Project/Area Number |
23K26434
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Project/Area Number (Other) |
23H01741 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26060:Metals production and resources production-related
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
成田 弘一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究チーム長 (60357689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元川 竜平 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究主幹 (50414579)
阿久津 和宏 一般財団法人総合科学研究機構, 中性子科学センター, 副主任技師 (60637297)
鈴木 智也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (80748624)
上田 祐生 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究職 (80806638)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
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Keywords | レアアース / 溶媒抽出 / 構造解析 / 小角散乱 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、金属の液-液抽出において最難関技術である、原子番号の隣接したレアアースの相互分離を高効率で達成するために、微細なイオンサイズの差異を認識可能な抽出剤の探索を金属錯体の有機相中の高次構造や有機相-水相界面構造解析に基づき行い、その分離メカニズムを明らかにすることで、有用な抽出分離系を提案することである。既存の熱力学的アプローチや金属イオン周辺の構造解析では、液-液抽出における明確なサイズ認識発現のメカニズムを得られていないが、本提案では中性子小角散乱法と中性子反射率法による構造解析を駆使することで、相互分離を生み出す新たなポイントを探求する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ジ-2-エチルヘキシルリン酸(D2EHPA)及び2-エチルヘキシルホスホン酸モノ-2-エチルヘキシルエステル(EHEHPA)を抽出剤として用い、希釈剤にオクタン、オクタノール及びオクタン-オクタノールの混合比を変化させた有機溶媒を用いてレアアースイオンの抽出試験を行った。尚、D2EHPA系においてはオクタン存在下での抽出後、界面に白濁が確認された。オクタン-オクタノール系溶媒(100:0、90:10、50:50、0:100 vol%)において、オクタノール濃度が増加すると、3価ランタノイドイオンの抽出率は大きく減少した。また、次年度以降の準備として、有機相の物理パラメーター測定のための装置等のセットアップを完了した。 構造解析に関しては、上記の有機相の条件においてジスプロシウムを抽出したサンプルについて、Dy L3吸収端の広域X線吸収微細構造(EXAFS)スペクトルの測定を行った。EXAFS振動はいずれの抽出錯体も同様であり、ジスプロシウムイオンの周辺構造がオクタノール濃度に依存しないことが示唆された。ジスプロシウム抽出錯体に関するEXAFSのフーリエ変換図において、ジスプロシウムイオンの第一配位圏の元素に由来する第1ピークに加え、抽出剤のリン元素に由来すると考えられる第2ピークが生じていた。これは、P-O基の酸素原子が直接ジスプロシウムに配位していることを示している。抽出錯体に関する第1ピークの位置は、水相中のジスプロシウムのそれよりも内側に現れており、抽出によりジスプロシウムイオンの配位数が減少したことが推測される。その他、次年度以降の中性子実験に向けた、重水素化試料の作成及び中性子反射率実験用の溶液セルの調整等を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、予定していたアルカン系希釈剤へのアルコール添加によるレアアース抽出率及びレアアース抽出錯体の内圏構造の影響といった基本的な知見を得ることができた。また、次年度以降に予定している、物理パラメーター測定や中性子実験などに関するサンプルや測定容器等の準備も行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
溶媒抽出試験では、今年度に開始したジ-2-エチルヘキシルリン酸(D2EHPA)及び2-エチルヘキシルホスホン酸モノ-2-エチルヘキシルエステル(EHEHPA)による3価レアアースの溶媒抽出における希釈剤の影響について、より多くの条件下でのデータを収集するとともに、抽出平衡の変化を調べる。また、有機相の界面張力、水分量、比誘電率といった物理的パラメーターの測定を実施する。 金属抽出錯体の構造解析については、今年度内圏構造を中心に調べたことから、次年度からは、有機相-水相の二相間界面構造及び抽出有機相中の会合の調査を開始する。同時に、計算科学的手法による解析も行い、抽出錯体形成や高次構造形成に関わる基礎的な反応パラメータを取得し、抽出錯体の内圏・外圏特性を明確にする。
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