Project/Area Number |
23K26385
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Project/Area Number (Other) |
23H01692 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26020:Inorganic materials and properties-related
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
城崎 由紀 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (40533956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲田 幹 九州大学, 中央分析センター(筑紫地区), 准教授 (40624979)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
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Keywords | 神経細胞 / ケイ素 / 増殖促進 / 分化活性 |
Outline of Research at the Start |
ケイ素(Si)は,我々の体内では,可溶性のケイ酸の形で,特に骨や腱といった結合性組織に多く存在している。そのため,骨置換を目的とした生体活性シリケートガラスを用いた研究によって,その骨組織再生に関係する作用が明らかにされてきた。一方で,有機ケイ素化合物を出発原料とした,シリケート,シロキサン-生分解性高分子複合体が新しい組織再生足場材料として提案されてきた。この場合,重合度や有機高分子と結合する有機官能基によって,ケイ素を含む化合物の構造は異なる。これらの異なる構造を細胞が認識しているのか,さらに細胞種によってどの程度その効果が異なるのかを知ることは,新しい材料設計指針の足掛かりとなる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,生体必須微量元素であるケイ素を含む化合物の構造に着目し,ケイ素化合物が神経組織再生に及ぼす影響を体系化し,最終的に新規神経再生足場材料の設計に有効利用することである。これまでに骨組織再生に有効だと報告されてきたケイ酸塩や有機-無機複合体から溶出したケイ素化合物を含む培地を作製し,ケイ素化合物の構造と神経細胞への応答性の関係を明らかにした。ケイ素化合物として,メタケイ酸塩とオルトケイ酸塩を用いた。ケイ素濃度が0.05から0.5 mMとなるよう培地中に溶解させ,pHは希塩酸で調整した。培地中で,メタケイ酸は1から5量体オルトケイ酸は1から3量体の構造をとった。これら溶液中で培養したRT4-D6P2T細胞は,通常培地内と同様に接着・増殖した。また,その形態も通常の細胞と同様に伸長し,樹状突起を多く有した。発現タンパク量に関しても,ケイ素化合物の構造や濃度に対して,違いは観察されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オルトケイ酸ナトリウムおよびメタケイ酸ナトリウムを用い,ケイ素濃度0.05から0.5mMの培地中でのRT4-D6P2T細胞の接着・増殖,および形態に関して調べた。また発現タンパク量に関しても,ケイ素化合物の構造や濃度に依存した結果は得られなかった。また,細胞内ケイ素濃度も測定限界以下で,RT4-D6P2T細胞内にケイ素化合物は取り込まれていないと考えられる。そこで,ケイ素化合物が細胞に直接影響するのではなく,培地中のタンパク質や細胞が産生する酵素などに,なんらかの影響を与えている可能性を考え,アルブミンや酵素を用いた実験を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
先行成果で用いたシロキサン骨格を有する分解性複合体からの溶出物に関して,詳細な神経細胞応答性を評価する。シロキサン骨格を形成するためのケイ素含有試薬を変え,抽出溶液中のケイ素周囲の構造を制御する。また,オルトケイ酸ナトリウムおよびメタケイ酸ナトリウムの系に関しては,タンパクの構造変化や酵素活性に対する影響に関して結果を取りまとめる。
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