Project/Area Number |
23K26615
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Project/Area Number (Other) |
23H01922 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 32010:Fundamental physical chemistry-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 啓文 京都大学, 工学研究科, 教授 (70290905)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2027: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2026: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | 分子配向 / 分子配位 / 距離幾何 / 構造表現 |
Outline of Research at the Start |
本課題では多原子分子やこれらの間の相対的配置を表現する新しい分子構造の記述法を開発することで、現実の多原子分子系を取り扱い易い普遍性の高いプラットフォームを創出を目指す。具体的には距離幾何と呼ばれる理論群を活用することで、分子や分子同士の配位・配向を構成原子間の距離情報に直接結びつける。これによって分子とその集団の構造に関する基盤的・根源的な理解を深めることができる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の活動で得られた成果の一部は以下の通りである。 (1)2つの多原子分子の相対的な位置や配向について、それぞれの分子を構成する原子間の距離の組で構造を表現する距離座標の考え方に基づいて解析を行った。四原子以上が含まれる系においては、距離座標の表現は冗長となり、三次元以上の多次元の空間における図形になってしまう可能性がある。そのためCayley-Menger行列式を用いて構造が三次元空間に留まるよう制約しつつ、とりうる相対配置を代数的に表現し、安定構造・停留点を直接探索する方法の開発に取り組んだ。 (2)界面における電子状態変化は吸着や電極表面を考慮する上で重要である。安池らによるopen-boundary cluster model (OCM) では、着目するクラスター周囲の効果を外向波境界条件を制御することで、連続的な固体バンド構造を再現することができる。この境界条件制御にはcomplex absorbing potential (CAP)が用いられるが,適切なCAPを決定するにあたってはさまざまな問題点が指摘されていた。本研究ではこれらを克服できるCAP構成法を新たに提案し、その有効性を実証した。 (3)配位型錯体の自己集合過程に対して、我々はこれまでに、電子状態計算に基づきながら過程の局所的なエネルギー変化を調べるとともに、過程全体の時系列変化をNASAPと呼ばれる数理モデルで追跡・解析してきた。これらの成果を総括し、総説論文として上梓した。また前者に関連して量子化学計算の結果を、静電相互作用などで簡単にモデル化して解析する手法を開発した。 (4)俣野らが報告している2-フェニルベンゾ [b] ホスホニウム塩の蛍光挙動における対イオン効果について調べた。従来からの考えとは異なり、特異的な蛍光挙動は、電荷移動状態が溶媒和で変化することによって説明できることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題で当初掲げていた課題については、概ね完了しており、成果についても学術論文として取りまとめ投稿を進めている。また新理論の検討も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに検討してきた新しい理論の開発に引き続き取り組む。また具体的な化学過程を対象とした計算を進め、それぞれの現象の理解を深めるとともに、現行理論の抱える問題点を明らかにして、さらに発展した理論開発の可能性について検討する。具体的には (A)距離座標系の利点・問題点が明らかになったことを踏まえ、「オイラー角+重心間距離」をはじめとする別の座標系とそれらの相互変換に関する理解を深める。また分子の変形・柔軟性を取り入れた構造の表現方法についても検討する。 (B)対イオンの効果を連続誘電体モデルを拡張することで考慮する方法の開発に取り組む。並行して、3D-RISM-SCF法に対して同様の検討を行い、理解の体系化を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(19 results)