Project/Area Number |
23K26299
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Project/Area Number (Other) |
23H01605 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 24010:Aerospace engineering-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
矢代 茂樹 九州大学, 工学研究院, 教授 (00452681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 雅章 京都大学, 工学研究科, 准教授 (60512085)
小野寺 壮太 九州大学, 工学研究院, 助教 (00907016)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,530,000 (Direct Cost: ¥8,100,000、Indirect Cost: ¥2,430,000)
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Keywords | 炭素繊維強化プラスチック / 積層欠陥 / 疲労 / 層間はく離 / 層内き裂 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,自動積層装置によって製造されたことに伴う層の隙間(樹脂だまり)や層の重複,板厚方向への層のうねりといった積層欠陥を有するCFRP積層板の疲労特性,すなわち,疲労損傷進展ならびに疲労強度を予測する解析技術を開発し,検証するものである。その達成のために,積層欠陥の微視構造の簡易モデリング技術の確立と,層間はく離(結合力要素)・層内き裂(連続体損傷力学モデル)の疲労モデルの定式化を行う。これら要素技術ごとにき裂進展や強度に関して実験を実施して開発する解析要素技術と比較し,解析の妥当性を実証し,これらを統合することで積層欠陥を有するCFRPに対する疲労強度解析技術を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,自動積層由来の積層欠陥を有するCFRP積層板の疲労損傷進展・疲労強度を予測する解析技術を開発する。2023年度にはその要素技術として①層うねりのモデル化技術,②疲労はく離進展の定式化,③層内き裂の疲労の損傷力学の開発に取り組んだ。 ①層うねりのモデル化技術開発では,積層欠陥を簡易に有限要素モデルに反映する手法を目指している。CFRPテープ積層のギャップやオーバーラップによって,成形後に層の厚さが変化し,層は板厚方向うねる。このような微視構造を,それぞれ,局所的なシェル要素厚さ変化と繊維配向を考慮した局所スティフネスの変化で表し,代表者が開発してきたply-by-plyシェルレイヤーモデルに実装した。 ②疲労はく離進展の定式化では,繊維と樹脂を明示的に区別した破壊じん性試験片の有限要素モデルを構築した。繊維/マトリックス間のデボンディングを表すために結合力要素を挿入した。繊維/マトリックス間の結合力要素に従来型の疲労モデルを適用し,損傷の蓄積を予測した。また,層間はく離進展に関する疲労試験治具を設計,製作し,疲労試験を実施した。 ③層内き裂の疲労の損傷力学では,複数の積層構成のクロスプライ積層板に対し,最大応力の組み合わせで引張疲労試験を実施した。90度層のトランスバースクラックの増加のプロセスを詳細に観察し,荷重条件とクラック増加の関係に関するデータベースを構築中である。また,物理ベース疲労損傷則の原型を考案し,その実証に必要な試験を計画した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度には①層うねりのモデル化技術,②疲労はく離進展の定式化,③層内き裂の疲労の損傷力学の開発に取り組んだ。①,②ではモデルの原型を構築でき,③では実験のデータベースの構築を進めている。以上よりおおむね順調な進捗を得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
製造方法由来の積層欠陥を有するCFRPのメゾスケール疲労予測解析の構築に向けて,①層うねりのモデル化技術開発,②疲労はく離進展の定式化,③層内き裂の疲労の損傷力学の要素技術を開発する。要素技術ごとに妥当性を検証したうえで,④メゾスケール疲労予測解析として開発した解析技術やモデルを統合する。 ①積層欠陥による層うねりの技術開発では,ギャップやオーバーラップによる積層構造を簡易にモデル化することを試みる。層の厚さ変化とうねりを,それぞれ,局所的なシェル要素厚さ変化とスティフネスの変化で表し,ply-by-plyシェルレイヤーモデルに実装する。 ②疲労はく離進展のメゾスケール定式化では,繊維と樹脂を明示的に区別した破壊じん性試験片の有限要素モデルを使用し,繊維/マトリックス間のデボンディングの蓄積とメゾスケールの層間はく離への拡大プロセスを解析する。ミクロ解析と実験を再現するよう繰返し荷重による層間はく離の進展をメゾスケールの界面要素で定式化する。 ③疲労による層内き裂の蓄積に対する連続体損傷力学モデルの構築に向けて,複数の積層構成,最大応力,応力比の組み合わせで引張疲労試験を実施してトランスバースクラックの増加を観察し,荷重条件とクラック増加の関係を把握する。そのうえで,トランスバースクラックの増加を表現できる物理ベース疲労損傷則を提案する。 ④メゾスケール疲労予測解析では,積層構造や積層欠陥などのプリプロセスが容易なply-by-plyシェルレイヤーモデル(①で開発)に,②疲労はく離モデルと③疲労層内き裂モデルを実装し,積層欠陥を有するCFRPの疲労強度特性を予測する解析として統合する。積層欠陥を仕込んだCFRP積層板の有孔引張疲労試験を実施し,損傷進展と疲労強度に関して実験と解析の比較によって,開発するCFRPメゾスケール疲労予測解析の妥当性を実証する。
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