Project/Area Number |
23K26243
|
Project/Area Number (Other) |
23H01549 (2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23010:Building structures and materials-related
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
八十島 章 筑波大学, システム情報系, 准教授 (80437574)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥10,140,000 (Direct Cost: ¥7,800,000、Indirect Cost: ¥2,340,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
|
Keywords | 高靱性繊維補強セメント複合材料 / 袖壁付き柱 / 方立壁 / 構成則 / 繊維架橋効果 / 繊維補強セメント複合材料 / 袖壁 / プレキャスト / 鋼繊維 / PVA繊維 / ひび割れ幅 / 構造性能 / 引張靭性 / 架橋性能 |
Outline of Research at the Start |
高靱性繊維補強セメント複合材料(Ductile Fiber Reinforced Cementitious Composites,DFRCC)を用いたプレキャスト袖壁付き柱および方立壁の地震時挙動と構造性能を明らかにし,引張応力-ひび割れ幅関係の繊維架橋則を基軸としたDFRCCの材料力学挙動に基づいて,その復元力特性の評価とモデル化を行う。また,プレキャストDFRCCの袖壁と方立壁を有する鉄筋コンクリート造架構の静的載荷実験を行い,繊維補強効果および各部材の構造性能を解明するとともに,地震後の継続使用性を確保するための損傷限界性能および大地震時の安全限界性能を評価する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
高い引張靱性を有する繊維補強セメント複合材料(DFRCC)をプレキャストの袖壁・方立壁に用いたDFRCC二次壁付き鉄筋コンクリート(RC)造架構の構造性能を解明するために,本年度は,DFRCC袖壁付きRC柱部材の静的載荷実験を行った。また,DFRCC袖壁の繊維補強効果および継続使用性を材料力学挙動に基づいて評価するために,くびれ型とスリット型のDFRCC角柱試験体を用いた一軸引張試験および引張載荷後の圧縮試験を行った。 DFRCC袖壁付きRC柱の構造実験では,実大の約1/2スケールを想定した試験体を9体作製し,繊維種類(鋼繊維,PVA繊維),繊維体積混入率(0%,2%),柱脚部から反曲点までの高さ(せん断スパン比0.6,2.0),袖壁枚数(両側,片側),工法(一体打ちRC袖壁,プレキャストDFRCC袖壁)を主な実験因子として,逆対称および三角形分布の曲げモーメントによる正負交番漸増繰り返し載荷を行い,曲げ・せん断の終局強度および変形性能における繊維の補強効果を明らかにした。また,袖壁の破壊性状とひび割れに関する情報を高解像度デジタルカメラによって取得し,DFRCC袖壁のひび割れ幅はコンクリートを用いた場合の半分程度に抑制されることを確認した。 DFRCC角柱試験体を用いた一軸引張試験では,鋼繊維およびPVA繊維を混入したDFRCCの引張応力-ひび割れ幅関係を計測し,引張強度,強度時のひび割れ幅,強度以降のポストピーク挙動において,繊維の違いによる引張特性を検証した。さらに,引張載荷後の圧縮試験では,引張載荷による経験ひび割れ幅(0.2mm~1.5mm)を変動因子として実験を行い,ひび割れ発生後の圧縮強度低下率および引張・圧縮の除荷過程を定量的に把握し,経験ひび割れ幅と引張・圧縮特性の関係を明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,ひび割れ抑制効果と高い引張靱性を有する繊維補強セメント複合材料(DFRCC)をプレキャスト化した袖壁と方立壁に利用することにより,高強度・高靱性を付加させたDFRCC袖壁・方立壁付き鉄筋コンクリート(RC)造架構の構造性能と継続使用性を,DFRCCの引張・せん断・圧縮応力下の材料力学挙動に基づいて評価することを目的としている。そのために,複合応力状態で繰り返し荷重を受けるDFRCC構成則のモデル化,プレキャストDFRCC袖壁付き柱の構造性能と損傷抑制効果の精査,プレキャストDFRCC方立壁の構造性能評価,DFRCC袖壁・方立壁を有するRC造架構の損傷限界性能の検証を行う予定である。 現在までに,鋼繊維およびPVA繊維を用いたDFRCCに対して,4点曲げ試験,一軸引張試験,引張載荷後の圧縮試験を行い,引張応力-ひび割れ幅関係,経験ひび割れ幅に応じた圧縮強度低下率と引張・圧縮の除荷特性に関する実験データを取得している。また,DFRCC袖壁付きRC柱の静的載荷実験を行い,破壊性状,荷重変形関係,ひび割れ幅,せん断終局強度および限界変形角の検討を通じて,DFRCCをプレキャスト袖壁に利用することの有効性を明らかにしており,概ね予定通りの進捗状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
プレキャストDFRCC袖壁・方立壁付き鉄筋コンクリート造架構の構造性能と継続使用性を解明するために,次は,プレキャストDFRCC方立壁の静的載荷実験を行う。繊維種類(鋼繊維,PVA繊維),繊維体積混入率(0%,2%),壁厚,配筋などを変動因子として,軸方向変形を拘束させた逆対称曲げモーメントの正負交番漸増繰り返し載荷を行い,破壊性状,荷重変形関係,終局強度,限界変形角,ひび割れ幅などの構造性能や,DFRCCのひび割れ損傷抑制効果を精査する。また,ひび割れ幅と応力伝達機構に基づいて,DFRCC袖壁・方立壁における繊維架橋効果を明らかにするため,くびれ型のDFRCC角柱試験体を用いた引張・圧縮の繰り返し載荷実験を行い,袖壁・方立壁の複合応力状態に適応したDFRCCの構成則をモデル化する。さらに,袖壁・方立壁の構造実験から得られたデータとデジタル画像から,ひび割れの幅・長さ・角度,本数などの情報を集計することで,袖壁・方立壁の損傷度と荷重変形関係の対応関係を総合的に分析する。そして,プレキャストDFRCC袖壁・方立壁の剛性,耐力,復元力特性に対する繊維架橋効果と損傷制御性を定量的に明らかにする。
|