Project/Area Number |
23K26230
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Project/Area Number (Other) |
23H01536 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22060:Environmental systems for civil engineering-related
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
原本 英司 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (00401141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 正章 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任教授 (30777967)
端 昭彦 富山県立大学, 工学部, 准教授 (70726306)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,320,000 (Direct Cost: ¥6,400,000、Indirect Cost: ¥1,920,000)
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Keywords | ウイルス / ファージ / 糞便汚染源解析 / 水系感染症 |
Outline of Research at the Start |
水環境中の糞便汚染源の解析は,影響の大きな汚染源を特定して適切な負荷低減対策を講じ,水の微生物学的安全性を保障する上で重要となる。2022年4月に水質環境基準の衛生指標微生物が大腸菌群数から大腸菌数へと変更されたが,大腸菌の検出に基づくのみでは汚染源である宿主を同定することはできない。本研究では,糞便汚染源となり得る試料(下水や畜産排水,動物糞便等)中で優占的かつ特異的に存在するウイルスやファージ,細菌を「微生物遺伝子マーカー」として利用することで,水環境中の糞便汚染の寄与実態を可視化する手法を開発すると共に,ヒトへの水系感染症リスクを評価することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
水環境中の糞便汚染源の解析は,影響の大きな汚染源を特定して適切な負荷低減対策を講じ,水の微生物学的安全性を保障する上で重要となる。2022年4月に水質環境基準の衛生指標微生物が大腸菌群数から大腸菌数へと変更されたが,大腸菌の検出に基づくのみでは汚染源である宿主を同定することはできない。本研究では,糞便汚染源となり得る試料中で優占的かつ特異的に存在するウイルスやファージ,細菌を「微生物遺伝子マーカー」として利用することで,水環境中の糞便汚染の寄与実態を可視化する手法を開発すると共に,ヒトへの水系感染症リスクを評価することを目的としている。 2023年度は,水環境中の微生物遺伝子マーカーに対する濃縮法として,濃縮ピペットであるCPセレクト(InnovaPrep社)を用いた手法の開発を試みた。孔径の異なる3種類のホローファイバーチップ(0.05,0.20,0.45μm)を使用し,プレフィルターの使用と塩化マグネシウム溶液の添加の有無を変えた条件で河川水(500mL)を用いた濃縮実験を実施した。比較する濃縮法として,陰電荷膜吸着・直接抽出法を用いた濃縮も行った。トウガラシ微斑ウイルス(PMMoV),ヒトバクテロイデス(BacHum),大腸菌(sfmD),総細菌(16S rRNA),サルファ剤耐性遺伝子(sul1)およびクラス1インテグロン遺伝子(int1)の6種類をリアルタイムPCR法により定量した。また,培養法によって大腸菌と大腸菌群を定量した。 微生物・遺伝子の種類によって最適な濃縮条件は異なっていたものの,プレフィルターは用いずに孔径0.05μmのホローファイバーチップを使用し,塩化マグネシウム溶液を添加してろ過を行う条件が最適であると判断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を実施する上で基盤となる技術である微生物濃縮法について,新たな濃縮法の操作条件を最適化することができ,次年度以降の本格的な調査の実施の目途がついたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究により,水環境中のウイルス,細菌および薬剤耐性遺伝子を同時に濃縮可能な手法を開発できたことから,次年度からはこの手法を活用することで,糞便汚染源が異なることが予想される複数地点の河川水を採取し,微生物遺伝子マーカーの検出を行うことで糞便汚染源の同定が可能であるかを検証する予定である。
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