Project/Area Number |
23K26666
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Project/Area Number (Other) |
23H01973 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 34010:Inorganic/coordination chemistry-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
邨次 智 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (20545719)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥19,110,000 (Direct Cost: ¥14,700,000、Indirect Cost: ¥4,410,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥11,180,000 (Direct Cost: ¥8,600,000、Indirect Cost: ¥2,580,000)
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Keywords | 複合酸化物 / 不斉反応場 / N-ヘテロサイクリックカルベン / 多点相互作用 / キラリティ / ロジウム / ナノクラスター / 1,4-付加反応 / 不斉反応 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、有機キラル配位子と触媒活性点、及び担体表面の三者が協奏的に相互作用して不斉選択性を発現する固体表面独自の不斉反応場、「固体表面不斉反応場」を有するキラル固体触媒を創製する。複合酸化物の還元で表面に選択的に生成する微小金属ナノクラスターを触媒活性点とし、担体表面とも配位・相互作用可能な「多点相互作用型不斉配位子」を有機キラル配位子として新規開発し用いることで、固体表面での有機配位子の立体効果を有効化し不斉選択性を制御する反応場を固体表面上に構築すると共に、その不斉選択性発現メカニズム解明も通して、新しい不均一系固体触媒の不斉反応場の設計概念創出に大きく貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、有機キラル配位子と触媒活性点、固体表面の三者が協奏的に相互作用して不斉選択性を発現する固体表面独自の不斉反応場、「固体表面不斉反応場」を有する「キラル固体触媒」を創製することを目的としている。本年度は、(A) 不斉NHC配位Cr0.19Rh0.06CeOzの調製と不斉C-C結合形成反応活性評価、(B)「多点相互作用型不斉NHC配位子」の合成、について注力した。 (A) では、側鎖にナフチル基を有する不斉NHC配位子 (2) を合成し、水素還元を施した複合酸化物Cr0.19Rh0.06CeOz (r-Cr0.19Rh0.06CeOz) 表面上に固定化を行った (2-r-Cr0.19Rh0.06CeOzと表記)。FT-IRとTGAにより、不斉NHC配位子2はカルベンとしてr-Cr0.19Rh0.06CeOz表面上に固定化されていることが示唆された。調製した2-r-Cr0.19Rh0.06CeOzを用い、シクロヘキセノンとフェニルボロン酸との1,4-付加反応を検討したところ、収率は低いものの、エナンチオ選択性が発現したことを確認した。これに対し、これまでに開発に成功したICy-r-Cr0.19Rh0.06CeOzではエナンチオ選択性はみられなかったことから、表面でのキラルNHC配位子の効果を確認した。 (B) では、(a) 不斉発現部位と (b) Rhナノクラスターへの基質接近方向制御部位に加え、(c) 複合酸化物表面のCe3+と相互作用するキノリル基を導入した「多点相互作用型不斉NHC配位子 (1)」の合成を進めた。1は4段階の合成ルートで進めており、このうち2段階目まで合成を進め、1H NMRにて目的物の生成を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
不斉NHC配位子を固定化した水素還元Cr0.19Rh0.06CeOz (r-Cr0.19Rh0.06CeOz)の調製と触媒反応評価まで進めることができ、当初目的としている不斉NHC配位子の合成についても目途を立てることができた。今後、新規不斉NHC配位子の合成を完了するとともに、不斉NHC配位子の固定化量最適化と構造解析、触媒反応の最適化に移ることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初目的としている「多点相互作用型不斉NHC配位子」の合成の完成を進めるとともに、不斉NHC固定化r-Cr0.19Rh0.06CeOzの触媒反応最適化を進める。最も高いパフォーマンスを示した不斉NHC固定化r-Cr0.19Rh0.06CeOzにおける触媒活性点の構造 (不斉NHC配位子及び基質の固定化量・配位様式、Rhナノクラスターの構造・電子状態 (価数と配位数)) を表面構造解析 (FT-IR, 蛍光分光, TGA, XAFS, XPS, HAADF-STEM-EDS/EELS等) を駆使して明らかにし、高い触媒特性発現の要因解明を目指す。 また、表面で形成される「固体表面不斉反応場」を理解するべく、エナンチオ選択性発現のメカニズム解明を進めていく予定である。並行して、適用可能な不斉反応の拡張を図るべく、種々の触媒反応についても検討していく予定である。
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