Project/Area Number |
23K26278
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Project/Area Number (Other) |
23H01584 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23030:Architectural planning and city planning-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高取 千佳 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (10736078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 雅雄 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (00240911)
ULLAH・S・M ASIK 九州大学, 芸術工学研究院, 助教 (10867302)
田代 喬 名古屋大学, 減災連携研究センター, ライフライン防災産学協同研究部門特任教授 (30391618)
飯塚 悟 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (40356407)
香坂 玲 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (50509338)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
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Keywords | 流域レジリエンス / グリーンインフラ / DX / マネジメント / 雨水浸透・貯留機能 / Nature Positive / 合意形成 / DX技術 / グリーンインフラ・マネジメント / 水循環再生 / 生物多様性回復 |
Outline of Research at the Start |
本研究は以下の4段階を経て、最終成果として、国内外諸都市における汎用的技術として、流域レジリエンスに向けた統合型グリーンインフラマネジメントDXを構築する。 (1)GI類型と小流域分類・(2)GI類型別の三次元構造と管理レベルの相関分析と管理放棄地の予測・(3)GI類型別・管理レベルごとの1雨水浸透・貯留機能、2生物多様性の評価・(4) 小流域を原単位とした流域全体のGI管理の将来代替シナリオの影響評価 以上により、関係主体の協働を可能とする統合型グリーンインフラマネジメントDXを構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
(1)小流域の抽出と類型化 地形・地質・土壌に関する基盤データを整備した上で、地質構造と地形特性に基づき、流域分類を行い、流域スケールや人口規模が異なり、既に連携体制を構築している首都圏(鶴見川流域)・中部圏(櫛田川流域)・福岡都市圏(那珂川流域)を研究対象として選択した。次に、水文解析により計画原単位としての小流域を抽出し、環境省自然環境保全基礎調査による2万5千分の1植生データ、JAXA高解像度土地利用土地被覆データ(10m解像度)、筆ポリゴン、国土地理院基盤地図情報、各自治体による都市計画基礎調査や緑の実態調査を活用して、2500分の1スケールにおける詳細なGI類型(人工林・二次林・農地・ため池・水路・草地・裸地・芝地・市街地の緑地・公園・グラウンド等)を行った。 (2)GI類型別の管理レベルの推定と管理放棄地の予測技術構築 ESAの運用する衛星データ(Sentinel-1,2)とUAVによるLiDARデー タを活用し、対象流域における三次元土地被覆データ(年・季節別)を整備した。この衛星データは、2016年より全世界的にフリーで入手できる最も高い時空間分解能(10mメッシュ、12日間隔)を有し、国内外の汎用的技術となりうる。一方、対象流域におけるGI管理主体 (行政・企業・NPO・市民・地域住民・ボランティア等)を網羅的に把握・整理し、統計資料・ヒアリング調査を実施し、「管理作業密度=対象とするGIに対し、年間で単位面積あたりに投下される管理作業時間(h/a)」(TLD)を活用して、GIの管理作業密度をGISデータに整備した。こうして構築したGI類型別の三次元構造と、管理作業密度の高低(管理レベル:高・中・粗放化・再自然化・用途転用/追加等)について、AI技術を活用した相関分析を行った上で、指標化を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象地の一つである櫛田川流域においては、森林・農地の管理作業量の把握に基づき、流域全体の投下可能な管理作業量の制約条件とし、氾濫抑制、生態系回復の価値創出に向け、管理配分を行う複数シナリオ(現状推移、氾濫抑制重視、生態系回復重視、脱炭素化重視、スマート化重視等)を設定した。さらに、氾濫シミュレーションモデルを活用し、将来代替シナリオに対して、ベネフィット(氾濫抑制・生態系回復)、コスト(管理作業量)の算出・可視化を行い、地域住民等の関係主体に提示し、ワークショップを開催することができた。また、鶴見川流域においても、GIの管理状態の類型化に対し、雨水浸透・流出の実測の検証や、関係自治体や国交省等の関係部局との情報交換を行うことができた。また、那珂川流域では、本研究での取り組みが発展し、流域上流部に位置する那珂川市と代表者の所属する九州大学芸術工学研究院との連携協力協定が2024年4月に締結され、脱炭素と生物多様性の回復・氾濫抑制とを両立する街づくりに向けた取り組みがスタートしている。下流域においても、公民学の連携プラットフォーム「那珂川みらい会議」の運営に中心に携わり、研究で得られたGIの視点を、社会実装へと応用を進めている。さらに、以上の成果は、査読付き国際論文・国内論文として出版を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)管理主体別管理作業量の算出 GI管理に関する標準的な管理主体1人当たりの「管理作業 量=年間で対象とするGIに対し投下可能な管理作業時間(h)」(PLA)の算出を行う。さらに、機械やスマート技術による管理作業量の削減効果についても算出を行う。この結果を基に、管理放棄地の予測技術の構築を行う。また、「将来の流域レジリエンスに向けたGIマネジメントDXの構築」においてもその予測技術を活用する。 (2)GI類型別・管理レベルごとの①雨水浸透・貯留機能、②生物多様性評価 指標化を行ったGI類型別・管理レベルごとに、 ①雨水浸透・貯留機能、②生物多様性の実測調査を行う。具体的には、GI類型別・管理レベルの典型的調査対象地を選定し、実測装置の設置・実測を行い、①異なる降雨強度に対する 雨水浸透・貯留機能の網羅的データ、②指標種となる生物種の発見種数データを整備する。次に、GI類型別・管理レベルごとの雨水浸透・貯留機能の実測値を反映した氾濫シミュレー ションを行う。具体的には、内外水複合氾濫モデルのベースモデルとして、MVH Soft社が開発した「InfoWorksICM」を採用し、確率降雨を入力データとして、実測調査により明らかとした最終浸透能を用いてホートン式により地中へ貯留・浸透させる量(雨水貯留・浸透量)と浸透できない余剰降雨として地表面上に流出し下水管に流れ込む量(地表面流出量)の算定を行う。さらに、得られたシミュレーション結果と、過去の氾濫実績との比較によるシミュレーションの精度検証を行う。また、以上の機能に適した立地条件の特定を行う。
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