Research on Infinity Natural Walk
Project/Area Number |
23K26076
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Project/Area Number (Other) |
23H01381 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 20020:Robotics and intelligent system-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
亀崎 允啓 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任教授 (30468863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 康貴 九州大学, 工学研究院, 准教授 (00632176)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,840,000 (Direct Cost: ¥6,800,000、Indirect Cost: ¥2,040,000)
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Keywords | 無限自然歩行 / トレッドミル / パラレルワイヤ / インピーダンス / 人間機械協調 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、2軸トレッドミルとパラレルワイヤ牽引装置からなる無限自然歩行(INW)装置を提案し、INWが実現されるメカニズムを明らかにする。1~2年度にかけて、A.歩行時の人体各部の機械インピーダンスのモデル化(中島)、B.パラレルワイヤ牽引装置を含む無限自然歩行装置の開発(亀﨑)、2~3年度前半にかけて、C.トレッドミル・ワイヤ協調制御の開発(亀﨑・中島)、3年度後半に、無限自然歩行の実現やその応用可能性を確認するための総合評価(亀﨑・中島)を実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、A.歩行時の人体各部の機械インピーダンスのモデル化、および、B.パラレルワイヤ牽引装置を含む無限自然歩行装置の開発に取り組んだ。 Aでは、複数の被験者に協力頂き、紐牽引箇所および牽引力ベクトルを複数パターン用意してデータを収集した。簡易的な2軸トレッドミルと牽引装置を用い、歩行中の多関節の連動を考慮した下肢関節がもつインピーダンスを推定することを目標に、トレッドミルのベルト急停止を用いて立脚期の足関節のインピーダンス推定を行った。トレッドミルのベルト急停止に基づく足関節のインピーダンス推定を行った結果、剛性に関して片足支持期に増加傾向がみられることが確認された。また、歩行中に身体を前方に移動させるために重要な底屈動作を主に担う腓腹筋の筋活動レベルが最大となる区間で剛性が最大となる可能性が示唆された。以上のことから、本研究手法は剛性の推定に関して概ね有効であると考えられる。 Bでは、簡易的な2軸トレッドミルとパラレルワイヤ牽引装置開発を行った。体幹装具の要求仕様を整理すると、「ワイヤ牽引力」を「慣性力相殺のための力」として効果的に人に伝えられること、装具が自然な歩行動作を妨げないことが重要となる。人にワイヤを直接取り付けると、人の手腕動作と干渉してしまうため、牽引ワイヤを直径1mのリングに取り付け、腕振り動作等を阻害しないようにV字のアームでリングと体幹装具を接続する「アーム・リング構造」を提案した。体幹装具には、牽引力が体に伝わるまでの時間的なずれを極力減らし、ワイヤ牽引力を慣性力に近づけるため、より広範囲に違和感なく力を伝えることが必要となる。そこで、アームから伝わる力で変形しない強度の硬質プレート部と、プレートからの体表面までの隙間やその個人差を吸収し、密着性を高めるスポンジ部で構成される体幹装具を開発し、その有用性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
トレッドミル型の歩行デバイスを用い、後方からワイヤ牽引によって床駆動時の慣性力を相殺することで自然な歩行体験を提供することを目的に、2023年度は、効果的かつ違和感のない自然な牽引力作用のための体幹装具を開発、および、紐牽引制御システム設計の基礎理論を構築するために必要な歩行中の人の機械インピーダンスを推定する手法に関する研究開発を行った。 本研究で対象とする「慣性力を打ち消すための紐牽引力を効果的に人に作用する方法」は、これまでにほとんど検討がなされていない。装着者の安全性はもちろん、力を陽に感じさせないが、慣性力を打ち消すため物理力を適切に作用させられる「体幹装具の設計要件」を本研究で導出できたのは大きな一歩である。 また、インピーダンス測定の多くは、外部から強制的に関節角変位(摂動)を与えた際の、応答モーメントと角変位・角速度・角加速度の関係から推定されている。本研究では、歩行時のインピーダンス推定を行うため、装着型摂動装置ではなく、設置型摂動装置を用い、従来のような回転1自由度で人の意図動作を阻害しない程度の小さな摂動ではなく、複数関節に同時に作用する摂動に基づいて推定を行う必要がある。具体的には、トレッドミルのベルトを急停止させ身体重心の移動を促し、下肢の股関節・膝関節・足関節すべてに摂動を与えて関節インピーダンスを推定する方法であり、実験から一定の成果を得ることができたことは特筆すべきである。 これらのことから、慣性力相殺のため必要な基本的な技術が順次構築できており、また、実験からその有用性の一部を定量的に確認することができた。さらに、人と物理的に接触して力を加える体幹装具部において、分布圧力をセンシング可能な柔らかい材料の適用可能性を検証できたことは、当初の予定を超える成果となった。以上から,当研究課題は順調に進捗しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、C.歩行状態に応じた統合協調制御手法の開発を中心に、A.歩行時の人体各部の機械インピーダンスのモデル化、および、B.パラレルワイヤ牽引装置を含む無限自然歩行装置の改良を継続して取り組む。 Cでは、トレッドミル加速で生じる慣性力をワイヤ牽引で相殺するために、C1.人状態推定、C2.トレッドミル制御、C3.牽引力制御を開発する。C1では、各関節の位置・速度・加速度、床反力から、骨格推定手法やAで構築したインピーダンスモデルを用いて各部の慣性力を推定する。C2では、小さい床加速度ほど人に違和感を与えないため、歩行状態に基づく加速度最小化センタリング制御を開発する。現在の知見では、最も上半身の剛性が高いと考えられる両足支持期での加速を考えている。C3では、C1で推定した歩行状態と慣性力から、牽引力ベクトル制御手法を開発する。トレッドミル非駆動時では、人の動きに合わせた外力補償張力制御、慣性力相殺時は、ワイヤ弾性やたわみ等を補償する外乱オブザーバを適用することを考えている。 Aでは、トレッドミルのベルト急停止に基づく足関節のインピーダンス推定を行った結果、剛性に関して片足支持期に増加傾向がみられることが確認された。2024年度は、適用部位を拡大してデータ取得を行う。さらに、取得データを整理し、データベースを構築するとともに、モデル検証および制御手法開発用の牽引シミュレータを構築する。 Bでは、より適切な分布荷重を加えられる体幹装具を開発する。慣性力が、全身に分布する力であることに着目し、より広い範囲に力を加えること、歩行動作を妨げないような構造が必要であると考えた。開発する装具は、リング、アーム、プレート、スポンジからなり、リングに加えたワイヤ牽引力がアーム、プレートを介して、胸骨の上縁から腸骨稜に至るまでの広い範囲へ分布力として伝達する。
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Report
(1 results)
Research Products
(13 results)