Project/Area Number |
23K26114
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Project/Area Number (Other) |
23H01419 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21030:Measurement engineering-related
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大多 哲史 静岡大学, 工学部, 准教授 (30774749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 広介 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 准教授 (30423841)
中村 篤志 静岡大学, 電子工学研究所, 准教授 (50402243)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,970,000 (Direct Cost: ¥6,900,000、Indirect Cost: ¥2,070,000)
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Keywords | 磁性ナノ粒子 / 動的磁化計測 / 磁気緩和 / パルス磁場 / がん診断治療 / 腫瘍内環境 / 磁気粒子イメージング / がん温熱治療 |
Outline of Research at the Start |
磁性ナノ粒子の磁化応答由来の磁気信号による腫瘍検出法や熱損失を利用したがん温熱治療が注目されている。本研究では、腫瘍病理(がん種・悪性度)の診断を非侵襲的に実現する、磁性ナノ粒子の磁化応答を介した腫瘍環境の可視化技術基盤の創成を目的とする。腫瘍環境に依存して磁性ナノ粒子の磁化応答が変化する点、がん種や悪性度ごとに腫瘍環境が特異的な点を基本原理として着想した。 磁性ナノ粒子を用いた、副作用や身体的負担の少ないがん検出・治療法に病理診断法を具備する。これにより、がん種判定や浸潤・転移性を非侵襲的に診断するブレークスルーを創出し、がん根治と患者の生活の質向上に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
磁性ナノ粒子は磁場に反応するベクトル量(磁化)を有するため、磁場に対して応答を示す。がん診断において、腫瘍に集積させた磁性ナノ粒子を可視化する磁気粒子イメージングと、交流磁場印加による粒子の発熱を利用した低侵襲ながん温熱治療を併用した、診断治療の実用化が期待されている。腫瘍は、がん細胞や血管を含む多様な組織から構成され、病巣部位や悪性度に依存して形態変化させる。そして、腫瘍環境は磁性ナノ粒子の磁化応答を制御し、逆に磁化応答から腫瘍の状態を可視化できる。このため本研究では、磁性ナノ粒子の磁化応答を介した腫瘍環境の非侵襲的な可視化技術の創成を目的として、腫瘍内における磁化応答の病理情報(がん種や悪性度)への依存性の解明に取り組んでいる。以下に2023年度に実施した研究及び得られた成果を示す。 (1)パルス磁場を用いて腫瘍内に直接投与した磁性ナノ粒子の磁気緩和過程を計測して、緩和時間分布を解析する、基礎的な計測・解析システムを確立した。また、非生体試料として、粒子を樹脂により固定した試料と、粘度の異なる溶媒中に分散させた試料を用意して、磁気緩和過程の計測と緩和時間解析を実施した。 (2)非生体試料における磁気緩和時間分布に基づいて、生体試料(腫瘍環境)における磁気緩和時間分布を解析することで、腫瘍環境における粘度の磁化応答に基づいた推定に成功した。ヒト線維肉腫と膵がんという異なるがん細胞種において解析を実施して、腫瘍切片から観察された腫瘍内環境に依存した粘度の差異についても明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、腫瘍内における磁性ナノ粒子の磁化応答の計測と磁気緩和時間解析を実施し、推定した腫瘍内環境の粘度と病理解析との比較を、異なるがん細胞種の腫瘍についても取り組んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、腫瘍に直接磁性ナノ粒子を投与していたため、腫瘍内において生じる出血の影響が磁化応答にも反映されていた。このため2024年度以降では、2023年度に構築した腫瘍環境における磁性ナノ粒子の磁化応答計測システムの感度を向上させ、マウスに対して静脈投与して腫瘍に粒子を集積させた状態における磁化応答計測の実現を目指す。加えて、構造や表面修飾の異なる磁性ナノ粒子について、腫瘍内環境での磁化応答計測にも取り組む。
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