Project/Area Number |
23K26289
|
Project/Area Number (Other) |
23H01595 (2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23040:Architectural history and design-related
|
Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
中川 理 神戸女子大学, 家政学部, 客員教授 (60212081)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂本 文彦 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (70299379)
石田 潤一郎 武庫川女子大学, 建築学部, 教授 (80151372)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥10,270,000 (Direct Cost: ¥7,900,000、Indirect Cost: ¥2,370,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
|
Keywords | 都市計画事業史 / 宅地開発事業史 / 事業の評価 / 場所のイメージ / 都市計画事業 / 宅地開発事業 / 地下 / 地価 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、旧植民地も含むわが国近代で実施された、市区改正、道路拡築、土地区画整理、宅地開発、団地造成などの都市計画や宅地開発に関わる開発事業について、それが開発された以降に、計画者以外も含めた多様な意思が介在することで起こる、空間の変容や価値・イメージの形成と変容に着目し、それを地価などの定量化指標の変動だけでなく、エッセイやメディア等に見られる抽象的評価などからも分析する。これにより、計画事業が持ち得た価値を、単に事業史としてではなく、それが持ち得た都市史全体の中で持ち得た価値として明らかにすることを目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
わが国の都市の近代化の中で事業化した、都市計画や宅地開発などの開発事業について、それが実施された後に、どのような空間の価値、あるいはイメージが与えられ、またそれにともなう何らかの空間変容が起こったかを歴史的に明らかにすることを目的とした研究であるが、本年度については、当初計画されていた以下の3つの事業について調査を行った。 (1)旧都市計画法による土地区画整理事業の事業後の街区形成、については、京都市の土地区画整理事業完了後の街区の変化・変容について、そこに建設された公設・私設の小売市場の設置や移転などの動向から明らかにした。その成果の一端を、「小売市場の普及に見る生活文化の近代的変容」(『近代京都と文化』思文閣出版、2023年)で著わした。 (2)ソウル(京城)における朝鮮総督府の都市計画事業、については実際にソウルの現状の街路網を詳細に探索し、当初の道路計画がいかに変容したかを調査した。成果として、総督府が計画した街路が完成されず、戦後に全く異なる街路網が形成されるケースが数多く見られた。その背景にある具体的な変更の要因については、さらに踏み込んだ調査が必要であることが認識された。 (3)戦後の年金福祉事業団支援の住宅組合・商業組合の事業、については、札幌木工センター、酒田卸業住宅共同組合、新潟中央商店街共同組合、浜松浜優専門店会、岡山鉄工センターのそれぞれの実際の事業計画、建設された共同住宅の実態を史料から明らかにしたが、一部に不明な点も残った。成果としては、年金福祉事業団支援の共同住宅事業では、ほとんどの場合(とりわけ商店街)数年で事業が終了してしまうことが了解できたことである。そこには、共同住宅化という事業目的そのものが、意味を失う過程を読み取ることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度について、当初計画されていた以下の3つの計画事業について、事業後の状況に関わる状況の調査を行い、さらなる調査が必要である部分も残ったが、当初想定していた範囲での成果をあげることができた。 (1)旧都市計画法による土地区画整理事業の事業後の街区形成 (2)ソウル(京城)における朝鮮総督府の都市計画事業 (3)戦後の年金福祉事業団支援の住宅組合・商業組合の事業
|
Strategy for Future Research Activity |
わが国の都市の近代化の中で事業化した、都市計画や宅地開発などの開発事業について、本年度は3つの事業に着目し、調査を行ったが、それぞれ調査が足りない部分も残った。 そこで、それを補完する調査・分析を進めるが、本研究ではわが国の都市の近代化の中で事業化した、都市計画や宅地開発などの開発事業全体を見据えた、事業後の状況を俯瞰的に明らかにする必要がある。そこで、令和6年度それぞれの調査について、単に補完するのではなく、わが国全体での事業計画に敷衍できるような内容の調査に拡張していくことを目指す。 (1)旧都市計画法による土地区画整理事業の事業後の街区形成、については、京都市が中心となるが、実際の街区形成を導いた宅地形成の実際と、その後の変化やそこに形成された場所のイメージについて明らかにする。 (2)ソウル(京城)における朝鮮総督府の都市計画事業については、これまでの史料調査とつきあわせた詳細な分析を行い、とりわけ植民地での計画事業がどのような特徴を持ち、それがどのような変容や改変に繋がっていったのかについて明らかにする。 (3)戦後の年金福祉事業団支援の住宅組合・商業組合の事業については、年金福祉事業団だけでなく、戦後、多くの住宅支援事業が存在していたことがわかっており、それぞれがどのような成果を挙げ、またその後、住宅地としてどのような変化を遂げていたのか、戦後の住宅政策とその後の実態を俯瞰的に明らかにすることを目指す。
|