新しい時系列InSAR手法による道路等のインフラ施設のモニタリング手法の開発
Project/Area Number |
23K26348
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Project/Area Number (Other) |
23H01654 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25030:Disaster prevention engineering-related
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Research Institution | Institute of Science Tokyo |
Principal Investigator |
松岡 昌志 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (80242311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 弘之 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (30418678)
押尾 晴樹 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (50749520)
劉 ウェン 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (60733128)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,840,000 (Direct Cost: ¥6,800,000、Indirect Cost: ¥2,040,000)
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Keywords | コヒーレンス / 車両 / 道路ラフネス / 数値シミュレーション / 人工衛星 / NN-PSI / 老朽インフラ / モニタリング / ラフネス |
Outline of Research at the Start |
都市の道路などインフラ施設には老朽化しているものが多く,維持に関わるコストの効率化が求められている。研究代表者らはこれまでに人工衛星SAR画像の時系列InSAR解析手法(NN-PSI)を開発してきたが,本手法を道路の健全性評価に応用するには,車両の影響を考慮する必要がある。本研究は,車両の有無を想定したNN-PSIの数値シミュレーションに基づき道路の路面の変位を推定する手法を開発し,道路のIRI(国際ラフネス指数)実測値によるデータとの比較による精度検証と有用性の確認を行う。さらに,NN-PSIを都市の老朽化したインフラ施設の事故事例に適用して,異常検知技術として実用化できることを提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
実観測データの処理および数値シミュレーションのために,NN-PSIをIDL言語にてコード化して画像処理ソフトウェアENVIとSARscapeに実装し,日本を観測しているSentinel-1衛星のSAR画像のうち,各種被害があった老朽インフラの地域を対象にこれまでに数百シーンのデータを入手した。そして,2021年和歌山市の六十谷水管橋の崩落,2021年の山形県遊佐町栄橋の崩落を対象にNN-PSIを適用し,時系列変位を計算した。前者については,Descending軌道のデータから推定した視線方向における時系列変位は,崩落した径間は他の径間とは異なり,2020年8月から9月にかけて衛星から遠ざかる方向に変位し始めており,これは,後日にアーチ吊り材が2020年12月時点で破断していることを確認した時期と整合した。また,Ascending軌道の結果と併せて推定した崩落直前の変位は,西方向に4.6 mm,下方向に9.2 mmとなり,吊り材の破断箇所から予想される水道管の移動方向と矛盾しないことを確認した。後者の崩落事故については,崩落した右岸側の橋桁は左岸側と比べて2017年頃から約10 mm/年の変位速度で衛星から遠ざかる(おそらく沈下)傾向がみられ,事前に崩落を予見できた可能性を示唆した。さらに,廃炉作業中の福島第一原子力発電所の原子力建屋と周辺の地盤を対象にNN-PSIを適用したところ,地盤の変位には顕著な特徴がみられないが,原子炉建屋は夏季において衛星に近づく方向に周期的に変位していた。これは気温により建屋の構造部材が膨張にしていることに起因していると考えられ,鉄骨がむき出しになっている1号機の変位にはオフセットがみられるものの他の建屋と同様に冬季と夏季で5 ~ 7 mm程度で変化していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
C言語で開発したNN-PSIアルゴリズムをIDL言語にコーディングし,画像処理ソフトウェア(ENVI SARscape)に実装し,さらに,Sentinel-1衛星のSAR画像を数百シーンを取得し,アルゴリズムの動作確認のため各種インフラ施設の解析を試行的に実施している。また,道路のラフネスおよび橋梁の老朽化に係るデータベースにアクセスして解析に必要な情報を取得済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
Sentinel-1衛星の時系列SAR強度画像から道路における車両の有無を推定するアルゴリズムを開発し,さらに,コヒーレンスについては道路を観測したピクセルを中心とした従前の局所窓からの算出ではなく,道路を観測したピクセルの時系列データから算出する手法を開発する。国土交通省の全国道路施設点検データベースからIRI(国際ラフネス指数)データが得られている地域を選定し,SARの強度画像およびコヒーレンスの変化から,道路の損傷程度を推定する手法を機械学習により開発する。さらに,手法の適用性について道路の走行方向とSAR照射方向との関係から明らかにする。NN-PSIからの道路ラフネスや老朽施設の変化抽出に向けた理論的な補強として,高分解能を対象にしたSARシミュレーションソフトウエアを用いて強度だけでなく位相情報を解析できるように改良し,Sentinel-1のような低分解能の画像に変換できるアルゴリズムを検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(11 results)