Project/Area Number |
23K26185
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Project/Area Number (Other) |
23H01491 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22020:Structure engineering and earthquake engineering-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
舘石 和雄 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (80227107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 優 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (30735006)
判治 剛 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (80452209)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,330,000 (Direct Cost: ¥14,100,000、Indirect Cost: ¥4,230,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
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Keywords | 疲労 / ルートき裂 / 面外曲げ / 疲労設計 / 非破壊検査 / 溶接継手 / ノッチ応力 / 疲労強度評価法 / 溶接 / き裂 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,すみ肉溶接継手のルートから発生する疲労き裂を対象に,その疲労寿命推定手法を確立することを目的とする.寿命推定に用いる応力として,ルートに仮想的に設けたノッチに生じる応力を用いることを検討する.実際のルート形状の観察結果をもとに,様々な継手形状や載荷条件にも適用でき,かつ高精度に疲労寿命を推定できるようなノッチ形状を見出す.さらに,溶接継手表面で測定できる応力からノッチ応力を推定するための手法を構築する.これにより,既設橋の溶接継手において,溶接部周辺で計測した応力からノッチ応力,ひいては疲労寿命を推定することができるようにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究で対象とする溶接継手において,ルートの残留応力を実測することはできないが,有限要素法による熱伝導解析と熱弾塑性解析とを組合せることにより,溶接熱源の動きも再現した上で,溶接残留応力を解析的に求めることができるようになっている.そこで,有限要素解析によって,溶接ルートに高い引張残留応力を導入できる溶接条件を明らかにした.その結果をもとに,ルートからの疲労き裂の発生が期待できる試験体を製作し,疲労試験を行った.その結果,溶接止端からの疲労き裂を防止すれば,ルートからの疲労き裂を実験的に再現することができるようになった. これに平行して,ルートき裂に対する疲労強度評価法の確立を目的として,従来からよく用いられてきたエフェクティブノッチ応力に代わる適切なノッチ応力を探った.疲労損傷事例の多い鋼床版のデッキプレートとUリブの溶接部のルートを対象として,0.2㎜のノッチを導入し,そこに生じる応力を用いれば,疲労強度を一定のばらつきの範囲内で推定できることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有限要素法による熱伝導解析と熱弾塑性解析とを組合せることにより,溶接熱源の動きも再現した上で,溶接ルートに高い引張残留応力を導入できる溶接条件を明らかにし,それを基にして,ルートからの疲労き裂を再現できる試験体を製作し,疲労試験を行った.溶接継手に何も手を加えずに試験をした結果,溶接ルートよりも溶接止端からのき裂の発生が先行することが多く,必ずしも予想通りとはならなかった.そのため,溶接止端に処理を施すことによって止端からのき裂発生を抑止した結果,ルートからの疲労き裂を再現することができた.溶接ままの状態でもルートき裂が再現できる条件について,さらに検討を加える必要がある. 一方,ルートき裂の疲労強度評価のためのノッチ応力については,0.2mmのノッチ応力が使える可能性があることを示した.この点について,研究の進捗は順調である.しかし,これは鋼床版の溶接継手という,限られた継手形状の試験結果でしか検討されていない.今後は様々な形状の溶接継手に対して,その適用性を検討する必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,ルートき裂を再現できる溶接条件,載荷条件を探り,疲労試験でそれを再現することにより,ルートき裂に対する疲労強度の実験的なデータの拡充をはかる.また,エフェクティブノッチ応力に代わるものとして0.2mmのノッチ応力が有効である可能性を示したので,今後は,これを様々な形状を有する溶接継手へと適用し,その精度の確認を行う. さらに,弾性有限要素解析により様々な形状の継手の応力解析を行い,ノッチ応力と相関が高い継手表面での応力を明らかにする.溶接止端近傍や溶接ビード上の応力との相関が高くなるものと予想されるが,これらの複数の位置での応力からノッチ応力を推定する手法を明らかにし,その精度や適用限界を明らかにする.
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