拡大孔・長孔を用いた高力ボルト摩擦接合部の広範な適用を可能とする工法の確立
Project/Area Number |
23K26245
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Project/Area Number (Other) |
23H01551 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23010:Building structures and materials-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
桑原 進 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (10243172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑中 祐紀 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (50876969)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥13,390,000 (Direct Cost: ¥10,300,000、Indirect Cost: ¥3,090,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,800,000 (Direct Cost: ¥6,000,000、Indirect Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 建築鋼構造 / 高力ボルト / 摩擦接合部 / 拡大孔 / スロット孔 / すべり係数 |
Outline of Research at the Start |
近年の構造物の巨大化に伴い、鋼構造物の不可避な製作誤差・施工誤差を施工現場で解消するため、高力ボルト摩擦接合部のボルト孔に対する 拡大孔、スロット孔の潜在的な需要が高まっている。本研究では、拡大孔・スロット孔を用いた高力ボルト摩擦接合部を一般的に実用可能にす ることが最終的な目標である。そのため、拡大孔・スロット孔を適用した高力ボルト摩擦接合部の①すべり耐力や最大耐力を検証、②設計方法 を確立、③高力ボルト締付け施工の問題点を検証、さらに、④拡大孔・スロット孔を適用した接合部の解析モデルにより、適用によって発生す る骨組の応力・変形が構造性能に及ぼす影響について検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
構造物の製作・施工には不可避な製作誤差・施工誤差が伴う。これに対し高力ボルトを用いた接合部ではボルト孔のクリアランスを利用し誤差を吸収することで構造物としての施工精度を確保してきた。しかし構造物が巨大化・長スパン化することにより、製作・施工精度を高めても一 般的なボルト孔ではその誤差を吸収できない場合が生じ始めている。これを解決するため、ボルト孔に拡大孔(通常よりも大きな孔径)やスロット孔(長孔)の適用が考えられる。建築基準法施工令では高力ボルト孔径はボルトの呼び径+2mmと決められており、拡大孔やスロット孔の適用には個別に国土交通大臣の認定が必要となるため、建築分野においては一般的に用いられていないが、潜在的な需要は大変高い。拡大孔・スロット孔の設計用すべり耐力に諸変数が及ぼす影響を明らかにし、設計法を確立、基規準・指針に反映させることが目的である。 本年度は、拡大孔・スロット孔を用いた高力ボルト摩擦接合部のすべり試験を実施し、以下の実験変数がすべり性状等に及ぼす影響を明らかにした。拡大孔の径(標準径、標準径+2、+4mm)、スロット孔の長径(ボルト径×1.5、×2.5)、摩擦面数(1面摩擦、2面摩擦)、スロット孔と作用応力の方向(0、 90°)、接合部耐力比(母材・添板の板厚、縁端距離)、ボルト径(M16、 M22)、ボルト列数(2、4本)、1面摩擦接合の補助板などの実験変数による影響を検証するとともに、次の解析の比較対象とした。前述の拡大孔・スロット孔を用いた高力ボルト摩擦接合部すべり実験、ならびに、高力ボルト張力導入をFEM解析にて再現した。実験結果との比較からFEM解析の妥当性を検証、FEM解析結果の信頼性を向上させた。実験で検証できない範囲の変数の影響を確認、また、実験でのばらつき(摩擦係数など)を除去し、実験変数の影響を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定したすべり実験を実施することができた。また、すべり実験ならびにFEM解析では、両者に一定の相関が確認され、それぞれの結果の妥当性を示すことができた。実験以外の変数をFEMで検討し、より広範な変数に対する影響を検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、昨年度の実験で明らかになった影響を設計資料として取りまとめるとともに、未検討であった変数(千鳥配置など)についての解析、必要に応じて実験を実施する。FEMでの解析に使用するWSのスペックアップを検討し、良い速やかな解析の実施を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)