Project/Area Number |
23K26604
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Project/Area Number (Other) |
23H01911 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 31020:Earth resource engineering, Energy sciences-related
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Research Institution | Kurume National College of Technology |
Principal Investigator |
中武 靖仁 久留米工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (30280481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺坂 宏一 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (00245606)
川原 秀夫 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (80300622)
早川 晃弘 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (90709156)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥19,370,000 (Direct Cost: ¥14,900,000、Indirect Cost: ¥4,470,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥12,870,000 (Direct Cost: ¥9,900,000、Indirect Cost: ¥2,970,000)
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Keywords | ファインバブル / ディーゼル機関 / 燃料消費率 / 有害排気ガス / 燃焼解析 / 内燃機関 / 液体燃料 |
Outline of Research at the Start |
ファインバブルを添加した化石燃料は、燃費性能の改善、NOxや黒煙などの有害排出物の低減効果が確認されている。 これまで、カーボンニュートラル燃料であるバイオ燃料、あるいは液体アンモニアなどへ、ファインバブルが添加された例はない。これまで化石燃料が中心に使用されてきた内燃機関や火力発電の脱炭素化を推進・加速させるためには、ファインバブル燃料の優れた特性である燃焼性能の向上効果をバイオ燃料や液体アンモニアへ適合させる必要がある。 そこで本研究では、燃料油中でファインバブルはどのように生成され、性質を変化させ、輸送に耐え、高燃費で燃焼するのか?を解き明かし、脱炭素社会への過渡期を担う研究開発を遂行する。
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Outline of Annual Research Achievements |
燃料添加ファインバブル(FB)生成システムの設計・開発について、FB生成器の種類は様々な方式のものがあるが、燃料は温度で常温から150℃、流量で0.01から30 L/min、圧力で大気圧から0.8MPa、粘度で1から250 cStまで異なり、燃料物性や燃焼機器の運転条件が大幅な範囲に渡るFB燃料の適切な生成法は確立されていない。そこで、燃料物性(温度、粘度)や装置・操作条件(圧力、流量)の差異によるFB混入の最適化を計った。 燃料中混入FBサイズ分布の計測技術開発について、燃焼機器において、実際にどのようなFBサイズ分布がパイプライン中を流れて行き、最終的に燃焼機器で使用されているかを検討するためには、パイプライン中でのFBをインライン・リアルタイム計測が必須となる。そこで、プローブ式画像解析粒子径・形状分析装置を利用し計測・分析を行った。 FB含有燃料のパイプライン輸送技術開発について、FBを燃料へ添加する場合は、エア噛みによるエンジンの運転停止や不安定燃焼のみならず、不適切なFBを混入させると、逆に燃費の悪化につながる。そこで、生成・分級したFB燃料を安定的に燃焼機器まで運ぶ必要がある。方法としては、特に水平管においては、FBの浮上、分離ならびに合泡を防ぐために、燃料管内にラインミキサーを導入して、燃料の種類や流量、および機器の構造や効果について実験的に検証・最適化を行った。 FB燃料のエンジン燃焼試験について、高温、高粘度燃料でしかも化石燃料と比較して低カロリーのバイオ燃料へFBを添加し、ディーゼル機関の実験を実施した。燃料、ならびに燃料物性の違いが燃焼特性に及ぼす影響について、燃費、排ガス特性、シリンダ内圧力、熱発生率などを比較して実験的に検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
燃料添加ファインバブル(FB)生成システムの設計・開発について、まず、実験室内に中型ディーゼル機関(定格出力1,600 kW、燃料消費量4 L/min)クラスのFB混入装置、ならびに機関の燃料ラインを模擬した燃料循環装置を構築した。本装置の特徴は、FB混入装置からの燃料出口管内にインライン式FB計測プローブを設置し、その下流のパイプを透明にしたことで、管内のFBをリアルタイムに計測、ならびに可視化可能にした点である。加圧下や大流量下への適応性を考慮して、FB混入器は加圧溶解式とノズル式を併設した。燃料はA重油を用い、圧力や燃料流量を変化させて実験を行ったところ、定性的な差異は確認できた。 燃料中FBサイズ分布の計測技術開発について、インライン・リアルタイム計測が可能なプローブ式画像解析粒子径・形状分析装置を導入した。A重油中のFBを可視化、計測可能であるが、燃料圧力、燃料流量、FB空気流量の変化に対する最良なプローブの設置角度ならびに計測条件(解析方法、焦点距離など)について検討中である。 FB燃料のパイプライン輸送技術開発について、燃料循環装置を用いて、圧力、流量の変化やラインミキサーの有無などについて、実験的に検証を行った。機関の各気筒へ導かれる燃料主管を透明パイプにし、FBの濃度や分布について定性的な差異を確認した。 FB燃料のエンジン燃焼試験について、バイオディーゼル燃料(てんぷら油再生油)を用い小型高速ディーゼル機関(定格出力11 kW)実験を行った。NOxの低減は確認できたが、燃費低減の確認はできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
燃料添加ファインバブル(FB)生成システムの設計・開発について、設計・製作した中型ディーゼル機関(定格出力1,600 kW、燃料消費量4 L/min)クラスのFB混入装置と機関の燃料ラインを模擬した燃料循環装置、ならびにプローブ式気泡計測装置を用い、圧力や燃料流量を変化させて、定量的な評価を行う。 燃料中FBサイズ分布の計測技術開発について、圧力や燃料流量を変化させて、最良なプローブの設置角度(下流側から45°、流れに垂直)、ならびに計測条件(解析方法、焦点距離など)について確立する。 FB燃料のパイプライン輸送技術開発について、燃料循環装置の可視化パイプ内の流動状況(気泡濃度と分布)を画像解析により、定量的に評価する。 FB燃料のエンジン燃焼試験について、バイオディーゼル燃料を用い小型高速ディーゼル機関(定格出力11 kW)にて、FB混入方法(加圧溶解式、ノズル式)の影響について、燃焼特性(燃費、排ガス特性、シリンダ内圧力、熱発生率など)を比較して実験的に検討する。
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