Project/Area Number |
23K26350
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Project/Area Number (Other) |
23H01656 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25030:Disaster prevention engineering-related
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
宮本 崇 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (30637989)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
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Keywords | 衛星データ解析 / マルチモーダルデータ / 災害被害検知 / ハイブリッドモデル / マルチモーダル機械学習 / PINNs / リモートセンシング |
Outline of Research at the Start |
人工衛星による撮影画像を人工知能によって分析する技術は,災害被害を検知するための有力な手法である一方で,上空からは観測できない被害があることや,人工知能の有するブラックボックス性は手法上の本質的な限界として現れていた.このような限界を打破することを目的として,本研究では多種多様なデータを解析する人工知能と人間の有する演繹的知見が協調・融合しながら災害被害検知を行う手法を確立する.
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Outline of Annual Research Achievements |
洪水害および風水害を対象に,衛星による地表観測画像に加えて付加的なデータを入力に用いる被災域解析のAIモデルを開発を行い,その性能を検証した. 洪水害の被災域解析においては,広く用いられるSAR衛星画像に加えて数値標高データを深層学習モデルに入力データとして用いる方法を検討した.衛星画像の有する位置情報に基づいて,画像内の撮影域に対応する数値標高データをオープンデータから自動的に抽出・加工するアルゴリズムを開発し,洪水被災域の衛星画像を格納したオープンデータセットであるSen1Floods11を,数値標高データパッチを追加する形で拡張しその成果を公開した.また,構築した拡張データセットを用いて標高情報が洪水被災地域の検知に与える影響を評価し,標高情報そのものよりもその1次微分である傾斜情報が重要な役割を果たすことを示した. 風水害の被災域解析においては,光学衛星画像から台風による住宅構造物の被害を検知する深層学習モデルの開発に取り組んだ.衛星画像に加えて住宅1棟単位の属性情報を入力データとして処理するモデルの基礎構造を開発し,その性能を検証した. また,物理的な方程式を推論に組み込む手法であるPhysics-Informed Neural Networks(PINNs)について,従来から課題となっていた動的な問題に対する収束性の低下を補うために,簡易な数値解析から得られる数値解を深層学習モデルの教師データとして用いる手法を提案した.同手法により,PINNsが収束する問題の範囲を大幅に拡張することに成功し,手法の汎用性を向上させる結果を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では,災害被害の即時検知において,解析データの多重化とデータ解析における情報学的知見と物理知見の多重化という2つのアプローチからその精度を向上させることを目的としていた.2023年度は,前者の解析データの多重化のアプローチについて新たに台風害と風水害に対する具体的な適用を行いその有効性や課題を明らかにすると共に,後者の情報学的知見と物理知見の多重化についても従来の基礎アルゴリズムの拡張に成功した.こののような成果は当初計画に沿った研究項目を適切に実施していものであり,更に初年度から複数の発表論文や学会発表を行っていることから,当初の計画以上に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,豪雨災害の予測,および洪水害の検知を研究対象として,特に情報学的知見と物理知見の統合の観点,および大規模なオープンデータセットの事前学習の観点から研究を行うこととする. 豪雨災害の予測では,現況までの降雨量分布のレーダー観測データから短時間後の降雨量予測を行う新たなデータ駆動モデルを開発する.モデルの開発においては,降雨現象が大気の流体的な運動と降雨の発達・衰弱過程の2つの物理過程から構成される事前知識を活用し,両過程の解析に適したデータ駆動モデルを適用する.より具体的には,前者の大気の運動はoptical flow法,後者の降雨の発達衰弱過程はdynamic mode decomposition法の適用を試み,その有効性を検証する.
洪水被害の検知では,SAR衛星による地表観測データの解析結果と洪水シミュレーションによる被災予測結果を同化する手段を確立する.洪水が予想される地域において,河川流量や破堤位置などの不確実性に伴って実施した複数の洪水シナリオシミュレーションのうち,SAR観測データのAI解析から得られる浸水域結果と最も整合するものを評価・選出する手法を確立することで,観測と最も整合し,かつ洪水流の物理的な性質を満たした自然な浸水域を推定する手法を構築する.
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