IoT molecular recognition sensor based on on-chip stress/resonance multimodal measurement
Project/Area Number |
23K26160
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Project/Area Number (Other) |
23H01466 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21060:Electron device and electronic equipment-related
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
高橋 一浩 豊橋技術科学大学, 次世代半導体・センサ科学研究所, 教授 (90549346)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,060,000 (Direct Cost: ¥6,200,000、Indirect Cost: ¥1,860,000)
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Keywords | MEMS/NEMS / マルチモーダルセンサ / 表面応力センサ / 共振質量センサ / 架橋グラフェン / NEMS/MEMS / 共振器 / 化学センサ |
Outline of Research at the Start |
本研究では、応力・分子質量マルチモーダル分子認識センサの高精度化、高感度化を目指し、アプタマー機能化界面による応力作動計測、およびオンチップ共振計測によるヨクトグラム感度質量センサに取り組む。具体的な研究項目として、(a)自立膜上の生体固体界面の検討、(b)CMOS回路・光検出器との一体化デバイスによるオンチップ力学量計測に取り組み、要素技術開発後に(c)タンパク質マーカー、ウイルスやガスに対するセンサ応答を評価する。以上の課題遂行により、ELISA、PCR、GC/MSなどの大型の計測・分析装置の機能を半導体チップ上に備えた、生体分子・化学物質を検出可能なIoTバイオセンサ実現を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
①DNAアプタマーによるバイオインターフェース: MEMSバイオセンサにおいて、非特異吸着による応答を排除するために必要となる差動計測に向け、測定用および参照用センサ表面の荷電状態を均一にするDNAアプタマー機能化センサに取り組んだ。アプタマーはDNAの塩基配列の変更により構造が大きく変化し検出対象分子に対する吸着能も変化する。塩基配列の異なるアプタマーを修飾した膜形状を測定した結果、前立腺特異抗原(PSA)に特異性をもつアプタマー(posi)と特異性のない配列のアプタマー(nega)で反射スペクトルのピーク位置が一致していることを確認した。また、終濃度1 ng/mlになるようにPSAを滴下しセンサ応答を評価した結果、塩基配列を1カ所変更したnegaとposiアプタマーではPSAへの特異性に違いが得られ、選択的検出が可能であることが示された。
②偽陽性診断を防止する差動計測: 差動計測を行うためには、①で示したように異なるレセプターを隣り合うセンサ上に塗分ける必要がある。従来のレセプター修飾法では、架橋剤への化学結合を利用するため、溶液中のチップ全体にレセプターが修飾されてしまいアレイ素子への塗分けが困難であった。そこで、チップ内のレセプター塗分けのため、レセプターと共有結合する官能基を持つポリピロールを電解重合することにより局所的レセプター修飾を検討した。支持電解質と機能化ピロールであるn-succinimidyl ester pyrrolをアセトニトリル溶液中で電解重合した結果、電極上のみに最大で28.1 nmの薄膜が成長した。この局所成長した膜は、C2重結合由来のラマンピークが見られたことから、機能化ポリピロール膜であることが示された。また、機能化ポリピロール膜に抗体、抗原の順で反応をさせた結果、抗原抗体反応由来のセンサ応答の取得に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
応力・分子質量マルチモーダル分子認識センサの高精度化・高感度化に向け、初年度は応力計測の精度向上のための要素技術として、アプタマーを用いたバイオインターフェースの構築と差動計測のためのレセプター塗分け技術に取り組んだ。腫瘍マーカーを検出するためのレセプターとして、従来使用していたタンパク質抗体は、抗体が修飾された測定用センサと未修飾の参照用センサでは、膜形状の均一化が困難であったのに対し、DNAアプタマーに変更したことにより、自立膜表面の荷電状態を均一にすることができ、測定用センサと参照用センサの膜形状の均一化に成功した。また、抗原抗体反応に比べてアプタマー機能化センサの応答量が大きいことが確認でき、センサの高感度化が示唆された。高感度化の要因は、可動膜に対するアプタマーの結合サイトが単一であることから、レセプターの方位均一化により吸着した生体分子の相互作用が増大したものと考えられる。 また、差動計測のためのもうひとつの要素技術として、同一チップ内のレセプター塗分けのための機能化電解重合膜の形成に取り組み、局所成長した電解重合膜上で分子の特異的な検出に成功した。これまでレセプターの塗分けには、インクジェット法を用いた手法が検討されてきたが、素子単位の塗分け精度は困難であったのに対し、フォトリソグラフィの精度で局所塗分けを行う技術の開発に成功した。この技術によれば、差動計測への応用だけでなく、多項目のバイオマーカーのマルチ測定に応用することも可能である。 以上より、応力と分子質量を計測するマルチモーダル分子認識センサの高精度化に向け、アプタマー機能化界面による応力作動計測の要素技術の確立に成功したことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
マルチモーダルセンサの高精度化に向け、2年目は引き続き①応力センサの差動計測に取り組むとともに、②共振質量センサの高感度化と検出器一体化による高精度計測を計画しており、以下に具体的な推進方針を示す。 ①表面応力差動計測: 前年度検討を行ったネガティブアプタマーを固定化した参照センサと検出用センサを並べて配置するため、機能化電解重合技術を用いてポジ・ネガアプタマーの塗分けを行う。対になるセンサからの光電流をコンパレータに入力し、差分電圧として出力する。検出対象分子による表面応力は印加されず、その他の外的な要因として入力光強度の変動や圧力変化などに対して膜が変動する参照センサからの出力を同時に測り、信号の差分を読み出すことによってマーカー吸着の応答のみの出力が得られる。さらにシリコンチップ内に 比較回路を集積化することによって、検出センサ・リファレンスセンサの出力電圧をチップ内の信号処理で差分出力のみを取り出すことを検討する。 ②電流駆動・電流検出型共振センサの開発: 直径10 um以下の2次元材料を用いた共振器の振動を観察するため、従来はレーザー照射により自立膜へ加熱冷却を交互に行って加振し、反射光強度変化を外付けフォトディテクタで取得する光学的な計測方法が用いられてきたが、この手法ではシステムの小型化が困難である。センサの小型、携帯化に向け、電子回路によるオンチップ振動検出を目指し、ジュール熱駆動で自立膜を加振し、フォトディテクタを共振器下部に一体化して、光強度変化で振動のオンチップ計測を実施する。ここで、共振の駆動・検出の両方の機能を集積化した場合、駆動の高周波信号と光検出器のクロストークが発生することが予想される。信号のクロストーク防止のため、素子間に用意するシールド層を設計し、外付けの素子を用いずに電流駆動・電流検出を実現する。
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Report
(1 results)
Research Products
(17 results)