Project/Area Number |
23K26164
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Project/Area Number (Other) |
23H01470 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21060:Electron device and electronic equipment-related
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
黄 晋二 青山学院大学, 理工学部, 教授 (50323663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須賀 良介 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (20398572)
渡辺 剛志 青山学院大学, 理工学部, 助教 (30803506)
松井 文彦 分子科学研究所, 極端紫外光研究施設, 教授 (60324977)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥19,240,000 (Direct Cost: ¥14,800,000、Indirect Cost: ¥4,440,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥12,480,000 (Direct Cost: ¥9,600,000、Indirect Cost: ¥2,880,000)
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Keywords | グラフェン / 透明アンテナ / 六方晶窒化ホウ素 / CVD / h-BN |
Outline of Research at the Start |
我々は、IoT技術や55G技術分野において実現が期待されている透明アンテナの開発に取り組んでいる。透明アンテナは、自動車やビルの窓などに、それらの透明性を損なうことなくアンテナを設置できる。本研究では、透明導電膜材料としてグラフェンに着目しており、その高い電気伝導特性と高い透明性、高い化学的安定性や優れた機械的特性を透明アンテナ技術において活用できると考えている。本研究課題では、グラフェンの高いキャリア移動度を最大限に活用するために、下地層に六方晶窒化ホウ素を導入することで、高い透明性を維持しつつ、低いシート抵抗を有するグラフェン層を実現し、グラフェン透明アンテナの特性向上を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度には、h-BNを成膜するためのCVD装置を導入し、成膜テストを行った。Fe-Ni基板を用いたh-BNの成膜を行ったところ、不均一ではあるもののh-BN膜を作製することができた。成膜したh-BNのラマンスペクトルでは、E2gピークが明瞭に観察され、その半値全幅が約12 cm-1であった。また、電気化学転写、及びPMMA支持転写も行い、成膜と転写の一連のテストを行うことができた。今後、成膜条件、及び転写条件の最適化を行い、グラフェン/h-BN構造を用いた低抵抗な透明導電膜の実現に向けて研究を進めて行く。 h-BN以外のトピックでは、CVDグラフェンのマイクロ波帯・ミリ波帯デバイスへの応用に向けて、Coplanar Waveguide (CPW)を用いたグラフェンの伝送損失の評価を行った。単層グラフェン、3層グラフェン、電子吸引性分子TFSAを用いてドープした3層グラフェンに対して、1~50 GHzまでの伝送損失を評価したところ、積層とドーピングによる低抵抗化がマイクロ波帯・ミリ波帯での伝送損失の低減につながることが分かった。この成果をまとめた論文が、Scientific Report誌に採択された。 加えて、CVDグラフェンをチャネルとする電界効果トランジスタ(FET)を用いた塩素センサーへの応用に関する研究では、塩素濃度変化に対するディラック点のシフトのメカニズムを解明し、このメカニズムに基づき、チェネルだけでなくゲート電極にもグラフェンを用いることを提案し、この手法によって大きなディラック点のシフト量を得ることができることを実証した。この成果はRSC Advances誌にて論文発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で目標としている、h-BN下地を用いたグラフェン透明電極の低抵抗化に向け、h-Bn用CVD装置の立ち上げを行い、本装置を用いたh-BNの試作と各種転写手法のトライアルを行った。成膜したh-BN膜において観測されたラマンピーク(Eg2ピーク)の半値全幅は約12 cm-1であり、これまで報告されているCVD成膜したh-BNのラマンピーク半値全幅とほぼ同程度であったことから、比較的高品質なh-BNの成膜に成功したと言える。また、PMMA転写と電気化学転写の両者を行い、転写プロセスの諸課題を抽出することもできた。以上から、1年目の研究進捗はおおむね順調であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度には、h-BNの成膜条件の最適化に取り組む。ガス流量比、全圧、冷却速度等のパラメータについて系統的な実験を進めて最適化を達成したい。また、基板については、Fe-Ni基板以外の基板(Ir(111)など)についても検討を行う。成膜実験については、高被覆率と高結晶性を目指し、層数の制御が可能となる成膜条件を探索する。併せて、転写技術の最適化に取り組み、一様なh-BNを石英ガラス基板などの透明基板に転写する技術を確立する。これらが達成された場合、h-BN上にグラフェンを転写し、その電子輸送特性をHall効果測定によって評価し、併せて、光学的透過率の評価も進める。これらの評価を通して、グラフェン/h-BN構造を用いた透明電極の低抵抗化の指針を得たいと考えている。
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