Project/Area Number |
23K26446
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Project/Area Number (Other) |
23H01753 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 27020:Chemical reaction and process system engineering-related
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
白井 孝 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30571426)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,060,000 (Direct Cost: ¥6,200,000、Indirect Cost: ¥1,860,000)
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Keywords | マイクロ波合成 / 可視光応答型光触媒 / 金属酸化物 / 熱的非平衡反応場 / 光触媒 / マイクロ波磁場加熱 / 可視光応答 / 酸素欠損 / 表面化学 / 新規機能性材料 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、マイクロ波(MW)磁場照射により誘起される特異反応場を利用した金属の局所酸化反応により、粒子表面に欠陥種(低価数イオンおよび酸素欠陥)を選択的に導入させた高効率可視光応答型光触媒の合成と、MW磁場照射下における金属微粒子表面の酸化物生成メカニズムを解明することを目的とする。MW照射による電磁エネルギー付与という外部刺激により形成される表面特異反応場と熱的非平衡反応場の融合による新規反応プロセスの構築することにより、SDGsに対応する様々な環境/エネルギー問題に資する新規機能性材料創製と新規反応プロセスの提案へと繋げることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ターゲット試料として金属Ti粒子を用い、雰囲気制御されたマイクロ波磁場加熱下における特異反応場で合成された酸素欠損型TiO2(TiO2-x)の物性(酸化物構造、バンド構造、表面状態等)評価及びその特性(光触媒活性)評価を行った。 光触媒活性向上のため反応面積を大きくする必要があるため、往復振動ミル機構を用いた粉砕処理槽の試作を行った。金属Tiをターゲット試料とした場合、振動によるミリングでは比表面積を上げることは難しいと分かったため、MW照射時の雰囲気制御を容易にするシステム変更を行うことで、MW装置外にて微粒化処理を行った試料に対してMW照射を行い、光触媒として良好な酸化物の合成に成功した。また光触媒材料として有力なタングステン系材料やモリブデン系材料に対するMW反応場の酸化物創成の有効性について確認し、可視光応答型のWO3及びMoO2光触媒の合成に成功した。 物質の誘電率や透磁率は温度依存で変化するため、空洞共振器の長さが固定されている状態では同時に共振周波数も温度依存で変化することとなる。そのため共振周波数が加熱中に変化し、安定した加熱ができなくなる。再現性のあるMW磁場加熱を実現するために、マイクロ波システムの最適化が必要である。そこで、ベクトルネットワークアナライザー(VNA)をマイクロ波信号源とし、信号増幅器(AR および減衰器)、サーキュレーターを組み合わせたMW照射システムを構築した。本システムを用いることで、VNA により周波数をワイドレンジで掃印 しながら 共振周波数の変化を検知し自動追跡することができ、物質の化学状態が変化しても共振状態を維持できるため、常に最大効率でマイクロ波を負荷部に伝送することが可能となった。また、試料の温度変化に合わせて自動で増幅器のGAIN値をPID制御することで、任意の 温度プログラムに応じて試料温度を自動制御可能となったため、今後の精密なMW合成条件の策定が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
MW照射時における試料の微粒化を目的とした振動式ミルのシステム化は困難ということが分かったが、代替措置として、MW照射時における雰囲気制御システムを改良することにより、MW装置外での微粒化処理が可能になったことで、当初の研究計画を変更することなく、順調に進展していると考えている。また計画立案の際には予定になかった他の可視光応答型の酸化物触媒の合成にも着手し、良い成果創出につながっていることから、現在の進捗状況としては、当初の計画以上に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はMW磁場加熱による可視光応答型光触媒材料の合成を行ったが、今後は当初の予定通り、得られた試料の粒子構造の制御、バンド構造の寄与、表面状態の寄与について、各種評価装置を駆使し、得られた光触媒材料の物性、化学構造、光触媒特性の優位性、特異性について、一般的な光触媒材料とに比較を行いながら議論していく。また本年度得られたその他の材料種に対するMW磁場加熱特性とその優位性についても検討を行っていく。
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