
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Keywords | 伝熱 / 流体ー固体界面 / 非平衡現象 / 分子動力学 / 流体-固体界面 |
Outline of Research at the Start |
人工的に作成した表面の非一様な特性や巨視的な伝熱によって,流体-固体界面における諸物理量を制御可能な時空間的な微小極限を明らかにし,さまざまな相変化や触媒反応を精緻に制御するための知見を得ることを研究目的とする.そのために,流体-固体界面における時空間平均をしていない諸物理量の分布と表面の非一様な特性や巨視的な伝熱形態との関係を分子動力学解析により明らかにする.さらに,表面性状や巨視的な伝熱条件によって極限的に精密に制御された場の変化が,直接的に影響する触媒反応や気泡核生成などの非平衡現象の発生場所と時間に与える影響を分子動力学解析により明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は分子動力学シミュレーションのための計算機環境の整備と基本計算モデルの構築を行うために以下の研究項目を実施した. 1.計算機環境の整備と基本計算モデルの作成:流体-固体界面系の分子動力学シミュレーションのための基本計算モデルの構築と計算機環境の整備を行った.具体的には,ワークステーションの導入や大型計算機での試行により,解析可能な計算モデルの時間・空間スケールの最大値を検討するとともに,後述する伝熱形態や表面構造の影響評価や非平衡現象解析のための基本モデル系構築とテスト計算を行った. 2.流体-固体界面における高時空分解された諸物理量の取得方法の検討:2-1.空間分解された諸物理量の描像: 流体-固体界面の領域を微小な2~3次元空間に分解し,時間平均された密度,温度の2~3次元空間分布を取得した.2-2.時空間分解された諸物理量の描像: 流体-固体界面の領域を微小な2~3次元空間に分解し,その中に存在する流体分子の密度,温度から,時間平均されていない密度,温度のゆらぎの2~3次元空間分布を取得した. 3.表面性状および巨視的な伝熱形態のモデリング法の検討:表面性状の影響評価を目的として,ナノスケールの矩形構造の付与や表面の濡れ性の変化に関するモデリングを行った.また,巨視的な伝熱形態の解析への組み込みを目的として,界面における熱伝導およびふく射による伝熱過程を分子動力学解析においてモデリングする方法を検討した.熱伝導のモデリングは容易であるが,ふく射伝熱は量子力学的なモデリングが必要であることが分かった. 4.非平衡現象解析の準備:沸騰伝熱における気泡核生成,凝固核生成,触媒反応などの非平衡現象の解析のための基本プログラムを整備した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最初に,計算機環境の整備と基本計算モデルの作成,流体-固体界面における高時空分解された諸物理量の取得方法の検討はおおむね順調に進展している. また,表面性状のモデリングについては基本モデルについて検討済であり,順調に進展している.巨視的な伝熱形態の解析において,熱伝導の非平衡過程を古典分子動力学解析で扱うことは可能であるが,ふく射伝熱の非平衡過程をシミュレートするには量子分子動力学的な扱いがモデリングとなることが分かった.今後,巨視的な熱伝導過程を先に解析を行い,ふく射伝熱過程については引き続き解析方法の検討を行っていく. さらに,沸騰伝熱における気泡核生成,凝固核生成,触媒反応などの非平衡現象の解析のための基本プログラムを整備できたことから,非平衡現象のシミュレーションの準備もおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度には,基本プログラム,基本モデルと計算環境が整ったことから,2024年度からは,巨視的な熱伝導による加熱・冷却時の単原子スケールからナノメートルスケールの表面微細構造および表面特性分布が平衡および非平衡時の局所物理量の変化に与える影響を分子動力学シミュレーションにより明らかにする. また,非平衡現象への界面性状の影響について,以下の解析を順次,行っていく予定である.(1)単原子スケールからナノメートルスケールの構造および表面特性分布が局所熱抵抗分布に与える影響,(2)単原子スケールからナノメートルスケールの構造および表面特性分布が気泡核生成に与える影響,(3)単原子スケールからナノメートルスケールの構造および表面特性分布が氷核生成に与える影響 さらに上記の実施後に,(4)非平衡現象予測のための機械学習・深層学習プログラムの整備,(5)触媒反応の基本プログラムの整備,を行い,ふく射伝熱過程のモデリング方法の検討も行うことを予定している.
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