Project/Area Number |
23K26443
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Project/Area Number (Other) |
23H01750 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 27020:Chemical reaction and process system engineering-related
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
鷺坂 将伸 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (60374815)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 二酸化炭素 / 原油増進回収 / 泡 / 分子集合体 / ヤヌス粒子 / 界面活性剤 / 粘度 / 粒子 |
Outline of Research at the Start |
CO2圧入原油増進回収の効率化には,利用する超臨界CO2の増粘が必要であり,その手段として泡(C-foam)や紐状会合体(C-TA)の利用がある。一方でそれらは,CO2と水の分離を抑制し,CO2の地下貯留を安定化させ、地球温暖化の抑制にもつながる。そこで本研究は,油田の高塩濃度環境や原油増進回収で併用される化学物質存在下でも機能する低コスト・低環境負荷のC-foam安定化ヤヌスナノ粒子とC-TA形成分子の開発を行う。本研究は,コロイド形成や界面活性発現に非常に困難な環境をターゲットとした未開拓のコロイド界面化学領域を開拓し,それにより地球規模の課題「CO2削減」と「化石資源の延命」の解決の一助となる研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
CO2圧入原油増進回収(CO2-EOR)の効率化には,利用する超臨界CO2の増粘が必要であり,その手段として泡(C-foam)や紐状会合体(C-TA)の利用がある。一方でそれらは,CO2と水の分離を抑制し,CO2の地下貯留(CCUS)を安定化させる。しかし,残念ながら実用的なC-foamおよびC-TAを形成する物質は開発されていない。そこで本研究は,油田の高塩濃度環境やCO2-EORで併用されるメタノール,窒素混合条件下でも機能する低コスト・低環境負荷のC-foam安定化ヤヌスナノ粒子とC-TA形成分子の開発を行う。2023年度は,[1]C-foam界面を利用したCO2親和性ヤヌス粒子の調製法の確立とともに,[2]C-TA形成分子の構造最適化を行った。[1]では,直径数nmのシリカナノ粒子を含む水分散液,表面修飾に利用するTMS基を持つアルコール(CH3)3Si(CH2)xOH,フェニルメトキシシラン,テトラアルコキシシラン,ノニオン性親水基となるシランカップリング剤,そして触媒として塩酸を高圧容器に加え,ScCO2とともに撹拌し,C-foamの形成後,一定時間反応を行った。下層水を排出し,C-foamのみをセルに残し,CO2排出後,残ったヤヌスシリカ粒子を回収し,界面活性効果,乳化能力や撥水処理能力などの物性を評価した。[2]では,過去にC-TA形成に成功したTMS基を持つ両親媒性分子TMS2EO2Mの構造を基礎とし,TMS基数,疎CO2性基や連結基の構造を様々変えたC-TA形成分子を合成し,種々の濃度のC-TA形成分子/ScCO2溶液を調製し,粘度測定とSANS測定・ナノ構造解析を行った。まだ1年目となる今年度の研究成果だけでは,目標となる確かな増粘効果を発揮するC-foamおよびC-TAの発現は達成できていないが,達成できた場合には,コロイド形成や界面活性発現に非常に困難な環境をターゲットとした未開拓のコロイド界面化学領域を開拓し,それにより地球規模の課題「CO2削減」と「化石資源の延命」の解決の一助となる重要な研究となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
明確な大きな増粘効果は得られていないが、少しずつ分子設計や実験条件の最適化がすすめられており、効果も見え始めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後のヤヌス粒子の調製では、ヤヌス構造をより明確に構築するために、利用する原料(シランカップリング剤およびTMS基含有化合物)の超臨界CO2中への溶解条件や反応開始のタイミングを最適化し、実験を進めていく。紐状会合体の形成については、両親倍性分子の分子集合体のパッキングのしやすさを念頭に、疎水基周囲の体積を大きくなりすぎないように制御することを考え、分子設計・開発を行う。
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