Project/Area Number |
23K26656
|
Project/Area Number (Other) |
23H01963 (2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
井川 和宣 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (80401529)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,280,000 (Direct Cost: ¥5,600,000、Indirect Cost: ¥1,680,000)
|
Keywords | 不斉合成 / キラルケイ素分子 / シラステロイド / シラアミノ酸 / シラ糖 / シラシクロペンタン / シラオキソレン / 生体キラル分子 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,不斉ケイ素の立体化学制御法を基盤として,重要な生命現象に関わる生体分子の不斉炭素を不斉ケイ素に置き換えた「含ケイ素生体分子」の創製とそれらの生物活性の解明を目指す.これにより,炭素とケイ素の違いが生体分子の機能に及ぼす効果を明らかにして,キラルケイ素分子の立体化学制御法を基盤とする創薬研究や機能性分子開発研究などの新研究領域を開拓する.
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究では主として以下の研究成果が得られた. 1)多置換キラルシラシクロペンタンの立体選択的合成:独自に開発したシラシクロペンテンオキシドのエナンチオ選択的β-脱離反応によって潤沢に光学活性体を入手できるシラシクロペンテノールを不斉合成素子として活用することで,これまでに,様々なキラルシラシクロペンタン類の不斉合成に成功している.本年度の研究では,環内の全ての炭素にヘテロ官能基を導入したシラシクロペンタンを含む多置換体の立体選択的合成に成功した.その鍵となるのは,C4位酸素官能基の脱離による環内アルケンの導入と,その付加反応である.具体的には立体選択的なエポキシ化と位置選択的アミノ基の付加によって4つのヘテロ官能基を立体選択的に導入することに成功した. 2)新規キラルシラオキソレンの合成とその求核置換反応の立体化学:これまでに我々は,酸素と不斉ケイ素を含む5員環とベンゼン環が縮環したキラルベンゾシラオキソレンの合成に成功すると共に,それらに有機金属反応剤を作用させると求核置換反応が高立体選択的に進行することを明らかにしている.今回,ルテニウムカチオン触媒の共存下,ジヒドロシランにプロパルギルアルコール類を作用させることで,ベンゼン環が縮環していないキラルシラオキソレン類を合成することに成功した.さらに,それらの光学活性体を調製して有機金属反応剤を作用させた結果,求核置換反応が高立体選択的に進行することを明らかにした.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シラシクロペンテノールを不斉合成素子として活用することで,さらに多様なシラシクロペンタン類を不斉合成する手法を確立できた.その研究成果を国際学術誌に発表した(Chem. Lett. 2024, 53, upae039).また,合成手法の都合上,ベンゾ縮環体しか合成することが出来なかったシラオキソレン類に関して,新たな手法によってベンゾ縮環していない分子を合成することが可能となり,その構造多様性が大きく広がった.さらに,その求核置換反応が高立体選択的に進行することが明らかになったことから,今後,様々なシラノール類の不斉合成への応用が可能と考えられる.
|
Strategy for Future Research Activity |
多置換シラシクロペンテン類の変換によって,テルペノイドなどの骨格を有する多環式キラルケイ素分の不斉合成に展開する.また,シラオキソレン類の求核置換反応の立体化学経路を明らかにすることを目指す.さらに,キラルシラアミノ酸とペプチドの合成を検討する計画である.具体的には,我々が開発したアルコキシアルケニルシランのオゾン酸化を活用して,ケイ素上にアミノ基とカルボキシ基を導入する.合成した新規キラルケイ素分子に関して,それらの生物活性を明らかにするとともに,構造活性相関について精査する計画である.
|