Project/Area Number |
23K26093
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Project/Area Number (Other) |
23H01398 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21010:Power engineering-related
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
佐藤 敏郎 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (50283239)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
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Keywords | 圧粉磁心 / Fe系ナノ結晶 / インダクタ / チョッパDC-DCコンバータ / パワーエレクトロニクス |
Outline of Research at the Start |
圧粉磁心の低鉄損化のためにはヒステリシス損(保磁力に関連)とうず電流損の低減が必要であるが,Fe-Si,Ni-Fe,Fe-Al-Si多結晶合金やFe系アモルファス合金などの従来の圧粉磁心では高圧プレスによる残留歪みによって低保磁力化が困難であることが低鉄損化の最大のボトルネックとなっている。 本研究では広範な合金組成のアモルファス合金を作製できるロール急冷法によって低保磁力・高飽和磁束密度ナノ結晶合金組成のアモルファ ス薄帯リボンを作製し,薄帯を出発にした磁性粉末作製法の開発と,これらを原料とする新規の低保磁力圧粉成形法を確立して革新的低鉄損・高飽和磁束密度Fe系ナノ結晶合金圧粉磁心を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
厚さ18umのFINEMET組成(Fe-Si-B-Nb-Cu系)ロール急冷アモルファス薄帯を出発素材として圧粉磁心の原料となるアモルファス粉末の作製条件を検討した。ナノ結晶化板状粉末の保磁力を最小化するアモルファス薄帯の脆化熱処理温度を検討した結果、400℃未満では脆化が不十分なため粉砕加工が困難であり、400℃を超える温度では微結晶化が始まり最終ナノ結晶化板状粉末の保磁力が増大し、400℃が最適温度であることが明らかとなった。粉砕後に分級処理して545℃ナノ結晶化熱処理した場合、フットプリント100um以下の微細粉末は28A/m(0.35 Oe)の保磁力を有し、100~150um粉末では薄帯に匹敵する8 A/m(0.1Oe)以下の低保磁力を示すことを明らかにした。 従来と同一のエポキシ系樹脂でFINEMET組成アモルファス板状粉末を造粒し、方軸プレス機による成形、エポキシ樹脂硬化処理の後に520℃ナノ結晶化熱処理とシリコーン樹脂の減圧含侵・最終硬化するプロセスによって板状粉末圧粉磁心を作製し、磁気特性の評価を行った。その結果、従来のアトマイズ法Fe系ナノ結晶球形粉末圧粉磁心の1/3以下の磁心保磁力(約50 A/m(0.6 Oe))、2倍以上の比透磁率(約80)を有することを明らかにし、保磁力低減によるヒステリシス損失の抑制によって50 kHz以下で低鉄損となることを明らかにした。試作した板状面内等方性圧粉磁心は市販のFe-Si系、Ni-Fe系、Fe-Al-Si系多結晶球形粉末圧粉磁心に対して1/10~1/4という圧倒的な低保磁力特性を示し、低保磁力化が困難であった圧粉磁心の課題の解決に繋がる結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度における板状面内等方性Fe系ナノ結晶板状粉末と圧粉磁心の作製と評価と併せて、次年度に実施予定のうず電流損失の低減のための板状粉末の薄板化とFeの元素置換による板状粉末の異方性化、NANOMET組成(Fe-Si-B-P-Cu系)による高飽和磁束密度化などの事前準備に着手しており、おおむね順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
1.板状粉末の薄板化と異方性化によるうず電流損失の低減 100 kHz以上で増大する鉄損の主要因であるうず電流損失を低減するには板状粉末の薄板化と異方性誘導による磁化回転の採用が有効である。保有しているロール急冷装置の薄帯作製条件を検討し、現在の18~20um厚さを15um以下の薄板化に挑戦する。薄帯巻磁心の場合は一様な厚さの連続した薄帯の作製が必須であるが、板状粉末の出発素材としては連続薄帯である必然性は薄く、15um以下の薄板化は十分に可能であると考えられる。 また、うず電流損失の低減が期待できる回転磁化過程異方性Co-Pd置換系FINEMET組成を検討する。既に、Co-Pd置換FINEMET組成薄帯の作製に着手しており、板状粉末異方性圧粉磁心を作製して、異方性誘導による鉄損低減の効果を評価する。 2.高飽和磁束密度化 NANOMET組成(Fe-Si-B-P-Cu系)は高いアモルファス形成能を有するP元素の導入によってFeの含有量を高めることが可能であり、既に、PソースであるFe3P化合物を用いたNANOMET組成(Fe-Si-B-P-Cu系)アモルファス薄帯の作製に着手しており、今後、板状粉末圧粉磁心の高磁束密度化を進めていく。
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