Project/Area Number |
23K26318
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Project/Area Number (Other) |
23H01624 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 24020:Marine engineering-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
勝井 辰博 神戸大学, 海洋底探査センター, 教授 (80343416)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2025: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
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Keywords | EEXI / 低摩擦型塗料 / 粗度関数 / 粗度抵抗 / 実船性能 / 塗膜粗面 / 流体摩擦抵抗 / 回転円筒試験 |
Outline of Research at the Start |
本研究は低摩擦型を含む舶用防汚塗料の実船摩擦抵抗を定量的に推定する手法を示すとともに,塗膜粗面の幾何形状パラメタと実船摩擦抵抗を関連付けることを試みるものである。低摩擦型塗料を開発するにあたって重要な問題は二つである。一つは,「どのよう」な塗料がより摩擦抵抗が低いのか,もう一つは,その塗料を実船に用いた場合,既存の塗料に比べて摩擦抵抗が「どれだけ」下がるのか,である。この二つを明らかにすることで、任意の塗料の実船摩擦抵抗を算定する手法を開発し、低摩擦型塗料の効果による実船のEEXI値の低減量を定量的に推定可能とすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は低摩擦型を含む舶用防汚塗料の実船摩擦抵抗を定量的に推定する手法を示すとともに,塗膜粗面の幾何形状パラメタと実船摩擦抵抗を関連付けることを試みるものである。低摩擦型塗料を開発するにあたって重要な問題は二つである。一つは,「どのよう」な塗料がより摩擦抵抗が低いのか,もう一つは,その塗料を実船に用いた場合,既存の塗料に比べて摩擦抵抗が「どれだけ」下がるのか,である。この二つを明らかにすることで、任意の塗料の実船摩擦抵抗を算定する手法を開発し、低摩擦型塗料の効果による実船のEEXI値の低減量を定量的に推定可能とすることを目的とする。令和5年度は9種の塗膜粗面に対して回転円筒試験装置を用いて各種塗膜粗面近傍の流場計測を行うとともに塗膜粗面を塗布した円筒に作用する回転トルクを計測することで各種塗膜粗面の粗度関数を計測した。さらに、既存の砂粗度に対する粗度関数を基礎とした、各種塗膜粗面が持つ粗さの長さスケールの同定を行った。その結果、粗度波長が比較的長い、通常の塗膜や低摩擦型の塗膜に対しては粗度の長さスケールksは粗度高さRcと粗度波長Rsmの比の関数として概ね1つの関数で表現しうることを示した。また、壁関数を用いた粗面平板周りのCFD解析を実施し、粗面の場合は滑面の場合と異なり壁関数の境界条件の与え方によって、摩擦抵抗の算定結果に差があることを確認した。このことは、塗膜粗面を対象とした場合、壁関数の適用にあたっては、モデルパラメタの選択等、境界条件の与え方に注意が必要であることを示唆するものであり、今後、塗膜粗面を対象としたCFD解析法を構築する上で重要な知見を得たと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた多数の塗膜粗面を対象とした回転円筒試験を実施し、各塗膜粗面の粗度関数を得たこと。また、その計測結果をもとに塗膜粗面の幾何形状と粗度関数が粗度高さ/粗度波長比の関数として表現しうることを示したことから概ね順調に進展していると考えている。また、塗膜粗面を有する船体周りのCFD解析法の構築は今後強く望まれている手法であるが、平板周りの流場解析を通して、その問題点について認識できたことは、今後の研究方針に定める上で重要な知見を得たと考えており、そのことを含めて良好な進捗が得られていると認識している。
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Strategy for Future Research Activity |
回転円筒装を用いた塗膜粗面の粗度関数計測については、これまでに9種の塗膜に対して行われており、着実に成果が得られているが、塗膜の形状は多様であり、これだけで十分な知見が得られたというわけではない。計測方法については多くの経験を重ねることで計測精度向上や計測時間短縮が図られており、今後さらに多様な表面形状を持つ塗膜粗面に対して、回転円筒装置を用いた粗度関数計測を行う予定である。それとともに、塗膜粗面の表面形状に関する代表的なパラメタ抽出についても進める予定であり、これまで着目してきたRcやRsmに加えて、さらに多様なパラメタと粗度関数の関係についても明らかにしていきたいと考えている。また、塗膜粗面を有する船体周りのCFD解析について、壁関数を基礎とする手法において塗膜粗面に対する適切な粗度関数の設定法の検討、低レイノルズ型境界条件を用いる手法においては、乱流パラメタのあるべき境界条件設定法について検討していきたいと考えている。さらに本学が有する練習船海神丸の航海データをもとに本研究で示す塗膜粗面の摩擦抵抗算定法の精度検証を行う方法についても検討したいと考えている。
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