Project/Area Number |
23K26601
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Project/Area Number (Other) |
23H01908 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 31020:Earth resource engineering, Energy sciences-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石塚 師也 京都大学, 工学研究科, 講師 (90756470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 為人 (リンウェイレン) 京都大学, 工学研究科, 教授 (80371714)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,200,000 (Direct Cost: ¥14,000,000、Indirect Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2027: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 熱水システム / 機械学習 / 岩石物性 / 深層学習 / モデリング / 地熱系モデリング / 逆問題 / 弾性波速度 |
Outline of Research at the Start |
地熱資源の有効活用において、地熱系のモデリングとモニタリング技術の発展は重要である。本研究では、機械学習に物理モデルを組み込んだ手法を開発する。このような機械学習を基にした手法は研究実施者らが提案した手法を含め、いくつか提案されているが、従来よりも頑強でなおかつ現実的に起こり得る複雑な現象を予測可能にすることを目指す。また、岩石物性の取得手法を高度化することで、様々な条件下でデータ取得の量や精度の向上を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
物理モデルを考慮した深層学習を用いた地熱系モデリングの有効性を高めるため、境界条件の組み込み方について検討を行った。境界のうち、ディレクレ型の境界条件については、深層学習の損失関数に組み込むのではなく、ネットワークに組み込むことによって、境界条件を全て満たす予測値を得られるように改良を行った。また、境界条件のうち、側面の境界条件については予測値の精度への影響が少ないことを2次元および3次元の数値モデルで検証をした。そのため、限られた領域を対象とする場合は、必ずしも側面の境界条件を設定する必要がないことが分かった。これにより、計算コストが下げられ、詳細に把握することが難しい地下の境界条件の全てを設定せずに地熱系のモデル化ができると考えている。 また、開発した手法を実際の地熱地域のデータに適用するため、温度データの整理と岩石試料の収集を行った。温度データは、対象地域で過去に掘削された坑井の温度データを使用することとした。また、岩石試料は、対象地域における複数の坑井で取得し、物理特性の評価に利用できるようにした。一方、コア試料が残っていない深度区間では、カッティングスを収集した。 加えて、岩石コア試料のX線CT画像から、弾性波速度と熱伝導率を数値計算によって求める手法の高度化と検証を行った。特に弾性波速度の計算においては、従来の方法では、堆積岩のみに適用対象が限られていたものの、複数の造岩鉱物の含有量を統計的に考慮することによって、熊本地域の安山岩にも適用できることを示した。これによって、地熱地域のより多くの岩質を対象として弾性波速度の取得ができる可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、物理モデルを組み込んだ機械学習による地下の熱水システムのモデリングとモニタリングの手法開発および、開発した実際の地熱地域への適用を行っている。また、機械学習の教師データとなる岩石物性のより効果的な取得方法の開発を行っている。これまでの研究においては、開発を進めている手法をより現実的な条件で地熱地域に適用するため、地熱系モデリングで不確実性の大きい地下における境界条件の組み込み方を検討し、より現実的な設定で地熱系モデリングが可能となることを示した。また、実際の地熱地域に適用するため、温度データを保有している機関と共同で、温度データの整理や岩石試料の取得を行った。実際の地熱地域へ開発手法を適用するための準備は着実に進んでいる。 また、岩石物性を取得する方法として、X線CT画像の活用を進めており、計測にコストを要する高解像度のX線CT画像への適用だけでなく、低解像度のX線CT画像へ適用可能とするための検討を行った。また、従来は、造岩鉱物が比較的単純な堆積岩を主な適用対象としていたが、新たに火成岩への適用を行い、熊本安山岩の弾性波速度を良好な精度(誤差5%以内)で推定できることを示した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方策として、実際の地熱地域への適用を進め、開発した手法の有効性と課題を見極めたい。そのため、対象地域で取得した岩石試料の物理的特性や境界条件を評価し、地下構造のモデリングを行う。そこで出てきた課題に対し、順次手法のアップデートを行う。また、モニタリングのために、時間変化するデータを対象にした深層学習手法の開発を進める。これには、RNNやLSTM、Attentionなどの系列データを扱う深層学習手法の応用を検討している。また、X線CT画像を活用した岩石物性の取得については、検討を進めている手法をより多くの岩石試料に適用し、広く有効性を示したい。
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