Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2026: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
カゴ型構造の分子は、外部から隔離された内部空間における特異な機能の観点から、近年注目が集まっている。このような構造の分子を「分子やイオンを保存するための分子の容器」として活用するためには、必要になるまで確実に保存し、必要な時に取り出せるようなメカニズムの開発が必要である。本研究では、光反応によりカゴ型構造の開口部が開き、合成時に封入したゲストが放出されるような新規な分子システムの開発を目指す。 本研究で用いるカゴ型配位子は、1,3,5-トリブロモベンゼンから誘導されるトリス(サリチルアルデヒド)誘導体とフェニレンジアミン誘導体の縮合反応により合成した。この分子に酢酸コバルト(II)を架橋配位子共存下で反応させ、空気酸化を行うことで、開口部が閉じたカゴ型金属錯体を合成した。得られたカゴ型分子の構造については、各種NMRスペクトルおよびX線結晶構造解析により行った。ゲスト認識能および保持能力は、金属イオン共存下および非共存下でのゲストの出入りをNMRスペクトルの時間変化を追跡することにより評価した。このホスト分子は、セシウムイオンやルビジウムイオンなど、イオン半径の大きなアルカリ金属イオンを取り込むことができるが、その取り込みは非常に遅く、数時間から数日かけて平衡に達する速度であることが明らかとなった。また、ゲスト包接体を単離して溶解させ、NMRスペクトルの時間変化を追跡することで、そのゲストの保持能力について明らかにすることができた。
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