Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
ケイ素(Si)は,我々の体内では,可溶性のケイ酸の形で,特に骨や腱といった結合性組織に多く存在している。そのため,骨置換を目的とした生体活性シリケートガラスを用いた研究によって,その骨組織再生に関係する作用が明らかにされてきた。一方で,有機ケイ素化合物を出発原料とした,シリケート,シロキサン-生分解性高分子複合体が新しい組織再生足場材料として提案されてきた。この場合,重合度や有機高分子と結合する有機官能基によって,ケイ素を含む化合物の構造は異なる。これらの異なる構造を細胞が認識しているのか,さらに細胞種によってどの程度その効果が異なるのかを知ることは,新しい材料設計指針の足掛かりとなる。