Project/Area Number |
23K26343
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Project/Area Number (Other) |
23H01649 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25020:Safety engineering-related
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
西脇 芳典 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 教授 (50632585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 忠治 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 教授 (50294822)
森 勝伸 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 教授 (70400786)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
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Keywords | 科学捜査 / 単繊維 |
Outline of Research at the Start |
繊維と染料の組み合わせは莫大な数になり、鑑定方法の体系化が難しい原因の1つである。また、現在の科学捜査は基本的にバルク定性検査であり、試料内での成分の局在が重要にも関わらず均質的な情報しか見ていない。本研究では、高輝度放射光を用いたマイクロイメージング技術と表面増強ラマン分光イメージング法を組み併せ、単繊維内部構造と染料の可視化情報に基づいて、繊維鑑別法を体系化する。日本発の国際標準となる実用的な科学捜査のための体系的繊維鑑別法として確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高輝度放射光を用いたマイクロイメージング技術(赤外吸収分光、蛍光X線分光、X線吸収微細構造解析)と表面増強ラマン分光イメージング法(SERSイメージング)を組み併せ、単繊維内部構造と染料の可視化情報に基づいて、繊維鑑別法を体系化する。日本発の国際標準となる実用的な科学捜査のための体系的繊維鑑別法として確立することを目的とする。その中で本年度は、単繊維断面薄片作成法とイメージングのためのサンプルホルダーの最適化および単繊維断面薄片の放射光XRF・XAFSイメージングを実施した。単繊維の直径は約20マイクロメートル程度であり、再現性良く断面薄片を作成することは難しい。本研究のための単繊維を固定化するための再現性の高い薄片作成法を確立することに成功した。その薄片を用いて、製造メーカー・製造年・使用目的等の情報が明確な繊維約50種類について、ICP-AESと全反射蛍光X線分析を実施した。その後、染料の特徴に基づいた明瞭な放射光XRF・XAFSイメージング像から単繊維内部の元素(XRF)・化学状態(XAFS)分布情報を取得できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に単繊維断面薄片作成法とイメージングのためのサンプルホルダーの最適化ができ、明瞭な染料の特徴に基づいた放射光XRF・XAFSイメージングから単繊維内部の元素(XRF)・化学状態(XAFS)分布情報を取得できている。以上のことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
良好なデータが取得できているので、継続して、製造メーカー、製造年、使用目的等の情報が明確な繊維について、ICP-AESと全反射蛍光X線分析を実施し、染料の特徴に基づいたイメージングデータから、単繊維内部の元素(XRF)、化学状態(XAFS)、有機物(FT-IR)の分布を明らかにしていく。来年度は、単繊維断面薄片のSERSイメージングに着手する。SERSは活性がある物質のみに有効であり万能ではないので、情報が明確な繊維約200種類について、液体クロマトグラフ質量分析で染料種を先に明らかにする。その後、各染料のSERS活性を明らかにした上で、SERSイメージングデータを取得し、染料の単繊維内部での分布状況を明らかにする。その過程の中で、従来のバルク分析ではわからなかった繊維内部構造と染色の関係が、イメージングにより可視化されてくると考えられる。染色された繊維を鑑別するための指標を明らかにし、実際に流通している単繊維について、明らかになった鑑別指標から異同識別できることを示す予定である。
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