Project/Area Number |
23K26505
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Project/Area Number (Other) |
23H01812 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 28030:Nanomaterials-related
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
劉 崢 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 上級主任研究員 (80333904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤井 智子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 副研究部門長 (00356338)
中村 仁美 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究員 (00549876)
宮本 良之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 招聘研究員 (70500784)
Lin YungChang 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (90772244)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥12,610,000 (Direct Cost: ¥9,700,000、Indirect Cost: ¥2,910,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
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Keywords | YAGCe結晶 / 透過電子顕微鏡 / 構造解析 / YAG:Ce / TEM/STEM / EELS / 第一原理 / YAG結晶 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、「加熱その場電子顕微鏡観察による橙~赤色の長波長を発光するYAG:Ce結晶における発光イオンの空間偏在分布の生成メカニズムの理解」と、「第一原理計算を用いた発光特性制御に関わる構造パラメータの解明」により、蛍光体材料の新規機能設計指針の獲得を目指す。 このため、①YAG:Ce結晶生成過程における構造変化、②発光特性の支配因子、③組成・ナノ構造制御による高量子効率化、の3つの主課題に焦点を当てて研究を遂行する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度には、YAG:Ce結晶生成過程中にCe偏在の生成プロセスを解明するため、透過電子顕微鏡の真空中で、25°Cから1200°Cまでの範囲でYAG:Ce前駆体の結晶構造変化をその場TEM/STEM観察を行い、均一に非晶質のY-Al;Al酸化物マトリックスに溶解する現象を初めて観察し、論文を発表した。また、この橙赤色の発光を示すYAG:Ce蛍光体の結晶中の各元素の分布に、前駆体作製時の熱処理工程が及ぼす影響について、異なる合成方法のサンプルのCe分布をEDSで直接観察し、YAG結晶の前駆体合成熱処理条件の違いによってドーパントの結晶内へのドープ可能量が変化する可能性を見出し、学会で発表した。さらに、複数のCe置換量のYAG:Ce結晶に対して高エネルギー分解能EELS分析を行い、異なるCe置換量に対応する異なるEELS吸収ピークを確認した。第一原理計算により、Y原子一個をCe原子で置換した単位胞の構造と、Y原子5個をCe原子で置換した構造を比較し、格子定数には有意な変化がないことを確認した。5個置換する方法は複数あり、乱数生成で3つの構造を抽出した。そのうち最も安定な構造ではCe同士の距離が短くなる傾向があり、赤方遷移の値はおよそ0.3~0.5 eVの範囲と推定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、YAG:Ce結晶のCeナノ偏在に関する研究は順調に進んでいる。研究チームは協力し合い、実験と理論の両面から研究を深め、様々な構造・物性評価を行い、得られた研究成果を論文として発表した。計画はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、引き続きYAG:Ce結晶のCeナノ偏在の生成プロセスの解明、発光波長の制御につながる構造パラメータを明らかにすることを中心に研究を進める。具体的には、異なるCe置換量を持つYAG:Ce前駆体を実環境(還元ガス雰囲気)中で加熱し、その場でのTEM/STEMによるYAG:Ce結晶成長に伴うCeの化学状態の変化や、空間的なナノメートル単位のCeの偏在を観察する。また、異なるCe置換量のYAG:Ce結晶において高エネルギー分解能EELS分析結果から光物性との関連性を明らかにする。さらに、Ce原子がより偏った構造の第一原理計算を行い、特に、光励起した電子準位が低エネルギーへシフト(赤方偏移)する量が、低濃度ドープの場合、あるいは一様にドープされた場合と比較して大きくなるかどうかを検証する。組成・ナノ構造制御による高量子効率化を目指し、前駆体生成条件を調整し、Ce置換量の異なるYAG:Ce結晶の合成・蛍光測定を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)