Project/Area Number |
23K26515
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Project/Area Number (Other) |
23H01822 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 28050:Nano/micro-systems-related
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
庄司 観 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (80788258)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
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Keywords | 人工細胞膜 / ナノポア / 走査型プローブ顕微鏡 / DNAナノ構造体 / 細胞分泌 / 走査型イオンコンダクタンス顕微鏡 / ナノポアセンシング / ナノピペット |
Outline of Research at the Start |
細胞分泌物質は、細胞間情報伝達機能を有し、細胞のふるまいを決める重要な要素である。そのため、細胞分泌物質のリアルタイム計測技術は、細胞生物学、創薬化学の分野におけるゲームチェンジングテクノロジーとなり得る。しかしながら、従来手法では、蛍光標識の必要性や時間経過による感度低下などの課題が存在した。そこで本研究では、非標識・高空間分解能・高感度な細胞分泌物質計測システムの構築を目指し、プローブ型人工細胞膜システムを用いた“走査型プローブ顕微鏡”を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、細胞分泌物質の三次元マッピングを目指し、人工細胞膜を用いたナノポアセンサとガラスナノピペットを用いた走査型イオンコンダクタンス顕微鏡を組み合わせた走査型プローブ顕微鏡の開発を目指している。本走査型プローブ顕微鏡は、2本のガラスピペットが束になったダブルバレルピペットを用いて、片側のバレルのみに人工細胞膜を形成したダブルバレル型ナノポアプローブを使用する。本年度は、上記ダブルバレル型ナノポアプローブの開発およびナノポアプローブ位置制御システムの構築を実施した。 1. ダブルバレル型ナノポアプローブの開発:ダブルバレルプローブの両側のバレルにアガロースゲルを充填し、脂質溶液と水溶液が層となった浴溶液にプローブを挿入することで両方のバレルに人工細胞膜を形成した。その後、片側のバレルのみにパルス電圧を印加することで人工細胞膜を破壊し、ダブルバレル型ナノポアプローブを構築した。また、ナノポアプローブを用いてアプローチカーブの取得実験およびポア形成膜タンパク質を再構築した人工細胞膜による分子検出実験を実施し、ダブルバレル型ナノポアプローブの性能評価を実施した。その結果、シングルバレルのピペットを使用した実験と同様のアプローチカーブおよび分子検出性能を確認することができ、ダブルバレル型ナノポアプローブを用いた走査型プローブ顕微鏡開発の可能性が示された。 2. ナノポアプローブ位置制御システムの構築:本走査型プローブ顕微鏡では、人工細胞膜へのポア形成膜タンパク質再構築や人工細胞膜の割れを自動的に検出しプローブ位置を制御する必要がある。そこで、ピペットを流れるイオン電流値から上記状態を認識しプローブのz位置を制御するプログラムをLabViewで構築した。その結果、膜割れやポア数の増加を認識人工細胞膜を自動的に再形成することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ダブルバレルピペットの片側にのみ人工細胞膜を形成したダブルバレル型ナノポアプローブの開発に成功し、アプローチカーブ取得実験および分子検出実験を通して本プローブの性能評価を実施した。さらに、人工細胞膜の割れやポア形成膜タンパク質の再構築数を検出してプローブのz位置を制御するプローブ位置制御プログラムの構築に成功している。以上の結果は、本研究の目標である人工細胞膜を用いたナノポアセンサとガラスナノピペットを用いた走査型イオンコンダクタンス顕微鏡を組み合わせた走査型プローブ顕微鏡の開発の可能性を示唆する結果であり、当初の予定通りの成果を挙げている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、ダブルバレル型ナノポアプローブの開発に成功したので、来年度は本プローブを用いた走査型プローブ顕微鏡の構築を試みる。標準試料の表面形状測定とマイクロ流体デバイスにより構築した分子濃度勾配の計測を実施し、本走査型プローブ顕微鏡による化学物質の3次元イメージングのデモンストレーションを実施する。さらに、選択的な分子検出の実現を目指し、アプタマーとDNAナノポア構造体を組み合わせた分子応答型DNAナノポアの開発を試みる。本ナノポアの分子応答性評価およびダブルバレルピペットを用いたDNAナノポアのイオン電流計測実験を通して、走査型プローブ顕微鏡への応用可能性を検証する。
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