Function and structure of interfacial water
Project/Area Number |
23K26499
|
Project/Area Number (Other) |
23H01806 (2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 28030:Nanomaterials-related
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 修 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (60253051)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 慈久 東京大学, 物性研究所, 教授 (70333317)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
|
Keywords | 軟X線分光法 / 密度汎関数法 / 生体高分子膜 / 電子状態計算 / 軟X線分光 |
Outline of Research at the Start |
気体や固体の界面における水は、特異な水素結合形態をとることにより材料の機能に影響を及ぼすと考えられているが、界面の水の水素結合形態を明らかにする決定的な手法が確立していない。そこで溶液の放射光軟X線分光実験と第一原理理論計算による理論モデルを融合させた独自のアプローチにより、気液界面・固液界面の混在するモデル系として水を含む高分子膜表面に着目し、水および生体高分子の双方が織りなす局所構造が気体分子の透過性能に果たす役割を解明することを目的とする。本研究で得られる技術および成果により「材料の多様な機能に果たす水の水素結合構造の役割」という究極的な問いに答えることができる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
気体や固体の界面における水は、特異な水素結合形態をとることにより材料の機能に影響を及ぼすと考えられているが、界面の水の水素結合形態を明らかにする決定的な手法が確立していない。そこで溶液の放射光軟X線分光実験と第一原理理論計算による理論モデルを融合させた独自のアプローチにより、気液界面・固液界面の混在するモデル系として水を含む高分子膜表面に着目し、水および生体高分子の双方が織りなす局所構造が気体分子の透過性能に果たす役割を解明することを目的とする。本研究で得られる技術および成果により「材料の多様な機能に果たす水の水素結合構造の役割」という究極的な問いに答えることができる。 本研究は、PB膜の含水状態に対し、X線吸収分光法(XAS)と共鳴非弾性X線散乱(RIXS)の実験と計算によってPB膜中の溶媒(水)及び溶質(酸素)の構造をモデル化する。純水の分析で培った経験をもとに水中の溶存酸素周辺の局所構造を解析することにより、凝縮相の水および生体高分子膜、溶存酸素の双方が織りなす、ミクロに不均一な局所構造が生体高分子膜の機能に果たす役割を解明することを目的とする。 初年度は次年度以降に用いるRIXS理論計算手法の改良を行った。ストックホルム大学ペターセン教授のグループより報告された半古典論近似に基づくRIXS理論計算手法(SCKH法)に以下の改良を加え、計算スペクトルの精度向上を図った。我々の計算スキームでは非常に多くの電子状態が近接し、数十fsのMD計算による構造緩和の間においてもエネルギー準位の入れ替わりが頻繁に起こる。我々は遺伝的アルゴリズム(GA)による電子状態のもつれをほどく新規コードを開発し、ポテンシャル曲線、遷移強度曲線をなめらかに接続させることに成功した。本手法を共鳴励起状態に対するSCKH法にも適用できるようコードを拡張した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載したRIXS理論計算手法の改良はほぼ終了し、応用研究を行う準備が整った。現在進行中の研究テーマを述べる。ナノ水滴の構造研究について、分子動力学法を用いてモデル作成を行い、四面体度のような局所構造因子を用いて高密度液体(HDL)、低密度液体(LDL)状態を特定することに成功した。現在論文執筆中である。またマロン酸、コハク酸のようなジカルボン酸水溶液に対しRIXS計算を行い、スペクトル挙動の再現に成功した。現在詳細な構造解析を行っている。さらに申請書にはなかった新たな計算手法の開発として、Slaterの遷移状態理論に基づく実用的なRIXS理論計算手法を提案した。単純なKoopmans理論に基づく見積もりとは異なり、各状態のエネルギーの精度向上を行うことができた。なにより今までは計算スペクトル構築後にスペクトル全体を実験スペクトルに合わせるためにシフトさせて調整していたが、今回の手法により不要になった。
|
Strategy for Future Research Activity |
上の研究テーマについてR6年度中に完成させ、論文発表できるように仕上げていく。またR6年度より応用研究に着手する。具体的には、NaCl, MgSO4水溶液の塩周辺の水和構造を分子動力学法によりモデル化し、RIXS計算を行う。高分子液晶膜のRIXS計算と比較し、膜構造、塩の水和構造との関係について明らかにしていく。エタノール水溶液の水和構造研究を昨年度行い、現在論文執筆中である。アルキル鎖の短いメタノールの水和構造は興味深い。エタノール水溶液と同様の手法を用い、RIXS計算によりアルコールの水和構造の一般性を明らかにしていく。他の有機物の水和構造について、3-メチルピリジンの水和構造についてRIXS研究の報告がある。こちらの系に対しRIXS計算を行い、水和構造を明らかにしていく。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)