Project/Area Number |
23K26197
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Project/Area Number (Other) |
23H01503 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22030:Geotechnical engineering-related
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
吉本 憲正 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (00325242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 武 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教 (20335384)
中田 幸男 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (90274183)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥19,110,000 (Direct Cost: ¥14,700,000、Indirect Cost: ¥4,410,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,920,000 (Direct Cost: ¥8,400,000、Indirect Cost: ¥2,520,000)
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Keywords | 二酸化炭素 / 混合物質 / ガスハイドレート / 地盤改良 / カーボンリサイクル / 六フッ化硫黄 / ハイドレート / カーボンリサイ クル |
Outline of Research at the Start |
海洋資源開発や洋上風力発電に関連する施設は,陸上から離れた海域に設置され,その海域の海底地盤が基礎となる.これらの構造物を強固に支持すると同時に,自然環境に配慮して地盤を補強するためには,新たな地盤改良技術の開発が必要となる. 本研究では,メタンハイドレート含有砂の強度が自然砂よりも十分に高いことに着目し,温暖化の主原因である二酸化炭素をハイドレートとして用いた地盤改良技術を開発する.二酸化炭素ハイドレートは,生成時の温度圧力条件により,海底地盤での適用範囲が限定されるため,適用範囲の拡大が可能な物質を二酸化炭素と混合し,混合物質としてのハイドレートによる地盤改良技術の開発を目的とする.
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Outline of Annual Research Achievements |
二酸化炭素ハイドレートを地盤の間隙に生成させて地盤の強度を高める地盤改良技術の開発を目的としている.しかしながら,二酸化炭素ハイドレートが生成できる環境を考えると数百m程度の水深が必要となり,現実的ではない.そこで,ハイドレートをより高温低圧の環境で生成させるために,二酸化炭素(CO2)に六フッ化硫黄(SF6)を混合することとした.そして,その混合ガスの相平衡曲線及び熱力学的安定領域について調べることとした.また,それらのガスを用いて砂中にハイドレートを生成し,ハイドレート含有砂の力学特性についても調べることとした. 二酸化炭素(CO2)+六フッ化硫黄(SF6)混合ガスハイドレートの熱力学的安定性を精密に測定し,SF6添加がCO2+SF6混合ガスハイドレートの平衡圧力に及ぼす影響を調べた結果,CO2へのSF6の添加は,海底地盤におけるCO2含有混合ガスハイドレートの熱力学的安定領域を拡大する大きな効果をもたらすことが明らかとなった. 二酸化炭素ハイドレートを砂中にガス環境で生成する実験を実施し,ガス環境下で砂中にハイドレートを生成できることが明らかとなった.また,そのハイドレート含有砂に対して三軸圧縮試験を実施し,ハイドレート飽和率が増加するに従い,せん断強度が増加することが確認された. 二酸化炭素(CO2)+六フッ化硫黄(SF6)混合ガスハイドレートを砂中に生成させ,三軸圧縮試験を実施するための装置開発に取り組んでいる.これについては,生成環境に即した精度の高い装置開発を目指しているため,荷重計や圧力計,装置構造の設計に時間を要し,実験結果の取得にはまだ至っていない状況にある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画として,大きく以下の2つに取り組むこととした. 1.「二酸化炭素と他物質との混合物質のハイドレート相平衡曲線の特定」については,混合物質として,六フッ化硫黄を選択し,混合ガスハイドレートの熱力学的安定性を精密に測定し,SF6添加がCO2+SF6混合ガスハイドレートの平衡圧力に及ぼす影響を調べた.その結果,CO2へのSF6の添加は,海底地盤におけるCO2含有混合ガスハイドレートの熱力学的安定領域を拡大する大きな効果をもたらすことが明らかとなった. 2.「二酸化炭素と他物質との混合物質のハイドレートを含む砂のせん断特性の解明」については,二酸化炭素ハイドレートのみを砂中に生成したハイドレート含有砂の三軸圧縮試験を実施した.低圧環境であるガス環境下で砂中に生成し,ハイドレート飽和率が高い程,せん断強度が高くなることが確認できた.混合物質として六フッ化硫黄を使用することでより高温低圧環境でハイドレートの生成が可能となることが明らかとなり,その生成環境で高い精度で三軸圧縮試験が可能な装置開発を進めている.混合物質でハイドレートを砂中に生成し,それに対する実験が少し遅れているが,それ以外については,ここで述べたような成果が得られているため,本研究はおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
1.「二酸化炭素と他物質との混合物質のハイドレート相平衡曲線の特定」については,六フッ化硫黄を混合物質とすることで,より高温低圧で二酸化炭素をハイドレート化させられることが確認できた.この混合物質のより効果的な使用に繋がるように,その詳細な特性を明らかにするための研究を進める.また,六フッ化硫黄以外の物質についても,さらに高温低圧環境で二酸化炭素がハイドレート化する物質が存在しないか,継続的な調査を進めることとする. 2.「二酸化炭素と他物質との混合物質のハイドレートを含む砂のせん断特性の解明」については,混合物質として,六フッ化硫黄に着目し,砂中でのハイドレートの生成環境の変化について実験的に調査する.また,混合物質ハイドレート含有砂に対して一連の三軸圧縮試験を実施し,せん断特性を明らかにする.
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