Project/Area Number |
23K26414
|
Project/Area Number (Other) |
23H01721 (2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26050:Material processing and microstructure control-related
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
市川 裕士 東北大学, 工学研究科, 准教授 (80451540)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 潔洋 公立諏訪東京理科大学, 工学部, 助教 (10778210)
齋藤 宏輝 東北大学, 工学研究科, 助教 (20869648)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
|
Keywords | 固相粒子接合 / 微視組織形成 / 超高速変形 / 電子顕微鏡 / シミュレーション / コールドスプレー / ナノインデンテーション / LIPIT / 粒子圧縮 / 接合 |
Outline of Research at the Start |
微粒子を超音速流で加速させ基材へ衝突させるとその粒子は大きく変形し対象物と接合することが知られています.固相粒子接合と呼ばれるこの技術の本質は外力によって物体が形を変える「力学」と,その状態を変化させる「化学」の二つの現象が,極めて短い時間に,極めて小さなスケールで相互作用した結果と考えることができます.本研究では実験と解析の両面からその複雑な現象の学術的原理を理解し,実際の材料プロセスに応用することを目指します.
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,超微小材料の超高速変形と力学挙動を理解し,そこで生じる物理化学現象を活用した変形と結合の連鎖反応を確立することを目指している.特に,実験技術を積極的に活用し,現象を可視化することを重視している.今年度は,種々の大きさとひずみ速度で物体を衝突,変形,接合させる3種類の実験を重点的に実施した. 1.これまでの球体衝突試験機では,最小径1 mmの球体を高速で衝突させることが可能であったが,今年度は装置を改良し,さらに小さい直径0.3 mmの球体での実験が可能である.これにより,従来よりも高いひずみ速度での実験が可能となった. 2.In-SEMナノインデンテーション装置を用いた微粒子圧縮試験では,直径5から20マイクロメートルの微粒子に対して,準静的なひずみ速度から衝撃荷重による高いひずみ速度での実験が可能となった.大きさの異なる微粒子に衝撃荷重による微粒子圧縮試験を行うと,従来の準静的な試験とは異なる特異な力学挙動を示すことが明らかになった.また,ナノインデンターでは圧縮負荷中も粒子の変形に伴う力学応答を直接計測できるため,材料の変形と力学状態の関係を直接把握できる.これは球体や微粒子を単独で衝突させる実験方式では観測できないものである.これにより,変形中に生じるエネルギーの消費を直接議論できる可能性が示された.衝撃荷重による微粒子圧縮試験は,これまで成功例が少ない実験であり,これらの成果については,2024年4月に開催される国際溶射会議 2024 で発表する予定である. 3.LIPIT(Laser-induced projectile impact test)によって高速衝突・接合させた金属微粒子の接合界面および内部組織構造について評価を実施した.得られた詳細な知見については,次年度以降に論文として公表する予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、実験による可視化を重視している.そのため,これまでにない新しい実験技術の確立が不可欠である.今年度は,対象物の大きさと速度範囲の異なる3つの実験を中心に研究を進めたが,いずれの実験技術でも問題なく実験が行える見通しが立った.特に,ナノインデンテーション装置を用いた衝撃微粒子圧縮試験では,衝撃荷重を用いることで実験ができない可能性があったが,今年度のトライアルにより,正確で再現性の高い試験が可能になった.いずれの実験でも技術的な課題が克服されたため,今後の展望は明るいと考えている.
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の取り組みにより,対象物の大きさとひずみ速度を幅広く制御した球体・微粒子の衝突変形実験が可能となった.次年度以降は,これらの実験を通じて,複雑な物理化学現象の理解を深めていく予定である.特に,大きさとひずみ速度の幅広い変化を与えることができるということは,系に与えるエネルギーを多様に変化させることを意味している.この現象を理解するためには,系全体がもつエネルギーが変形と接合にどのように利用するかを理解することが重要である.これまで確立した実験技術によりこれらの議論に必要な実験データを取得できる見通しが立ったので,多様な実験事実を元に,これらの現象をシンプルなモデルで説明することを目指す.
|