Al合金の単結晶・超微細粒材金属3Dプリントのための1億K/s高速溶融凝固の科学
Project/Area Number |
23K26422
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Project/Area Number (Other) |
23H01729 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26050:Material processing and microstructure control-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥川 将行 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (70847160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 雄一郎 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (10322174)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,100,000 (Direct Cost: ¥7,000,000、Indirect Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | Al共晶合金 / 金属 3D プリント / 組織制御 / Al-Si共晶合金 / 金属3Dプリント / 粉末床溶融結合 / 数値熱流体力学計算 / 分子動力学計算 / 高速昇温 |
Outline of Research at the Start |
金属3Dプリントでは,形状設計自由度の高さに加えて,ビーム出力やビーム走査速度などのプロセス条件の制御による材料組織の制御も可能である.しかしながら,現状では組織制御の可能範囲は広くなく,単一材料では単結晶組織と超微細粒組織が両立できていない.本研究では,溶融条件も含めた新規組織制御ストラテジー実用化の際に重要となる学理構築を目的として,金属3Dプリントプロセスにおける結晶化の原子レベルでの本質的な解明を行い,それを人為的に制御する方法を確立・体系化しつつ,単結晶化と超微細粒化が容易に制御可能な金属3Dプリント用の新規Al合金の開発を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,金属3Dプリント(3DP)での高速昇温を利用した組織制御ストラテジーの実用化の際に重要となる学理構築を目的として,金属3DPプロセスでの結晶化の原子レベルでの本質的な解明を行い,それを人為的に制御する方法を確立・体系化しつつ,単結晶化と超微細粒化が容易に制御可能な金属3DP用の新規Al合金を開発することを目的とする. 2023年度には、まず、金属3DPにて一般的に用いられるAl-Si合金への金属3DP用レーザービーム照射時の溶融・凝固条件の推定を行った。金属3DP装置を用いてバルク材に対してレーザー照射実験を行った。そして、その溶融断面した形状が合うように,数値熱流体力学(CtFD)シミュレーションを行い、組織形成に重要な固液界面における温度勾配および固液界面の移動速度を推定した.Al-Si合金では,温度勾配はステンレス鋼と同程度である一方で,100倍程度大きな界面移動速度で冷却凝固が起こることが明らかとなった.さらに、その溶融時は、凝固時と比べておよそ大きな10倍程度の温度勾配で相変態が生じていた。Al-Si共晶合金の金属3DPを、推定した溶融・凝固条件の空間分布を踏まえてビーム出力や走査速度などのプロセス条件を制御して行ったところ、柱状組織や等軸組織を持った造形体を得られることができた。これらの組織形態は、CtFD計算によって得られる溶融・凝固条件とフェーズフィールド組織形成シミュレーションから説明可能であることが示唆された。また、分子動力学シミュレーションによって原子レベルでの結晶化の素過程を調べたところ、高速昇温によって残存した非平衡なSi結晶の不均一核生成能は、金属3DPにおける微細化剤として有望なAl3Zr結晶と同程度であることが示唆された。金属3DPプロセスでの高速昇温も考慮することで、金属3DPならではの合金設計の可能性が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、当初に計画していたAl-Si共晶合金のバルク材に対してレーザービーム照射を行い、その実験と整合した数値熱流体力学(CtFD)計算も行うことで,溶融条件や最高到達温度,溶融時間,凝固条件などとプロセス条件の関係を調べた.また,金属3DP装置を用いてAl-Si共晶合金の造形を行い,ビーム出力や走査速度などのプロセス条件と形成組織の関係を調べた.さらには、溶融・凝固過程の原子レベルでの素過程を解析するために、分子動力学シミュレーションを行った。また、溶融・凝固のその場透過電子顕微鏡観察のための予備実験を行うことができた。さらには、新規Al合金設計のための熱力学計算も進めている。したがって,研究全体としては、当初計画に準じておおむね順調に研究が進展しているものと自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、単結晶化と超微細粒化が容易に制御可能な金属3DP用の新規Al合金設計を進める。熱力学計算を中心に合金組成を選定し、金属3DP装置を用いたレーザー照射実験とCtFDシミュレーションから溶融・凝固条件を推定し、フェーズフィールド組織形成シミュレーション結果も踏まえて、形成組織の予測を行う。また、溶融・凝固のその場観察も行い、溶融・凝固過程を調べる。さらには、分子動力学シミュレーションによる原子レベルの溶融・凝固の素過程の解析を進め、種々の元素の組み合わせと固液界面での原子配列の関係を調べ、高速昇温プロセスを利用した結晶化挙動制御のための知見の体系化を目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)