非平衡プラズマ結晶成長技術による超高耐圧窒化アルミニウム系半導体電子素子の創製
Project/Area Number |
23K26557
|
Project/Area Number (Other) |
23H01864 (2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 30010:Crystal engineering-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上野 耕平 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (90741223)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥13,390,000 (Direct Cost: ¥10,300,000、Indirect Cost: ¥3,090,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,060,000 (Direct Cost: ¥6,200,000、Indirect Cost: ¥1,860,000)
|
Keywords | 窒化アルミニウム / スパッタリング / パワーデバイス / 結晶成長 / トランジスタ / ダイオード |
Outline of Research at the Start |
本研究では、申請者らが独自に開発してきた非平衡プラズマ結晶成長プロセスを用いて窒化アルミニウム(AlN)系半導体から構成される超高耐圧・高出力エレクトロニクスの創製を狙う。具体的には、パルススパッタ堆積(PSD)法を用いて高濃度縮退n型AlGaN層を電子注入層、AlN/AlGaNマルチチャネル層を電子伝導層とする新規デバイス構造を開発し、低オン抵抗・超高耐圧を両立するAlN系半導体のユニポーラーリミットの性能をもつパワーエレクトロニクスの実現を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
AlN系半導体のようなバンドギャップの大きな材料ではドーピングによる伝導性制御が難しく、素子の低オン抵抗化が課題となる。本研究では、①AlN/AlGaN多層構造に形成するマルチチャネル2次元電子ガス(2DEG)電子伝導層と②高濃度縮退n型AlGaN低抵抗電子注入層開発の2つのアプロ―チからオン抵抗の低減を図る。これをもとに横型ショットキーバリアダイオードやTri gate構造をもつトランジスタのような超高耐圧・低オン抵抗素子の動作実証を目指す。 初年度ではパルススパッタ堆積(PSD)法を用いてAlN/AlGaNマルチチャネル構造の結晶成長実験に注力し、低抵抗かつ高耐圧の電子伝導層の開発を実施した。1次元デバイスシミュレーションを用いたマルチチャネル構造の最適化を行い、結晶成長実験の指針を得た。結晶成長実験には、コンピュータ制御されたパルススパッタ原料供給を用いて原子層レベルで膜厚制御された多層構造を作製可能なシステムを構築し、安定に再現性良く結晶成長実験を実施できる環境を整えた。 これらをもとにAlN/AlGaNマルチチャネル構造を作製し、2次元電子ガス(2DEG)特性を評価した。チャネル数を1から8層まで増加すると、シート電子濃度がチャネル数に比例して増加し、シート抵抗の改善が可能であることを実証した。またAlN/AlGaNマルチチャネル構造の構造特性を評価したところ、マルチチャネル構造は下地AlN基板に面内格子定数を揃えたまま積層されており、貫通転位の導入やクラックの発生を抑制した高品位の結晶成長が実現していることが分かった。 本結果はAlN系窒化物半導体を用いた超高耐圧・低オン抵抗エレクトロニクス構築に必要な要素技術の一つであり、次年度以降につながる成果を得たと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は計画していた結晶成長実験を良好な結果をもって実施できたと考えており、研究は概ね順調に進展していると判断した。特に、AlN/AlGaNマルチチャネル構造の多層化によりシート抵抗の低減が可能であるという本研究の基本コンセプトの一つを実証できたことは、次年度以降の低オン抵抗・超高耐圧エレクトロニクスの開発につながる重要な成果と考えている。さらに、これらの結晶成長実験と並行して、フォトリソグラフィやICPドライエッチング等のデバイスプロセスの基礎工程についても条件出しを進め、マルチチャネル構造特有のプロセス上の課題についても事前検討を行った。以上の結果をもとに、次年度以降はマルチチャネル構造デバイスの動作実証に向けてスムーズに実験に着手できると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度に開発したAlN/AlGaNマルチチャネル結晶成長プロセスの更なる精緻化に取り組み、8層以上の多層チャネルの開発によるシート電子濃度の増大、また積層構造の最適化による電子移動度の向上を目指す。 またAlN/AlGaNマルチチャネル構造を用いた横型ショットキーバリアダイオードやTri-gate構造をもつトランジスタの開発実施する。作製したマルチチャネルデバイスのオン抵抗や絶縁破壊特性を評価し、本素子構造の優位性を実証する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(23 results)