Project/Area Number |
23K26120
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Project/Area Number (Other) |
23H01425 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21030:Measurement engineering-related
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
枦 修一郎 東北学院大学, 工学部, 教授 (90324285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 佑介 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 特任准教授 (20400989)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
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Keywords | 磁気光学効果 / フェムト秒レーザー / 高周波近傍磁界 / 可視化 / 低侵襲 |
Outline of Research at the Start |
開発を目指す超高周波電磁界分布可視化技術の概要を記す。測定対象の回路基板上に配置する絶縁体である磁気光学結晶が、基板やIC内の配線等に流れる高周波電流から生じる微弱な高周波近傍磁界を受けて生じるファラデー効果を、結晶に照射した超短パルスのフェムト秒レーザーの反射光の(照射前後の)偏光状態の変化分として検出する。レーザーの繰り返し周波数と回路動作の同期により、数百GHzの位相変化を含む波形情報の取得を可能にする。また高解像度且つ高感度のカメラでレーザー照射範囲を一括撮像することにより、数十秒以下の短時間で光学限界レベルである100nm程度の空間分解能の磁界分布可視化技術の実現を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
まず今年度は、新規に導入した高安定且つ超低ノイズのフェムト秒レーザーを基軸とした高周波近傍磁界計測システムを構築に取り組んだ。フェムト秒レーザーの発光の繰り返し周波数は同じ仕様であっても個体ごとに微妙に異なるため、保有する高周波オシロスコープを用いて、レーザー本体のトリガから出力される繰り返し周波数を厳密に測定し、40.003MHzであること、またトリガ波形を確認した。トリガ波形はフェムト秒レーザー特有の歪んだ波形であるため、パルス成型器が必要なことを確認した。次に高周波信号発生器(SG)とフェムト秒レーザーの繰り返し発光周期との安定した同期を実現するため、レーザーの発振トリガからSGの参照信号入力間に組み込んでいるPLL(Phase Locked Loop)回路及びパルス制御且つパルス成型器の高精度化を図った。さらに光学部品の最適配置などシステム細部の調整を行うことでシステムのSN比の改善を図った。 高周波磁界センサーとして用いる磁性ガーネット薄膜の感度限界について、新たに構築した計測システムを用いて評価を行ったところ、約0.1mdeg.のファラデー回転角の検出が可能であることが判った。またこれを磁性ガーネット薄膜のファラデー回転角の磁界強度依存性の測定結果を用いて磁界感度に換算すると、約1.7A/m(2.1μT)となり、構築した計測システムは微弱な磁界を検出可能であることが明らかとなった。 この新しい計測システムを用いて微細な伝送線路上に生じる高周波磁界分布の可視化を行ったところ、SN比が悪く不鮮明であった条件においても、より鮮明な分布像が得られることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構築した新規導入のフェムト秒レーザーを基軸とした高周波近傍磁界計測システムにおいて、SN比の向上による高感度化を実現したこと、またこの計測システムによる磁気光学効果検出の感度限界を定量化し、磁界センサーとして用いる磁性ガーネット薄膜による高周波磁界の検出性能を定量化できたことから、より鮮明な伝送線路近傍の高周波磁界分布の可視化を実現できるようになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
・構築した計測システム及び磁性ガーネット薄膜の超高周波帯域における性能評価 新規構築の高周波磁界計測システムの40GHz以上の超高周波域における計測性能の評価、および磁性ガーネット薄膜の磁界検出性能の指標となる超高周波帯域でのファラデー回転角の評価を行う。 ・伝送線路近傍の高周波磁界分布の測定結果とシミュレーションとの比較検討 高周波磁界分布計測システムによる伝送線路近傍の高周波磁界分布の測定結果について、シミュレーションの解析結果との比較検討を行う。磁界センサーとして用いる磁性ガーネット薄膜の伝送線路からガーネット薄膜表面の距離や膜厚の影響をシミュレーション内で考慮し、測定結果の妥当性を検証する。 ・レーザーデフォーカスと電子カメラによる一括撮像システムの構築による計測時間の短縮化 直線偏光されたレーザー入射光に対し、検光子(偏光プリズム)をガーネット膜からの反射光がカメラに入射しない(偏光子と検光子が直交した)クロスニコル配置にしておくと、高周波磁界印加時の反射光は、その偏光面が僅かではあるがファラデー回転によりカメラに入射してくる。ここで、理論値が0.6μm程度のレーザー入射光の焦点(×50の対物レンズ使用時)を1mm四方程度までぼかす(デフォーカス)ことで拡がった照射範囲を、高解像度且つ高感度の電子カメラ(CCD or CMOS)で一括撮像し複数回の同期位相像を(ストロボ法により)積算する。カメラの積算データに画像処理を施すことで、点測定で数十分から数時間を要する測定を数十秒程度の短時間で広範囲磁界分布の一括撮像を実現する。
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