Project/Area Number |
23K26391
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Project/Area Number (Other) |
23H01698 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26030:Composite materials and interfaces-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮崎 司 京都大学, 成長戦略本部, 特定教授 (70789940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 幹人 京都大学, 化学研究所, 教授 (30222102)
山本 勝宏 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30314082)
青木 裕之 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究主幹 (90343235)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥12,610,000 (Direct Cost: ¥9,700,000、Indirect Cost: ¥2,910,000)
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Keywords | 有機/無機ナノコンポジット / 高分子吸着層 / 小角中性子散乱 / 中性子反射率 / 超臨界水熱反応 / 超・亜臨界水 / プラスチックの分解と回収 / SDGs |
Outline of Research at the Start |
SDGsの達成やカーボンニュートラルに向けた社会課題が顕在化している中、プラスチックの大幅な削減が求められている。軽量・安価で可撓性があるプラスチックを有効活用するため、プラスチック複合材料である有機/無機ナノコンポジット材の回収プロセスとして、環境にやさしい超臨界水を利用することを提案する。そのために本研究では、超臨界水熱反応によるナノコンポジット材中のフィラー表面の“バウンドレイヤー”と呼ばれる高分子吸着層の分解メカニズムを、最先端の量子ビームを使って明らかにすることにより、ナノコンポジット材の完全回収・アップサイクルプロセスを設計提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、超臨界水熱反応による有機/無機ナノコンポジット材の回収プロセスにおいて、フィラー表面のいわゆるバウンドラバーと呼ばれる高分子吸着層が超、亜臨界水により分解されるメカニズムを明らかにすることである。メカニズムの解明には、最先端の量子ビームである、中性子を主に使う。 本年度は対象とする有機/無機ナノコンポジット材の1つとして、シリカフィラーを分散したスチレンーブタジエンゴム(SBR)を選定し、Si基板上に塗布したSBR膜をベースポリマーとして、熱処理によりSi基板に吸着したSBR吸着層を作製した。中性子反射率測定により、SBR吸着層は、内側の高密度層と外側の低密度層に分かれ、吸着層成長の初期には内側の高密度層のみが成長し、遅れて外側低密度層が成長することがわかった。ただし、これまで他の高分子吸着層の成長挙動として知られていた挙動とはかなり異なることがわかった。すなわち、外側低密度層は成長の初期から一定の厚みをもち、その密度のみが成長の過程で増加することがわかった。 さらに本年度は、中性子反射率用と小角中性子散乱用の高温・高圧セルシステムの設計と製作をおこなった。またそれぞれのセル用の試料作製についても検討し、次年度これらを用い、まず予備実験をおこなう。その結果問題がなければ、予定どおり中性子反射率法と小角中性子散乱法を用いて、超臨界水熱反応によるバウンドラバーの分解過程のその場観察をおこなう。初年度の目標は十分に達成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象とする高分子吸着層の1つとして、スチレンーブタジエンゴムを選定し、Si基板上で特異な吸着挙動を示すことを明らかにすることができた。さらに予定どおり、中性子反射率と小角中性子散乱用の高温高圧セルシステムを年度内に完成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度明らかにしたスチレンーブタジエンゴム吸着層の吸着挙動をまず明らかにする。さらに内部構造の詳細を、中性子反射率と小角中性子散乱を中心として用い、実験室のX線反射率、原子間力顕微鏡も併用して明らかにする。結果は2報程度の論文として来年度内に刊行する。
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