Project/Area Number |
23K26128
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Project/Area Number (Other) |
23H01434 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21040:Control and system engineering-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
薄 良彦 京都大学, 工学研究科, 准教授 (40402961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 尚之 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (10508386)
持山 志宇 京都大学, 工学研究科, 助教 (20867866)
関口 和真 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (80593558)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,330,000 (Direct Cost: ¥14,100,000、Indirect Cost: ¥4,230,000)
Fiscal Year 2025: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
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Keywords | 非線形モデル予測制御 / クープマン作用素 / 形式手法 / 電力システム制御 / ロボット船制御 / ドローン制御 |
Outline of Research at the Start |
エネルギー,環境,交通などの社会課題解決のためのシステム制御技術として,非線形システムに対して複雑な制御仕様を実現するための系統的手法の確立が求められている。このためには,制御対象の有する非線形性の取り扱いに加えて,複雑な制御仕様を組み込むための理論の枠組みが課題となる。本研究では,これらの課題を解決するために,応募者が取り組んできた非線形制御技法であるクープマン・モデル予測制御と,ソフトウェア工学で発展してきた形式手法とを融合するというアプローチを採用する。そして,この融合のための基盤構築とその工学応用に取り組み,非線形システムの形式設計という新たな体系を提唱する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,クープマン線形化による非線形プラントのデータ駆動型モデリング(クープマンモデルの同定)をベースとするモデル予測制御(クープマンMPC)と形式手法との融合のための基盤構築とその工学応用に取り組んだ。 前段の基盤構築としては,信号時相論理で記述される制御仕様を拘束条件として有するクープマンMPCの最適化問題とその求解アルゴリズムを,リミットサイクルの設計という非線形問題を通して検討した。その結果,クープマン線形化に必要な観測量の設定を制御仕様にうまく適合させる必要性が明確になった。また。計測データの活用を視野に,クープマンモデルのオンライン同定法などについても検討した。 後段の工学応用では,航空機電力システム,無人四胴船,およびドローンへの応用に着手した。航空機電力システムでは,交流電源,インバータ,および直流負荷からなるプロトタイプ・モデルを設定し,クープマンモデルの同定を行うとともに,クープマンMPCの計算機実験を進めた。ここでは,前段の基盤構築をベースに,観測量の設定を動的補償も含めて検討することにより,不安定なゼロダイナミクスの存在から困難であった,複数の状態に対する安定化がクープマンMPCにより可能となることを示した。無人四胴船に関しては,準備として多自由度の移動体であるロケットに対するクープマンモデルの同定とクープマンMPCの計算機実験を進めた。この同定では,制御対象の特性をふまえた双線形のクープマンモデルを採用し,ロケットの姿勢角制御がクープマンMPCで可能となることを示した。そして,四胴船の定点保持のためのクープマンMPCの計算機実験も行い,その有効性を示した。ドローンでは,飛行データを用いたクープマンモデルの同定を行うとともに,クープマンMPCの実機実験を進めた。その結果,クープマンMPCによる飛行実験に成功することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
基盤構築と工学応用について計画通りに進展し,得られた成果について2024年度に外部発表を行う計画である。加えて,ドローンの飛行実機を計画の前倒しとして達成することができたため,上の区分を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,2023年度に引き続いた取り組みを,基盤構築と工学応用両方において進めていく。 前段の基盤構築では,信号時相論理(STL)を拘束条件として含むクープマンMPCに関わる最適化問題の実装・実行可能性を検討する。航空機内電力システムで求められる求解の高速性(200マイクロ秒程度)の観点から,最適化問題の近似解法や問題自体の簡単化などが検討対象となる。 後段の工学応用については,実機検証とSTL仕様の記述と組み込みが共通の研究項目となる。航空機内電力システムでは,クープマンMPCの実機実験を進める。このためのコード開発,制御演算を担うデバイスと制御対象となる電力変換器(SiCインバータ)との連携などが主な課題となる。同時に,電源脱落に対する電力供給の継続性,事故発生時の供給停止時間のグリッドコードなどをSTLによる制御仕様として検討する。無人四胴船では,計測データからのクープマンモデルの同定を行うとともに,クープマンMPCの実機実験を進める。また,定点保持性能に関わる安全性などを対象として,STL仕様の導入を行う。ドローンでは,飛行実験のクープマンMPCに対してSTL仕様を導入する。時間的に変化する空間的制約を入れた実験を行うとともに,ドローンの斜面への着陸などの制御仕様を検討する。
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