Project/Area Number |
23K26284
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Project/Area Number (Other) |
23H01590 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23030:Architectural planning and city planning-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
吉田 友彦 立命館大学, 政策科学部, 教授 (40283494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 圭郎 龍谷大学, 政策学部, 教授 (90366906)
藤井 康幸 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (20630536)
松行 美帆子 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (90398909)
饗庭 伸 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 教授 (50308186)
加登 遼 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 講師 (50849396)
瀬田 史彦 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (50302790)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | 高齢者 / 減少 / シュリンキング・シティ / 都市 / 政策 |
Outline of Research at the Start |
定住人口としての高齢者がいわば「フロー」として転出または死亡し、量的に減少する地区がどこに偏在し、それがどのような影響を周囲に与え、都市構造としてのマクロ的傾向にどのようにつながっていくのか、という問いに対する答えは定式化されているとは言い難く、長い目で高齢化の波の過ぎた後の都市をどのように展望するのか、という問いが重要になってくる。本研究では、複合的かつ包括的で多様な文脈を有する世界のシュリンキングシティ論(縮小都市論)での既往の到達点を踏まえつつ、特に高齢者が先行的に減少している小地域や街区等から都市の構造的変容を明らかにしつつ、地方圏や大都市圏の都市政策のあり方を再考する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、特に高齢者が減少している小地域や街区等から都市の構造的変容を明らかにしつつ、地方圏や大都市圏の都市政策のあり方を再考することを目的とする。このことにより、アジアのシュリンキングシティ論のモデルとなり得る、世界的な文脈に対応した「日本型シュリンキングシティ論」を深めることができると考える。 2023年度の計画項目としては、2020年までの国勢調査・小地域統計(65歳以上、75歳以上、85歳以上各人口数)による市街地類型、小地域のコーホート比の長期分析など、可能なデータから収集・分析を開始するとしたが、予定通り、大阪府、京都市、および岩手県等の小地域分析を行った。京都市下京区・中京区の2016年以降の簡易宿所増加が高齢者の減少を背景として発生していることを明らかにした(吉田、2024)。また、東日本大震災からの復興事業を経た岩手県について、2010年65歳以上のコホートが2020年になって75歳以上となり、小地域ごとにどの程度減っているかという様子を、大船渡市、宮古市、陸前高田市において観察した。高齢人口減少量上位30地区の小地域を抽出したところ、津波被害のあった地区は人口減少において、高齢者減少の寄与は3割から4割程度の規模になっており、各年齢層が転出した一方、津波被害の無かった地区は人口減少において、高齢者減少の寄与は6割とむしろ高かったことから、高齢者が意図して高台や施設へ積極的に地区外転出するという社会減が起きている可能性を指摘した(日本都市計画学会ワークショップ、2023)。京都市であれ岩手県であれ、各事例において、中心市街地と言えるまちなかにおいて高齢者の減少が顕著となっており、空き家の発生と密接な関係を持ちながら都市構造を変容させている状況が示唆された。今後は関連する分析を深めつつ、これらの仮説の検証を行うこととする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の計画項目としていた国勢調査については、予定通り、大阪府、京都市、および岩手県等の小地域分析を行った。それぞれの地域では高齢者減少地区の全体的傾向、簡易宿所増加との関連、震災復興事業による公営住宅建設との関係などを考察した。岩手県の復興事業との関連については日本都市計画学会ワークショップにおいて、2023年11月に研究報告を行った。京都市の高齢者の減少については、簡易宿所との関連などについて速報的ではあるが大学紀要において刊行した。今後は実地調査により具体的な空間変容のあり方について詳細を見ていく必要があることから、おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度からは、上記の成果を国際学会等で報告すると同時に、その他の大都市および地方都市を対象として人口の減少要因を探るための小地域および街区ごとの年齢別データについて議論する。高齢者の減少により顕著な都市構造が変化した典型事例に関しては、詳細な調査を通じてその減少要因と影響について分析を行うことを目指しつつ、事例の絞り込みを行う。このほか、先行的に高齢者が減少した地方都市の都市政策部門への聴取を通じて研究アイディアの深化を行いつつ、政策メニューの可能性を探るため欧米先進諸国等の海外の事例収集も同時に行う。とりわけ、ドイツの事例について一部のメンバーにより現地でのワークショップを開催する。 研究実施方法としては、代表者らによる市区町村レベルの国勢調査データの年齢別分析結果や分析方法について、年3回ほど開催される都市計画学会研究分科会のシュリンキングシティ研究会等を活用しながら、相互に共有していく。
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