Project/Area Number |
23K26430
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Project/Area Number (Other) |
23H01737 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26060:Metals production and resources production-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
夏井 俊悟 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (70706879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
助永 壮平 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (20432859)
安田 幸司 京都大学, 工学研究科, 特定准教授 (20533665)
植田 滋 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (80359497)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,880,000 (Direct Cost: ¥7,600,000、Indirect Cost: ¥2,280,000)
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Keywords | 高温融体界面 / 電位・電流応答 / 動力学解析 / 電気化学インピーダンス測定 / 反応性流体 / 界面移動 |
Outline of Research at the Start |
高温の溶融金属と溶融塩化物あるいは溶融酸化物(スラグ)界面において、その電位を制御することにより、反応が駆動する流れの定量的記述・理解を深めることを目標とします。電気化学インピーダンス分光法で二融体界面の電気化学的特性を測定し、電気毛管曲線理論解析を適用して特定の反応進行に応じた界面物性を明らかにします。一方で、この過程における不均一性の原理的追跡を目的に、電気化学反応によって駆動する界面張力変化を原子レベルの微視的な界面の応力として動力学シミュレーションで求めます。実験・計算両アプローチを相補活用し、界面の応力とそれに駆動される流れを記述して当該現象の工学的記述の解像度向上を試みます。
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Outline of Annual Research Achievements |
溶融鉄(メタル)-溶融酸化物(スラグ)の二融体界面反応を電位制御によって駆動させ、その過渡的過程の不均一性を解明するために具体化した4つの課題について取り組み、以下の通り一定の成果を得た。 (1)1823 K炭素含有メタル-スラグ(FeO+SCA)系における電気化学交流インピーダンス法の適用のために、メタル相へのリードとしてジルコニア系高温導電体を利用し、またスラグにモリブデン電極を2本浸漬して、比較的安定に3電極による測定を可能とした。 (2)正弦波電位・電流変調から各周波数のインピーダンスを測定するために、FRAボード搭載の電位制御システムを確立した。現在、等価回路の物理的妥当性検証は先行研究の域を出ないが、抵抗補正した微分静電容量から二重積分によって電気毛管曲線を求めるに至った。 (3)反応駆動するメタル-スラグ界面の流体力学的挙動のマクロスコピックな解析法への実験知見の反映については大きな進展はなかったが、石英セル等で直接観察可能な比較的低温の溶融塩系でのモデル解析を随時進展している。 (4)第一原理分子動力学計算によりメタル-スラグ系界面を作成し、その界面を通って各元素が溶出する過程について、界面中で当該原子の界面垂直方向の座標を拘束してエネルギープロファイルを求めた。Fe溶解については、スラグ中でメタル中よりエネルギーが高いがエネルギー極大の活性化状態は見えないことがわかった。 以上、対象とする高温系について試行的に実験・解析を進め、目標の知見を収集できる段階に至りつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示したとおり研究計画調書に記載した通りの研究実施を行い、初年度としては十分な成果を上げたため。
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Strategy for Future Research Activity |
実験的な課題として安定に純鉄-スラグ界面を測定するために1873 K以上のより高温で測定可能な電気化学セルを作成する必要があり、実験設備の解像に着手する。その上で電気化学インピーダンス法を適用して、メタル中炭素濃度や銅濃度、スラグ中FeO濃度を変化させたときの界面物性への影響調査を進展する予定である。また、MD計算においてメタル-スラグ界面でのエネルギープロファイルから、Feおよび不純物として添加した希薄Cuの両方ともスラグ中でメタル中よりエネルギーが高いこと(~1.7 eV)は予想通りであったが、両方ともエネルギー極大の活性化状態は見えなかったこと、Cuでは界面の合金側で安定な領域が広いことは意外であった。この知見を利用すれば工学的にも意義のあるプロセスに発展できる可能性があると見込んでおり、より研究の焦点を当てることにした。この計算結果と分極時の元素の挙動を比較して検討出来るように、メタル-スラグ界面系における界面電荷の界面容量や局所構造への影響について焦点を当てた考察を行っていく。
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