Project/Area Number |
23K26301
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Project/Area Number (Other) |
23H01607 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 24010:Aerospace engineering-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
小木曽 望 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (70295715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩佐 貴史 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (90450717)
田中 宏明 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (90532002)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
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Keywords | スマート構造 / 自律運用シナリオ / リスク解析 / 機械学習 / レジリエント工学 / 高精度画像計測 |
Outline of Research at the Start |
高精度スマートアンテナの不確定性による利得低下を回復させるためには,その不確定性の影響を除去するために必要な「高精度計測」だけに頼るのではなく,機械学習を利用して不確定性の影響を「推定」する手法を構築する.この機械学習を利用して,運用前にあらかじめ推定しておけば,運用時には不確定性の影響を「計測」することなく,アンテナを運用することができるようになる.つまり,アンテナを調整する時間を最小化し,アンテナを運用する時間を最大化することができる.これが本研究で構築をめざす「不確定性を考慮した宇宙スマートアンテナの自律運用シナリオ」である.
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Outline of Annual Research Achievements |
[1] STPA安全解析を通して,画像計測誤差および主鏡取付誤差の影響が運用シナリオにおよぼす影響を評価した.そして,画像計測に要する時間に対して観測対象追尾のための仰角変更を考慮して,異なる仰角で算出した可変副鏡のアクチュエータ出力に対して,どの程度の仰角までアンテナ利得の悪化が防げるのかを算出し,自律運用シナリオに反映した.一方で,副鏡の熱変形,重力変形の影響を過小評価していたことが明らかになったため,不確定性の影響を再評価する必要が生じた. [2] 画像計測に関しては,サンプリングモアレ法を利用した画像計測法の高度化に取り組んだ.まず,カメラ姿勢(取付位置,視線方向,視野)と撮影画像との関係を表現する解析モデルを構築し,格子貼付1カメラ法(計測対象物に貼付した格子画像を撮影し格子の位相情報から変位量を求める画像計測法)と組み合わせることで,カメラ姿勢が計測精度に与える影響を明らかにした.また,格子貼付1カメラ法による副鏡モデルの変位計測を大気球実験にて実施し,成層圏においても地上と同程度の精度(0.05mm以下)で計測できることを確認した. 一方,地上実験系を利用した画像計測誤差モデル構築に関して,カメラ視線方向と鏡面法線方向のなす角に加え,カメラ位置と鏡面までの距離を組み込むことで不確定性予測の精度が向上できるかどうかを確認した. [3] 機構系の不確定性定量化解析に関して,宇宙に近い成層圏環境においてアンテナ光学系の副鏡の一部を取り出したスマート構造システムの動作実証を実施し,形状可変鏡機構系の運用環境における特性評価を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
STPA安全解析に加えて,FRAMによるモデル化を試し,ハザードに関するモデル化を進歩させることができた.また,今年度主に取り組んだ主鏡取付誤差に関してはこれまで仮定としていた主鏡取付誤差量に対して,運用シナリオと不確定伝播の視点から,取り付け誤差量の設計要求の根拠を明確にすることができるなど,順調に研究が進んでいる. 画像計測に関しては,計測誤差や計測欠損を機械学習により補正する学習モデルに必要な「誤差の予測モデル」の一部を構築し,シミュレーションベースで計測誤差の分布特性を把握する等,順調に研究が進んでいる. 機構に関する不確定性も出る構築に関しては,スマート形状可変鏡システムの成層圏環境での動作実証試験を実施し,実運用に近い環境でのデータを取得するなど,順調に研究が進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
レジリエント運用の高精度化のために,ハザード解析および不確定性伝播モデルの高精度化を図る,また,利得回復を最大化するための副鏡アクチュエータ出力算出に対して,最適化計算を省略するための学習モデルの高精度化を図る. また,成層圏気球実験結果や地上試験結果に対して,不確定性定量化解析を実施し,学習モデルを構築する. 画像解析モデルに関しては,構築した解析モデルに画像ノイズを加え格子貼付1カメラ法と組み合わせることで,実際を想定した予測モデルを構築し,計測実験を通してその妥当性を検証する. これからは,地上モデルから上空モデルの動きをいかに予測するべきかといった運用方策に関してはメンバー間でのコンセンサスをさらに強固なものにする必要がある.そのために,より綿密に打ち合わせをしながら,研究を進める予定である.
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