Project/Area Number |
23K26189
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Project/Area Number (Other) |
23H01495 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22020:Structure engineering and earthquake engineering-related
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
下里 哲弘 琉球大学, 工学部, 教授 (90452961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淵脇 秀晃 琉球大学, 工学部, 技術専門職員 (10529499)
押川 渡 琉球大学, 工学部, 教授 (80224228)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,760,000 (Direct Cost: ¥5,200,000、Indirect Cost: ¥1,560,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,620,000 (Direct Cost: ¥7,400,000、Indirect Cost: ¥2,220,000)
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Keywords | 腐食 / 防食技術 / 低温低圧溶射 / 鋼構造物 / さび鋼板 / 低温低圧金属溶射 / 電気化学的実験 / 腐食促進試験 / 付着強度 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、残存さびを原因として再腐食発生と重度の腐食進行が課題である鋼橋の腐食弱点部の高力ボルト継手部と桁端部を対象として、残存さび面でも十分な防食性が期待される低温低圧型溶射技術「Cold Spray防食技術」を適用し、さびでの防食メカニズムを解明し、実橋で適用可能な防食法を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、残存さびを原因として再腐食発生と重度の腐食進行が課題である鋼橋の腐食弱点部の高力ボルト継手部と桁端部を対象として、厳しい施工条件下に対しても確実に防食性能を発揮可能な補修技術の構築を目指し,残存さび面でも十分な防食性が期待される低温低圧型金属溶射「Cold Spray防食技術」の防食メカニズムの解明と防食効果を実証することを目的としている。本年度は、さび面に対する低温低圧型金属溶射Cold Spray技術の防食メカニズムの解明を目的として、研究では土木鋼構造物の防食皮膜へ活用されている亜鉛系の防食下地を対象として、複合サイクルによる腐食促進試験と自然電位及び分極曲線測定を行い,電気化学的に防食性能評価を行った。なお、試験では一般的な防食法である亜鉛メッキと亜鉛溶射を比較対象として、同条件の試験を行った。得られた知見を以下に示す。 分極曲線より、CS、溶融亜鉛メッキ、亜鉛溶射において、鉄より卑な自然電位を有する亜鉛による酸化反応は同様の電流密度を示したことから酸化被膜による犠牲防食効果が期待できると考えられる。酸化被膜の大部分がポーラス(表面処理された金属皮膜上にできる小さな孔)中に蓄積したと考えられる。これは、亜鉛溶射の表面の白錆がCS、溶融亜鉛メッキと比較して少なく、自然電位が一番貴側に変化していると推察される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、残存さびを原因として再腐食発生と重度の腐食進行が課題である鋼橋の腐食弱点部の高力ボルト継手部と桁端部を対象として、厳しい施工条件下に対しても確実に防食性能を発揮可能な補修技術の構築を目指し,残存さび面でも十分な防食性が期待される低温低圧型金属溶射「Cold Spray防食技術」の防食メカニズムの解明と防食効果を実証することを目的としている。本年度は、さび面に対する低温低圧型金属溶射Cold Spray技術の防食メカニズムの解明を目的として、計画通りに、琉球大学暴露場において発生したさび面上のCSの密着性、成膜性、および電気化学的実験を実施した。また、外観観察と走査型電子顕微鏡SEM-EDX分析機器でさび断面を分析した。またCS皮膜厚の計測と密着力試験を行った。さらに腐食促進試験後の犠牲防食作用による防食性能を把握するために、自然電位測定を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究としては、「桁端部および高力ボルト継手部試験体に対する残存さびへのCS防食性の検証」の研究を推進する。試験体は桁端部と高力ボルト連結部モデルとし、桁端部試験体は、琉球大暴露場で10年程度の大気暴露の結果、下フランジ面の部材交差部に激しく腐食した試験体を使用する。さびは黒く硬いさびであり、本実験ではこのような硬い残存さびに対してもCS皮膜の密着性と防食性を実験的に実証することを目的とする。また高力ボルト継手部での残存さびの部位も激しく減肉する傾向にあり、高力ボルト試験体は約10年経過で激しく腐食しておりその腐食試験体を使用する。試験方法は、さび除去を施工し、残存さび厚とさび表面の形状を超高精細プロファイル測定器で計測し。その後、残存さび状況の外観観察を行うとともに、試験体からコア試験片を採取し、SEM-EDXで断面を分析する。次に、さび鋼板面にCSを施工し、CS皮膜厚の計測と密着力試験を行う。なお、CSの作業姿勢は下向きと水平向きの実橋同様条件で検証する。CS皮膜厚の基準点は電磁膜厚計、残存さびを含んだCS皮膜厚と断面形状は2D超高精細プロファイル測定器で計測する。なお、各試験体よりコア試験片を採取し、残存さびとCS皮膜の成膜状態を確認する。さらに、CS皮膜形成した腐食した桁端部と高力ボルト継手部試験体からコア抜き試験片を採取し、複合サイクル腐食促進試験を行う。その分析・評価方法として、外観観察と SEM-EDXで断面分析する。また、各試験片の犠牲防食作用による防食性能を把握するために自然電位測定を実施し、電気化学的に防食メカニズムを解明する。なお、本試験では一般的補修法である有機ジンクリッチペイントを比較対象とし同条件の試験を行う。また、上記のCS皮膜した試験体は、大気暴露試験を行う。
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