Project/Area Number |
23K26119
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Project/Area Number (Other) |
23H01424 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21030:Measurement engineering-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
末廣 純也 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (70206382)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,810,000 (Direct Cost: ¥13,700,000、Indirect Cost: ¥4,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,490,000 (Direct Cost: ¥7,300,000、Indirect Cost: ¥2,190,000)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 電界効果型トランジスタ / DNA検出 / ウイルス検査 / 誘電泳動 / 両極性CNT-FET / ショットキー障壁 / NO2ガス |
Outline of Research at the Start |
本研究では、誘電泳動集積法で作製したカーボンナノチューブ(CNT)をチャンネルとする電界効果型トランジスタ(CNT-FET)の応用技術として 、高感度かつ迅速なDNA検出技術を開発する。この技術は新型コロナウイルス感染症パンデミックの抑止策の一助となり得る。誘電泳動集積法のメリットを活かし、電極の形状や材質を最適化することで、両極性CNT-FETは既に開発済みである。本課題ではこの両極性CNT-FETの伝導機構 解明と併行して、CNT表面へのDNA結合によって誘起される両極性CNT-FETの伝導特性変化を利用した高感度かつ迅速なウイルスDNA検出技術への応用展開を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、CNTの集積量を変化させた際のCNT-FETのNO2ガス応答への影響を調査し、その応答メカニズムを考察した。 誘電泳動法により集積量を変化させて作製した両極性CNT-FETに、N2希釈NO2(1 ppm)を2時間供給し、ガス曝露前後の電流-電圧(IDS-VGS)特性を5分毎に測定した。 NO2暴露前後でのCNT-FETのIDS-VGS特性を集積量ごとに比較した。集積量少のデバイスでは、VGS正へのシフトとVGSが正の領域(n伝導領域)での電流減少が観察されたのに対し、集積量多のデバイスでは、VGS正へのシフトとn伝導領域での電流減少後に、VGS全体の電流値の上昇が見られた。VGS正へのシフトはCNTのバルク部分へのNO2吸着に由来し、VGSが正の領域での電流減少はCNT/電極間の電子に対するショットキー障壁高さが増加したことにより説明できる。集積量多のデバイスで生じた電流値の上昇は、上記以外の、CNT/CNTコンタクトのガス応答であると予想される。CNT/CNTコンタクトはX-typeとI-typeに分けられ、接触面積が小さいことから、X-typeの抵抗がI-typeよりも高いため、X-typeのCNT/CNTコンタクトの応答を反映したものと考えられる。さらに、p型伝導領域、n伝導領域におけるガス応答速度を評価した。CNT/電極間へのNO2吸着に比べ、X-type CNT/CNTコンタクトへのNO2吸着は遅かった。また、X-type CNT/CNTコンタクトは、ガス応答よりも、脱離(回復)の応答速度が速いことがわかった。集積量毎のチャネル部の架橋モデルとその等価回路を構築し、このガス応答と定性的に挙動が一致することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々はこれまでもチャネル部にCNTを集積したCNT-FETの研究を行ってきたが、NO2応答のメカニズムは十分には明らかになっていなかった。本年度に実施した研究の結果、CNT-FETのNO2応答のメカニズムが集積量に大きな影響を受けることを実験的に明らかにすることができた。これは、我々の独自技術でCNT集積量を自在に制御できる誘電泳動集積法によって明らかにすることができたものであり、同手法の特徴を活かすという所期の目的を達成できたと判断する所以である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究によって、CNT集積量制御が可能である誘電泳動集積法の特徴を活かすことで、両極性CNT-FETのNO2応答メカニズムを制御できることを明らかにした。 今後はNO2に加え、本研究でもう一つの検出対象として位置づけているRNAやDNAの電気化学的検出に両極性CNT-FETを応用する手法を検討する計画である。
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